学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

国際文化コース

星川啓慈先生のご著書が上梓されました。

星川啓慈先生の新しいご著書が出版されました。長年の研究成果を踏まえた大著です。論考を原稿にまとめ、本として出版するというのは、研究者として社会的責任を果たすことです。本は文化の中枢にあるメディア、知の授受に欠かせないもの、カルチュラルスタディーズコースとしてもたいへん嬉しいことです。星川先生、おめでとうございます。

出版までの細かな作業を終えられて、ほっとなさり、喜びをかみしめていらっしゃる星川先生からメッセージをいただきました。

●●●

 

 みなさん、こんにちは。カルスタの星川です。いよいよ新学期が始まりますね!

 

 3月末に『宗教哲学論考――ウィトゲンシュタイン、脳科学、シュッツ』(明石書店)という本を出しました。

この本は、「宗教哲学」という超抽象的な学問分野の専門書ですが、実は、カルチュラルスタディーズの手法をふんだんに取り入れています。

ここでは、「そんな抽象的な分野の本がどうしてカルスタと関係があるのか」について、お話ししましょう。

授業で使用しているサルダー&ルーンのテキスト『カルチュラル・スタディーズ』(作品社、2002年)には、たとえば、次のように書かれています。

 

   カルチュラルスタディーズは、社会科学や人文諸科学のさまざまな分野からあれこれ
   借りてくることで機能している。(9頁)

   カルチュラルスタディーズは必要とあらば、あらゆる分野からあらゆる方法論を取り
   入れて、目的に応じた使い方をするのです。(9頁)

 

 カルスタについて知らない人たちは「なんだ、カルスタって借り物の学問じゃない」とか、「自分たちの学問の方法論がないのか」と思うかもしれません。

 しかし、さまざまな分野の議論を的確に理解して、それを文化現象の解明に応用するというのは、実は、大変な知性を必要とします。

 私の新著のなかで「借りて」きた学問分野は、宗教学、哲学、論理学、社会学、心理学、精神医学、脳科学(神経科学)、戦争学、文献学などです。これらの分野の知見を駆使しながら、「宗教」という「文化現象」をめぐる6つの「哲学」的な「論考」を有機的に結び付けて、1冊の本に仕上げました。

 参考までに、自分としては恥ずかしいのですが、編集者が考えた帯のコピーを引用します。

 

   宗教哲学三部作、ここに完結!

   宗教哲学者である著者がこれまでずっと関心を抱いてきた2人の哲学者、L・ウィトゲンシュタインと
   A・シュッツ。

   この2人の哲学を中心に、生、神、祈り、宗教、脳科学といった問題に独自の視点から鋭く斬り込んだ
   〈星川宗教哲学〉の集大成。


「宗教哲学三部作」の背表紙。右端が新著、3冊の総文字数はおよそ「88万字」。大正大学の一般の卒業論文の「40倍以上」の文字数!

 

 ところで、私の本の中でも登場するルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン(18891951)という哲学者は「哲学とは理論ではなく活動である」(『論理哲学論考』)と述べました。私も、この言葉に背中を押されて、これまで研究を続けてきました。

 カルスタはまさに「活動」です! みなさんも、自分自身で取り組むテーマを見つけて、「自分独自の方法論を編み出しながら問題を解く」というカルスタ的「活動」をしてはいかがでしょうか?

 なお、『宗教哲学論考』は3月31日以降、しばらくの間、池袋のジュンク堂などで「平積み」にされています(いるはずです)。実際に、手に取って見ることができます。

●●●

 まもなく新学期、星川先生の達成をお祝いしながら、それにあやかって、私たちも力強く「活動」したいと思います。
 
                                    ♪伊藤淑子

GO TOP