大正大学 スガモで育む日本の未来。

人間学研究科 福祉・臨床心理学専攻
社会福祉学、臨床心理学、人間科学を統合する博士後期課程

修士課程である社会福祉学専攻、臨床心理学専攻、人間科学専攻を統合する博士後期課程です。

学びの特色

修士課程までの自らの研究を深化させ、
各研究分野の進展に寄与できる人材を育成

01

現代の課題に対応できる、高度な専門性を持つ人材を養成する

本専攻は、少子高齢化など急激な社会変動の過程で生じる社会や人間の問題に対応するため、高度な専門性を有する人材を育成します。

02

仏教思想を基盤としたヒューマンサービスの理論と技術を学ぶ

社会福祉学と臨床心理学の分野は、仏教思想を基盤としてヒューマン・サービスの理論と技術論を体系的・実践的に学び、今日的課題に柔軟に対応できる高度な専門性を有した人材を育成します。

03

人間の科学的理解にアプローチできる人材養成

人間科学の分野では、より広い視野で人間の科学的理解にアプローチできる人材を養成します。また、高度な専門的知識を活かして、社会の相応の場で指導的役割を担うことを目標としています。

博士課程

多職種の専門職を尊重し、進んで連携・協働し、自らの研究を深化させる

福祉・臨床心理学専攻博士後期課程は以下のようなポリシーを持って運営しています。

1. 特殊研究の目的
自ら設定した研究テーマに基づき、広い視野と多面的かつ重層的な思考によって、関連の学術領域の成果の中に独創的成果として位置づけられる、実証的・論理的な論文を作成していくことを目的とします。
2. 選択必修科目の目的
関連研究領域における、調査研究及び発表の発展的な技術を習得することを目的とし、調査発表、ピアレビュー、討議を中心に講義を行います。
3. 博士課程の大きな目的
大学が掲げている教育ビジョン「4つの人となる」を、生涯を通じて体得していこうとする大学院生の育成を目的としています。

教育方針

ディプロマ・ポリシー(DP)

福祉・臨床心理学専攻は、大学が掲げている教育ビジョン「4つの人となる」を、生涯を通じて体得していこうとする大学院生を育成するために、修士課程である社会福祉学専攻、臨床心理学専攻、人間科学専攻を統合する博士後期課程における教育課程を修了し、以下の資質・能力を備えた大学院生に学位を授与します。

知識技能
  1. 社会福祉学・臨床心理学・人間科学への広い知識と深い理解を有している。
  2. 国内外における関連領域の先行研究を踏まえて、適切な研究方法により正確な論理展開ができる。
  3. 社会福祉学と臨床心理学の分野は、仏教思想を基盤としてヒューマン・サービスの理論と技術論を体系的・実践的に身につけ、今日的課題に柔軟に対応できる高度な専門性を有している。
  4. 人間科学の分野では、より広い視野で人間の科学的理解にアプローチできる。
思考判断表現
  1. 客観性を重視する科学的視点と共感性を軸とする実践的・臨床的視点に基づいて、多面的かつ重層的な思考、判断ができる。
  2. 専門領域における先行的な実践、研究を系統的に理解するとともに、自らの研究主題に照らして独自の視点から評価、判断し、実践や研究に応用できる。
  3. 研究及び実践上の倫理に、適切な配慮ができるとともに、研究上の成果を博士学位論文として公表できる。
関心意欲態度
  1. 各分野での高度に専門的な知識を活かして、社会の相応の場で指導的役割を果たそうとする態度を身につけている。
  2. 自らの研究を、各研究分野の進展に寄与しうることを目指して日々向上させようとする意欲を有している。

カリキュラム・ポリシー(CP)

福祉・臨床心理学専攻は、ディプロマ・ポリシー(学位授与方針)に示した資質・能力を総合的に身につけている大学院生を育成するために、「特殊研究」と「選択必修科目(平成30年度開講)」を設置し、研究倫理教育やコースワークを視野に入れたカリキュラム編成を行っています。また、評価については、研究成果としての博士学位論文を総括的に評価するだけではなく、単位履修や研究指導過程における成果を測定することにも取り組んでいます。

