学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

国際文化コース

カルスタ漫画・アニメ・ゲーム研究会「トワイライト」の活動報告④

大学の銀杏並木がきれいに色づいています。
春学期に引き続き、秋学期も金曜日に「トワイライト」の活動が続いています。学生から活動報告が届きました。

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こんにちは、トワイライトメンバーのMAです。今日は私が担当した2回の活動の報告をします。

 

まず、スタジオジブリの『コクリコ坂から』を鑑賞しました。鑑賞後の意見交換で出てきたのは、「カルチェラタンに男子生徒しかいない」ということでした。カルチェラタンは高校の部活棟ですから、部活棟であるなら男女両方の生徒がいるのが当たり前だと思います。しかし、カルチェラタンには男子生徒しかいません。カルチェラタンは「ラテン語の飛び交う地区」が転じて、パリの「学生街」を意味することばですが、それを日本の高校の部活棟に使っています。この気取りと、何かしらの関係があるのでしょうか。カルチェラタンにいる生徒が男子生徒しか描かれていないことが、『コクリコ坂』が前提としている高校生の性別役割を示唆しているようで、気になります。

 

次に、『花とアリス――殺人事件』を鑑賞しました。映画『花とアリス』の前日譚で、中学生の花とアリスの二人の出会いの物語です。「殺人事件」と銘打っていますが、殺人事件はありません。殺してしまったのではないかと、勘違いをしている話です。ギャグ的要因が多く、たくさん笑わせてもらいました。しかし、花が好きな男の子を殺してしまったのではないかと、不安に駆られていること、それもギャグではあるのですが、どうしようもなく不安で心がかき乱されるという体験は、一度くらいは誰もが経験しているのではないでしょうか。自分にとっては一大事であっても、第三者から見たらくだらない、ちっぽけなものである可能性があることに気づかされました。出来事を相対化することは、当事者にはなかなかむずかしいことですが、映画や小説の登場人物を見つめることによって、自分自身にも第三者の視点をもつことができるようになるかもしれません。思い込みからの解放をうながしてくれる作品でした。

 (余談ですが、思い込みといえば、学校ごとに運動会の組の色分けが異なることに、この作品を見て気づきました。きっかけは本編中の運動会のシーンでアリスが2組で赤組だったことで、私の育った環境では赤組は1組であることが当たり前でした。メンバーに聞いたら、1組が白組だった人もいました。驚きの発見です。)

 

いつでも誰でもトワイライトに加わることのできるような環境を作っていきたいと考えています。金曜日の夕方、カルチュラルスタディーズ閲覧室で活動しています。まだ参加したことのない1年生たちも、ぜひ、来てみてください。

今回の報告は以上です。

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次の活動報告も楽しみにしています。
自由な議論のなかから、たくさんの「ひらめき」が生まれています。
                                              ♪伊藤淑子

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