宗教学専攻

寺田喜朗先生メディア掲載情報


 本研究室の寺田喜朗先生の論文、「新宗教とエスノセントリズム−生長の家の日本中心主義の変遷をめぐって」(2008『東洋学術研究』45号)が、現在ベストセラーになっている青木理さんの『日本会議の正体』2016平凡社新書)内にて紹介されています。

 本書は、安倍政権を支え、日本社会の右傾化を推し進めていると評される日本会議の実態・実力に迫った話題の新書です。

 その中でも、日本会議と生長の家の関係を論じている第2章で、寺田先生の論文が、「非常にコンパクトにまとめられていて参考になる」として引用されています。

 寺田先生は、本論文で、皇国史観や国粋主義的思想を持つとされる生長の家の思想的背景と、教祖谷口雅春の政治思想の根底にあるエスノセントリズム(自国民中心主義)の形成過程を明らかにしました。

 また、教団設立期の1930年代までは、表出していなかったエスノセントリズム的要素が、教団発展期の1940年代に入ると、日米開戦を契機として、天皇信仰という形で強く押し出されるようになり、教義や教祖の教えも日本人としての誇りを鼓舞するような主張に変化したことを指摘しています。

 

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 また、雑誌『サイゾー』20169月号で組まれている日本会議の特集記事内で、寺田先生が日本会議の政教問題について解説しています。

 寺田先生は、原則として日本会議は政教分離に違反していないという立場から、日本会議に参加している神社本庁や新宗教の政治的イデオロギーについて論じています。

 特に、生長の家の谷口雅春が政界に及ぼした影響と、政治活動に焦点を当て日本会議の成立過程を説明しています。

 

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 寺田先生は、宗教社会学が専門で、主著に『旧植民地における日系新宗教の受容−台湾生長の家のモノグラフ−』、最近編著で刊行された『近現代日本の宗教変動−実証的宗教社会学の視座から−』があります。

 フィールドワークやライフヒストリー法などを用いて、宗教運動や宗教組織に関する研究をなさっています。

 
 大正大学大学院の宗教学研究室では、上記のようなナショナリズムと宗教、新宗教、政教分離の問題だけでなく、様々な問題意識を持つ教員や学生が一緒に研究に励み、切磋琢磨しています。


(文責・髙田 彩)