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平成23年度 地域精神保健研修会(今年度は終了いたしました)

 

連続講座「生きにくさ、暮らしにくさを抱える若者の巣立ちを支える」
 

 成23年度の地域精神保健研修会においては、「生きにくさ、暮らしにくさを抱える若者の巣立ちを支える」を共通テーマとして、5回にわたる連続講座を開催いたします。若者と呼ばれる世代は、これまでにも「子どもから大人へ」の過渡期特有の課題を持つと言われてきました。それに加え、昨今では「空気が読めない」「人との関わりが苦手」といった対人関係における困難さをもつがために、社会的自立に向けて歩を進めることが困難な方たちが増えていると言われます。こうした中には、学校生活や社会生活でいじめを受け、疎外感と孤立感を抱えている場合があります。さらにこの不利な状況が重なっていくと、社会的引きこもりと呼ばれる状態に陥り、人との関わりを断ってしまうこともあります。今回の連続講座では、こうした困難を抱える方たちが、自分や他者と上手に関わりながら社会に巣立っていくために、どのような援助が必要なのかについて学んでいきます。
 講師には第一線でご活躍されている先生方をお招きし、この領域における援助職、心理職の人々や学生のみならず,課題を抱えているご本人やその家族も参加していただけるよう企画しました。

 

今年度の研修会はすべて終了いたしました

 

◆     第1回 「発達障害と生きにくさ : ライフステージからみた青年期・成人期の課題」
        講師:田中 康雄 先生(北海道大学大学院 教授)
        日時:平成23年6月24日(金)18:30~20:30 ・・・終了いたしました。     
 
「最近,僕は「発達障害とは生活障害」であると感じています。今回は青年期,成人期にある発達障害のある方がたが抱える生きにくさについて,日々の臨床で体験したことを中心に,皆様と一緒に考えたいと思っています。そのうえで,その方がたの生きてきた歴史,学齢期などについても思いを馳せながら,全人的理解に繋がるような検討ができるとよいと願っています。」
 
◆     第2回 「若者の生活から就労までを支える支援―横浜の若者支援の事例から―」
        講師:有吉 晶子 先生
    (生活・しごと∞わかもの相談室(内閣府パーソナルサポートサービスモデル事業))
        日時:平成23年7月22日(金)18:30~20:30 ・・・終了いたしました。
 
「本講では若者の「生きにくさ、暮らしにくさ」を就労支援の現場から理解し、支援の視点と方法について「よこはま若者サポートステーション」を中心とする横浜の若者支援ネットワークの事例から学んでいく。現実の生きにくさを地域で支えるための支援者の臨床心理学的基礎理論・技法として応用行動分析と認知行動療法を中心に据えて事例の理解を深め、それぞれの地域・現場での応用の可能性を検討する。」
 
◆     第3回 「和歌山大学ひきこもり回復支援プログラムを実践して
                           ―仲間作りから社会参加まで」
        講師:宮西 照夫 先生(和歌山大学保健管理センター所長・教授)
        日時:平成23年11月11日(金)18:30~20:30・・・終了いたしました。
 
「近年、心の病や大学生活への不適応により修学に障害をきたす学生は増加の一途をたどっている。特に、大学生活に不適応をきたし不登校やひきこもる学生の増加は著しい。当センターでは、長年のデータの蓄積を基礎に、独自のひきこもり回復支援プログラムを開発し実践してきた。その結果、不登校やひきこもりがちになっている学生の多くは、人間関係の希薄さ、キャンパス・スキルの稚拙さといった問題を抱え、学校生活への不適応から生じた二次的な症状を治療するだけでは解決せず、自助グループの活動による仲間作りが学業への復帰に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。今回は、キャンパス・スキルの向上に重要な役目を果たしている自助グループの活動の意義に焦点を当て話したい。」

 
◆     第4回 「ひきこもり専門デイケアの取り組み」
         講師:羽深大 先生(爽風会佐々木病院デイケア主任)
             渡邉 美加 先生(爽風会佐々木病院・こころのドア船橋) 
                        日時:平成23年12月16日(金)18:30~20:30・・・終了いたしました
 
「日本のひきこもり人口は推定70万人ともいわれ、ひきこもり期間の長期化や高齢化は深刻な問題となっています。爽風会佐々木病院ではひきこもりに特化した精神科デイケアを実践しており、様々な専門職が連携をとりながら、チームでひきこもりの支援に携わっています。当日はひきこもりデイケアの概要をご紹介した上で、デイケアで見られる特徴や求められる対応、今後の課題等についてお話したいと思います。」
 
◆     第5回 「精神障害者の地域生活支援 ―世田谷区における地域生活支援―」
         講師:進藤 義夫 先生(障害者支援情報センター)
         日時:平成24年2月10日(金)18:30~20:30・・・終了いたしました
 
