宗教学専攻

日本宗教学会第75回学術大会に参加しました①


 99日から11日まで、早稲田大学にて日本宗教学会第75回学術大会が開催されました。本学研究室からは発表者の諸先生・先輩方のほか、院生ら含め計19名が参加しました。

 今回は、大会2日目と3日目の個人発表とパネルディスカッションに参加した本学研究室関係者の発表内容をご紹介いたします。

 大会2日目には個人発表とパネルディスカッションが行われました。本学研究室からは、以下の5名の諸先生・先輩方が発表されました。

・寺田喜朗先生がコメンテータを務めたパネル発表「宗教を心理学することの意義と可能性」

・小川有閑先生「心理的瑕疵物件の問題からみる日本人の自死イメージ」

・高瀬顕功先生「少年期の宗教性と向社会性―中学生へのアンケート調査から―」

・魚尾和瑛さん「ハワイ浄土宗寺院における信仰継承の諸相」

・小林惇道さん「日露戦争期の戦没者慰霊言説の展開―仏教系雑誌・新聞を中心に―」

 

 以下、髙田が聴講した発表内容を簡単に紹介します。

 高瀬先生は、日本の少年層の宗教観や宗教性に注目し、東京都内の仏教系私立中学校の男子生徒を対象にした質問紙調査を行ないました。その結果から、宗教性と向社会性の関連を分析しました。そして、互助意識や自己犠牲をいとわない意識、また他者への信頼などの向社会意識は、神仏の存在や、先祖の加護、寺社の祭りなどの宗教性と関連があることを明らかにしました。

 魚尾先輩は、排日運動期(19001936年)のハワイにおける日系仏教教団の信徒の信仰継承が、どのように行われていたのかを、浄土宗ホノルル別院に残されている日鑑や議事録などの資料を用いて検討しました。検討の結果、浄土宗は、日曜学校で宗教教育を行なうという布哇仏教教団連盟の方針に従い、日曜学校の整備に努め、従来行っていた宗派教育から通仏教的な教育へと内容を変更したことを指摘しました。


 午後からは、本学非常勤講師の松島公望先生がパネリストを務め、本学教授の寺田喜朗先生がコメンテータを務めたパネルディスカッション、「宗教を心理学することの意義と可能性」が行われました。
 本パネルは、実証的・経験的なデータに基づいて、心理学の立場から宗教に関連する事柄を論じる「実証的宗教心理学」を提唱すること、また、その研究方法や対象、意義を事例から検討し、宗教心理学の今後の可能性を模索することを目的として組まれました。

 コメンテータの寺田先生は、本パネルの登壇者が掲げる実証主義的志向に賛同しつつも、サンプルの代表性や、データの妥当性について疑問を投げかけ、宗教心理学が措定する枠組みについて検討の余地があるとコメントしました。

日本宗教学会


パネルディスカッションの様子



日本宗教学会2
松島公望先生



日本宗教学会3


寺田喜朗先生

 

 次は、3日目についてレポートします。

(文責:髙田 彩)