学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

クリエイティブライティングコース

表現学部主催宵祭り

9月7日~12日の六日間、表現学部学生有志16名・教職員引率7名で宮城県南三陸町を訪れ、ワークショップ(ミニ灯籠作成・ボール遊びなど)と、入谷八幡神社境内での「宵祭り」を開催しました。昨年・一昨年とほぼ同内容ですが、さらに充実した催しにしようと一同気持ちを新たに臨みました。

現地に到着後、我々が宿泊する研修施設「いりやど」で震災の記録映像を見て講義を受けた後、津波被災の凄まじさが残る戸倉中学校と防災庁舎を訪れました。特に東日本大震災全体の象徴的な建築物ともいえる防災庁舎は、様々な議論を経て、少なくとも二〇三一年(=震災から二十年後)までは保存することに決定したそうです。昨年と違っていたのは、周辺の盛り土が進んでいたことでした。津波に浚われた地帯を盛り土で高くし、商業施設や工場を誘致する計画が進んでいます。防災庁舎は、それらの新施設に見下ろされる形で残ることになります。
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2日目より、「宵祭り」に備えイベントのリハーサルとモニュメント制作がはじまりました。モニュメントは、昨年と同じ門の形をした大灯籠にカラーセロハンを貼り、今回のテーマである「虹」を演出します。一昨年、昨年に続き地元JAの倉庫をお借りできたので、雨天作業もOKです。
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2日目の夕食後、入谷八幡神社例大祭に奉納される打囃子(うちばやし)の稽古を見学しました。こちらも一昨年、昨年に続き三度目の見学でしたが、今回は雨天で野外に屋根だけつき出た会場で稽古をしていたので、獅子舞の面や太鼓が使われていませんでした。太鼓がわりのドラム缶の打撃音もまた独特の迫力があり、日常に融け込む伝統文化の根強さを感じました。
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1日目から続く雨がやまず、週末の予報も雨。台風が二つも来ていたのです。茨城では鬼怒川が決壊する水害も起こり、一同不安を抱えたまま準備を続けました。4日目昼、半ば以上できあがったモニュメントは宵祭り会場である神社境内で仕上げをすべく運搬しました。運搬に際し、入谷公民館の館長さんが運転する軽トラにモニュメントのパーツを載せていただくことができたため大変助かりました。
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5日目(宵祭り本番当日)朝も雨が降り続いていました。モニュメントには雨よけのブルーシートをかけておいたのですが、さすがに前夜の大雨には耐えきれず浸水し、破損部分の修復に追われました。
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本番直前の夕方、予報よりも早く、ふいに雨が止みました。山の稜線に現れた大きな虹(今回のテーマと同じ!)に一同歓喜し、無事準備完了。修復が間に合ったモニュメントと、焼きそば・ヨーヨーつり・かき氷・子どもバー・水鉄砲射的・たこせんべえなどの屋台をしつらえ、お客様をお迎えします。ステージでは、恒例のビンゴ大会のほか、イベント班が知恵を絞った参加型バルーンアートが特にお子さん達に喜ばれていました。
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6日目(最終日)は素晴らしい晴天でした。午前中に手早く後片付けを済ませ、昼過ぎに東京に向け出発。振り返ると、今回のプロジェクトでは終始雨天に悩まされていました。一方で、我々が宿泊した「いりやど」で頂くおいしい食事も山と海に囲まれた南三陸町の豊かな自然の恵みであることを思うと、それらは我々にとっての不都合好都合にすぎないのかもしれないという反省が惹起されます。キーワードとして定着している「自然との共生」について様々に再考した六日間でした。(徳永直彰 記)
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