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宗学コース

古都仏教文化研修(フィールドワーク)報告

研修テーマ:京都の寺社を中心にわが国における仏教思想・仏教文化の源流を探る

 大正大学仏教学部恒例の奈良・京都・鎌倉等の古都をめぐって仏教思想・仏教文化の源流を探る古都仏教文化研修が、今年の夏も学生・保護者50名の参加を得て、2泊3日で京都で開催されました。毎年、募集人員の上限(バスの定員です)を集め、キャンセル待ちが出る程の人気の研修です。というのも、大正大学の設立母体である天台宗・真言宗(豊山派・智山派)・浄土宗という幅広い人的ネットワークを駆使して行われるこの研修は、いわゆる通常の観光旅行では入れないような伽藍の案内をしていただき、あるいは、各寺院の僧侶(大正大学卒業生も数多い)による親身な解説をいただける貴重な研修だからです。また、夜の講義も、大正大学の先生方の研究仲間が多く、こちらも各先生方から世界最高峰の研究成果をやさしい言葉でお話いただくとして定評のある企画です。

 事前研修と事後研修を受講すれば、大学の単位としても認定されるということで、各参加者も一人一人が高い意識をもって研修に臨んでくれています。

 さて、今年の行程は、次の通りです。
  初日午後 洛北三尾方面
       ①栂尾・高山寺(世界遺産)
       ②槙尾・西明寺
       ③高雄(高尾)・神護寺
    夜  講義 仏教建築について―平等院鳳凰堂―
            冨島義幸先生(滋賀県立大学環境科学部環境建築デザイン学科)
 2日目午前 伏見方面
       ④醍醐寺(世界遺産)
       ⑤日野薬師・法界寺
    午後 宇治方面
       ⑥西国観音霊場・三室戸寺
       ⑦宇治上神社(世界遺産)
       ⑧平等院(世界遺産)
    夜  講義 仏教絵画について―仏画を読む―
            大原嘉豊先生(京都国立博物館学芸部)
 3日目午前 京都東山
       ⑨真言宗智山派総本山・智積院
       ⑩天台三門跡・妙法院
       ⑪三十三間堂
       ⑫東寺(世界遺産)

 今回参拝した12の寺社の内、4ヶ寺1社が世界遺産に登録され、ほとんどの寺社で国宝を多数蔵しており、重要文化財に至っては数え切れないほどの什物が伝来されています。というのも、多くの寺社が平安初期か、それ以前に開創され、1200有余年もの風雪に耐え、星霜を重ね、長い歴史を刻んできたからです。現在まで大切に守り続けて下さった歴代のご住職方と多くの僧侶、そして、それぞれの寺社を支え続けてきた数え切れない方々のご努力に心から感謝を捧げ、そのご精進には感嘆の念を禁じ得ません。

 私自身は、すでに何度も訪れている寺社がほとんどですが、すべての寺社で訪れる度に新たな発見があり、ご本尊をはじめとする仏・菩薩・明王・天部の諸像から多くのことを学び、手を合わせてご尊顔を拝すると、そのお顔に微笑みかけられ、声を掛けられているかのような優しさに包まれ、深い感銘を与えられます。

 前述したように、各寺院で僧侶による丁寧な案内や接待をいただき、はじめて訪れる寺社の多かった学生や保護者の方々もいたく感動し、学生・保護者一同、大いに満喫した研修でした。

 気が早い話ですが、早速、来年の行程を頭の中で練り始めています。研修は、昨年の奈良(奈良時代)・本年の京都(平安時代)と進みましたので、来年は鎌倉(鎌倉時代)から江戸(江戸時代)に時間を進めて、わが国の仏教思想・仏教文化の源流を探っていく予定です。 

合掌

 (文責:仏教学部仏教学科准教授・林田康順)

 

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栂尾・高山寺、世界遺産の石水院での勤行です。

 

槙尾・西明寺、山門前での集合写真です。

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醍醐寺、金堂での勤行です。

 

醍醐寺、金堂前での集合写真です。

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平等院、国宝鳳凰堂をバックに、神居御住職と共に記念写真です。

 

東寺、東寺のお茶やで一休みです。

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東寺、国宝大師堂前での集合写真です。

   
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