「本講では思春期青年期の精神障害者の作業所を中心とした地域生活支援や、区内の作業所ネットワークの構築、企業団体との連携による就労支援など、現場の必要に応じて発展してきた世田谷区における地域生活支援の様々なあり方を紹介する。」
 
 

講師紹介

田中 康雄 先生 (北海道大学大学院 教授)
獨協医科大学医学部卒業、国立精神・神経センター精神保健研究所児童・思春期精神保険部児童期精神保健研究室長などを経て、2006年より北海道大学大学院教育学研究科付属子ども発達臨床研究センター教授。主な著書に『ADHDの明日に向かって』(星和書店、2001年)、『軽度発達障害のある子のライフサイクルに合わせた理解と対応』(学習研究社、2006年)、『支援から共生への道』(慶應義塾大学出版会、2009年)他多数がある。
 
有吉 晶子 先生 
生活・しごと∞わかもの相談室(内閣府パーソナルサポートサービスモデル事業)
東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。臨床心理士。2002年よりひきこもり支援に携わり、2006年12月より特定非営利活動法人ユースポート横濱の運営する「よこはま若者サポートステーション」常勤心理士。2009年施設長。著書に「よくわかる臨床心理学 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)」(共著、ミネルヴァ書房、2009年)等がある。
 
宮西 照夫 先生 (和歌山大学保健管理センター所長・教授
和歌山県立医科大学卒業、2001年より和歌山大学保健管理センター教授、所長。精神医学専攻。主な研究テーマは、若者と麻薬、PTSD、社会的ひきこもりに関する研究。1982年よりスチューデント・アパシーや社会的ひきこもりの実践研究を続ける。2002年より和歌山大学ひきこもり回復支援プロジェクトを開始。編著「文化精神医学序説(金剛出版)」、著書「風 エル・ヴィエント(クリエイツかもがわ)」などがある。
 
羽深 大 先生(爽風会佐々木病院デイケア主任) 
帝京平成大学福祉情報学科卒業。国際医療福祉専門学校精神保健福祉士養成科卒業。精神保健福祉士。2002年、国立国際医療研究センター国府台病院デイケア勤務を経て、爽風会佐々木病院にてデイケア部門を担当。
 
渡邉 美加 先生(爽風会佐々木病院・こころのドア船橋・国際基督教大学高等学校)
上智大学大学院文学研究科心理学専攻博士前期過程修了。精神科クリニック等を経て2007年より現職へ。ひきこもりデイケアの他に、私設心理相談機関にてひきこもりの家族相談や本人相談に関わっている。
 
進藤 義夫 先生(障害者支援情報センター)
東京大学大学院教育学研究科教育心理学専攻修士課程修了。臨床心理士。精神保健福祉士。若者対象の精神障害者共同作業所「T&E企画」指導員(1991年~2001年)。1996年ごろから世田谷区にて「作業所見学ツアー」「ネットワーク型就労支援」などネットワークづくりを行い、2001年NPO法人障害者支援情報センター設立。相談支援業務だけでなく生活保護受給者の退院促進から企業団体と連携した就労支援まで幅広く地域支援活動を行っている。
 
 


<申し込み方法>

以下の郵便振替口座番号に参加費を振り込んでください。
郵便振替口座番号:00100-6-391431

郵便振替加入者名:大正大学カウンセリング研究所研修委員会
参加費(講座1回ごと):一般2,000円 学生1,000円

 以下の注意事項を必ず守ってください。

 振替用紙にはお名前(ふりがなもふってください)、申込区分(一般・学生)、ご住所・ご連絡先の他、「連続講座参加」とご記載の上、必ず参加される回(複数記載可能です)をご記載ください。

申し込みは郵便振替による振込みをもって完了となります。他に申込み用紙等をお送りいただく必要はありません。ただし研修会当日は郵便振替の半券をご持参ください。
    * なお、振替用紙を使わずにご自身の口座から直接振込みをなさる場合も必ず通信文に「連続講座参加」とご入力の上、必ず参加される回(複数記載可能です)を入力してください。明記されていない場合は正しく処理されないのでご注意ください。
    * 参加者の方々のご都合によるキャンセルの場合の返金は出来ません。
    * 申し込みは研修会の1週間前に締め切らせていただきます。ただし本研修会は会場に合わせて定員を決めていますので締め切り日前であっても、参加申込みが定員に達した場合は、申込の受付を終了させていただきます(これ以降お振込みになった方でご参加できない方にはこちらからご連絡を差し上げます)。お申込をしていただく事前に必ずホームページで申し込み状況をご確認ください。ホームページがご覧になれない方は当研究所までお電話かFAXでご確認ください。

 * 手話通訳が必要である方は、各研修会の10日前までに担当までご連絡ください。

定員:100名程度

 

問い合わせ:大正大学カウンセリング研究所

担当 玉井、日笠、亀田、宮腰

TEL. 03-5394-3035 FAX. 03-5394-3041

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