教育内容
  1. 社会福祉学・臨床心理学・人間科学専門分野における専門的知識、当該研究領域における調査研究及び発表の発展的な技能を習得するために、研究指導に関する科目として、「選択必修科目(平成30年度開講)」を配置します。
  2. 自ら設定した研究テーマに基づき、広い視野と多面的かつ重層的な思考によって関連の学術領域の成果の中に独創的成果として位置づけられる、実証的・論理的な論文の作成が可能となるために研究指導の科目として「特殊研究」を配置します。
  3. 調査研究を遂行するために「研究倫理教育」を含む研究方法等の科目を配置します。
教育方針
  1. 「選択必須科目(平成30年度開講)」において、大学院生による調査発表、ピアレビュー、討議を中心に行います。
  2. 「特殊研究」では、指導教員による個別指導に加え、年複数回の研究発表会で研究経過及び成果を発表する機会を設けます。
  3. 研究倫理遵守に関する知識や方法を習得し、姿勢を涵養するために、研究倫理教育プログラムを編成します。
評価
  1. 研究内容の質を担保するために、学術研究発表会等発表の機会を設けます。
  2. 博士学位論文の審査基準を設けて評価します。
  3. FDを定期的に開催することで、カリキュラムアセスメントを実施し、教育課程を随時見直します。

アドミッション・ポリシー(AP)

福祉・臨床心理学専攻は、ディプロマ・ポリシー(学位授与方針)に示した資質・能力を総合的に身につけている大学院生を育成するために、以下の資質・能力を備えた大学院生を求めます。

知識技能
  1. 前期(修士)課程までの自らの研究を深化させ、学位(博士)論文としてまとめる計画を持っている。
  2. 専門文献の講読と検索に必要な英語力を有している。
思考判断表現
  1. 客観性を重視する科学的視点と共感性を軸とする実践的・臨床的視点に基づいて、思考、判断ができる。
関心意欲態度
  1. 社会の相応の場で指導的役割を果たすために、自ら積極的にそれを展開しようとする意欲を持っている。
  2. 研究と実践において、鋭敏な倫理的配慮をしようとする姿勢を常に持っている。
  3. 多職種の専門職を尊重し、進んで連携・協働しようとする意欲を持っている。

担当教員

  • 教授
    青木 聡
    専⾨分野:
    離婚後の面会交流と片親疎外に関する研究

    研究キーワード

    • 家族支援
    • 離婚・再婚と子ども
    • 親子関係
    • 父母間葛藤
    • 共同養育
    • 面会交流
    • 片親疎外
    • 子育て支援
    • 心理教育
    • あいまいな喪失

    研究テーマ・領域テーマ

    「離婚・再婚と子ども」をテーマに、離婚後の面会交流と片親疎外に対する心理臨床的支援の実践および研究を行っています。

    担当授業科目

    M心理学研究法特論、M臨床心理基礎実習、M臨床心理実習、臨床心理学特殊研究、M臨床心理面接特論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    心の支援について一緒に深く考える対話を楽しみにしています。

  • 教授
    荒生 弘史
    専⾨分野:
    生理心理学・実験心理学

    研究テーマ・領域テーマ

    生理心理学/実験心理学

    担当授業科目

    心理学的測定法・心理学系特論・心理学系演習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    脳波や様々な行動指標を使った心の働きの探求と、臨床応用のための心的機能測定法の開発を行っています。特に音、音楽、ことば等の情報処理を題材にしています。いずれも、How この目的のために、言語学者や医師、工学者とも研究を進めています。彼らとの接点で浮かび上がるのは、もちろん相互の違いですが、それは実験心理学の長所や短所でもあります。

    科学という共通の土俵のもとではありますが、異分野の仲間との議論は、ときに異種格闘技の様相を呈します。そのどれもが、実験のデザイン・実施や、データの解釈に、貴重な視座をもたらします。

    大学院では、実際にそのような土俵での経験を積みながら、「心の働きの探求」や「心的機能測定法の開発」を進めます。

  • 教授
    井出 裕久
    専⾨分野:
    産業社会学、社会調査論

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 産業社会学の分野では、「働くこと」に関する⼈びとの信憑――〈仕事〉の信憑――を明⽰化することをめざしています。
    2. 社会調査論の分野で、社会学の世界で、また社会的に社会調査が信頼を獲得してきた過程を歴史的に振り返ることを課題としています。

    担当授業科目

    質的調査法・社会学系特論・社会学系演習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    ⼤学院へ進学する動機は、単純ではなくさまざまかも知れません。

    しかし、その1つには、そのままにはしておけない何らかの違和感、判然としない感じ、あるいは何かを解明したい、しっかりと把握したいという希望があるに違いありません。私も、そうした違和感や希望の持ち主でしたし、現在もそうです。

    この希望への道は⾃らが歩みをすすめるほかありませんが、過去・現在のさまざまな他者との対話が不可⽋です。

    ⼤学院は、そうした対話の場の1つです。今まで⼤学院で担当した科⽬の履修者との議論は、私⾃⾝が何を⾃明としているかにも気づかせてくれる、とても刺激的なものでした。そうした経験をみなさんと共有できることを楽しみにしています。

