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宗学コース

夏期仏教研修道場(比叡山居士林道場)の報告 その3

仏教学科 勝野隆広

 比叡山居士林道場での研修の中でも、一番苦しい修行は「回峰行」の体験です。「回峰行」とは、比叡山の峰を巡る修行で、特に千日回峰行は比叡山の荒行として知られています。

0924-5.jpg 研修生は夜中の1時45分に起床、おにぎり2個の軽食を取ってから身支度を調えます。比叡山西塔の釈迦堂の前で準備運動のあと、魔事なく回峰行を終えることができるよう本尊様に祈念して、いよいよ歩き出します。
 真っ暗の山道を、懐中電灯の明かりだけを頼りに歩くのです。比叡山の自然のなかで、夜の闇の暗さと霊気を感じながら、一歩一歩、歩くことだけに心が集中していきます。坐禅止観とは異なった、歩きながら三昧の境地に至る瞬間です。

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 途中、横川の元三大師堂でお茶をいただき小休止。空が白み始めた頃、山を降って比叡山山麓の坂本に至り日吉大社を参拝して、伝教大師が産湯を使ったという生源寺にて朝食を取りました。

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 そして無動寺谷を登り明王堂へ。この一時間あまりの急なのぼり坂が一番の難所です。汗だくになりながら、お互いに励ましあい登りきった明王堂でいただいたお茶の美味しいこと。甘露のお茶に心身を癒され、東塔を経てまた西塔の居士林へ戻りました。

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 体験とは言え回峰行とほぼ同じ行程を歩ききり、学生たちも大きな達成感を得られたようでした。

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