  • 教授
    沖倉 智美
    専⾨分野:
    障害者福祉領域を中心としたソーシャルワーク、スーパービジョン、成年後見制度に関わる実践に基づく研究

    研究キーワード

    • 障害福祉
    • 地域生活支援
    • ソーシャルワーク
    • スーパービジョン
    • 権利擁護
    • 意思決定支援
    • 成年後見制度

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 障害福祉領域を中心としたソーシャルワークでは、相談支援専門員のトレーニングとしての反省的演習のプログラム構築とファシリテーターの養成について、実践に基づく研究をしています。
    2. 権利擁護では、①意思決定支援および成年後見に関する実践、②障害者支援施設における虐待防止や個別支援計画作成等支援の質向上を目指したフィールドワーク、を通じた研究をしています。

    担当授業科目

    障害者福祉研究、ソーシャルワーク研究法Ⅰ

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    ソーシャルワーカーとしての実践力を高めたいと強く望む人を応援します。研究関心は貪欲に持ちつつ、当事者の声や社会福祉現場の営みへの畏敬の念を忘れず、誠実に向き合ってください。なぜならそこに「応え」があるからです。

    研究者自身の実践に対する省察を促すために、質疑応答を重ねます。ソーシャルワーカーの言動には必ず意図があります。その意図がどこから生じるのかを明確化することで、ソーシャルワーク理論を構築します。

    研究方法は多様ですが、どれを選択するにせよ、最終的に研究者自身の実践、ひいては当事者の生活の質向上に還元できるよう、実践との循環を大切にした研究を希望します。

  • 教授
    神山 裕美
    専⾨分野:
    コミュニティソーシャルワーク、メゾ・マクロレベルのソーシャルワーク論、地域福祉の推進方法

    研究キーワード

    • コミュニティソーシャルワーク
    • メゾ・マクロレベルのソーシャルワーク論
    • 地域福祉の推進方法

    研究テーマ・領域テーマ

    共生社会実現に向けて、「地域で孤立・疎外されやすい個人や家族への支援は、直接支援だけでなく、組織や地域支援等の間接支援や、地方自治体の地域保健福祉計画や政策形成とも関連し循環させることで、より効果的に機能する」という仮説より、その検証を地域での継続的研究より進めています。地域基盤の研究は、地域福祉分野だけでなく、地域医療保健やまちづくり等の接点も多いので、多分野にも貢献できるよう進めています。

    担当授業科目

    スーパービジョン演習Ⅱ、地域福祉研究、社会福祉研究

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    日々の仕事に追われる中で、実務には慣れてくるものの、もっと深めたい知識、考えたい課題、が重なってくることはないでしょうか。慌ただしい日常では、読めない本、自分では選ばない本を読んでみて、考え、多くの人と語り、現実と比較しながら言葉にしてみる時間と空間、そして仲間が得られるのが大学院です。

    人生の一時期、長いキャリア形成において、少し休んで考えを深め視野を広げる機会をもつことは、贅沢なことではありません。むしろ、新しい時代変化に合わせて、自分自身をレベルアップする機会になるのではないでしょうか。

    変化の激しい社会福祉分野において、時代に翻弄されず、制度や政策に振り回されず、真に人と社会のために役立つ力とは何か、そのためにどんな学びを深めたらよいか、慌ただしい日常から少し離れて考える場を、大学院は与えてくれます。

  • 教授
    近藤 直司
    専⾨分野:
    児童青年精神医学、家族療法・家族支援、精神力動的精神医学

    研究キーワード

    • 精神医学
    • 児童・青年精神医学
    • 精神分析的心理療法
    • ひきこもり問題
    • アセスメント手法

    研究テーマ・領域テーマ

    精神医学のうち、とくに児童・思春期を専門領域としています。精神科医療、精神保健福祉、児童福祉の現場で仕事をしながら、とくに、若者のひきこもり問題について研究してきました。また、医療、保健、心理、福祉領域の専門職を対象に、ケースのアセスメントについての方法論を開発・普及しています。

    担当授業科目

    M健康心理学・M地域支援論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    医療、保健、福祉などの領域における心理専門職の役割を伝えたいと考えています。

  • 教授
    坂本 智代枝
    専⾨分野:
    ソーシャルワーク論、精神保健福祉学

    研究キーワード

    • 精神保健福祉学
    • ソーシャルワーク
    • 質的研究
    • ピアサポート

    研究テーマ・領域テーマ

    • ソーシャルワーク実践の質的研究
    • 精神障害者の地域生活支援に関する研究
    • 障害ピアサポート及びピアアドボカシー研究

    担当授業科目

    修士課程:精神保健福祉研究、ソーシャルワーク研究法Ⅰ・Ⅱ、スーパービジョン演習Ⅰ、実践分析研究Ⅰ・Ⅱ

    博士後期課程:社会福祉研究方法、特殊研究

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    修士課程ではソーシャルワーク実践を可視化する研究方法を基本に、研究する醍醐味や楽しさ、苦しみも含めて実践者として、研究者としても成長する機会となります。大学院を開設して20年以上経ちましたので、多くの修了生が実践現場及び、教育研究の場で活躍しています。

    博士後期課程では、研究方法を中心としたコースワークを踏まえ、新たな知見を創出することを目指して研究を進めていきます。
    さらに、ゼミを通してピアインストラクションや修士課程の院生との交流を含めて、研究教育の力量も磨いていきます。

    ぜひ、大正大学の大学院の門をたたいてください。

  • 教授
    金 潔
    専⾨分野:
    国際比較研究を通して普遍性のある子ども家庭福祉を考究する

    研究キーワード

    • 子ども家庭福祉
    • 国際福祉
    • 子育て
    • 施設養護
    • 里親養育

    研究テーマ・領域テーマ

    国際比較研究を通して普遍性のある子ども家庭福祉を考究する。

    1. 社会的養護(施設養護、里親養育)に関する養護実践
    2. 子どもおよび家庭に対する支援のあり方

    担当授業科目

    国際福祉研究、社会福祉実践分析研究

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    私にとって、大学院での5年間は人生のなかで最も充実した日々であり、大きく成長させてくれた期間でもあります。
    大学院のときから、「踏査」という研究スタンスを貫き、児童養護施設長や里親里子との出会いによって、私は研究活動の幅が広がりライフワークへと繋がっているように思います。
    また、当事者、支援者との関わりを通して、子どもと家庭の実態・ニーズの発見、解決策のヒントが多く得られました。実践から生み出された理論の構築、そして、その構築された理論を再び実践に生かす、その繰り返しの研究・教育が求められると考えます。
    皆さんもぜひご自身の問いや、深めたいこと、研究したいことを大学院で取り組んでみませんか。皆さんとの出会いを楽しみにしています。

  • 教授
    長谷川 智子
    専⾨分野:
    発達心理学、食行動の心理学

    研究テーマ・領域テーマ

    発達心理学:食と睡眠の健康教育、食行動の発達,乳児の授乳場面における母子のシンクロニー,肥満ややせなどの子どもの体型と母子関係

    担当授業科目

    心理学的測定法・心理学系特論・心理学系演習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    研究を進めていくには地道な努力が必要です。例えば,原著論文を精読する、先行研究を批判的に解釈する、自分の研究の説明理論を構築する…いずれも、How to的に習得するのではなく、時間をかけて自分なりの試行錯誤を繰り返しながら、身につけていくようなものです。

    このような地道な努力を支えるのは、研究に対する強い好奇心、あるいは研究から得られた成果が社会に還元できることへの期待に他なりません。

    クールな知性と研究に対する情熱をもった方と議論できることを楽しみにしています。

  • 教授
    宮崎 牧子
    専⾨分野:
    高齢者福祉、地域福祉。とりわけ高齢期における居住のあり方を研究

    研究キーワード

    • 高齢者福祉研究 高齢期の居住
    • 地域福祉研究 地域包括ケアシステム

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 高齢者福祉研究と地域福祉研究の重なり合う領域が、研究領域になります。とくに、高齢期の居住のあり方は、高齢になっても可能な限り在宅生活を継続するための地域社会の支援のあり方とも関連して考えていきます。
    2. 高齢期の居住のあり方という視点にたって、今後の施設におけるケアや支援のあり方を考えます。

    担当授業科目

    高齢者福祉研究

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    社会福祉の現場実践をしている方で大学院の入学を検討している方々へ
    自分が現場実践してきたことを振り返り、まとめることは次のステップをみつけることにつながります。
    自分が現場実践している中で、研究テーマを見つけることができている人は、その研究テーマをまとめてみることを通じて、社会福祉実践と研究の循環を意識できるようになります。

カリキュラム

研究指導の方法と学位授与

所定の研究指導を受け、必要な単位を修得し学位請求論文(課程博士】を提出の後、試験に合格することによって、博士(人間学)の学院が授与される。
論文提出までの期間、修士課程と同様に必要に応じて成果発表(プレゼンテーション)を実施し、研究の進捗状況を報告しなければならない。

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