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物語は山奥の小さな集落から主人公のキリヒトが出立するところから始まります。彼はある任務を帯びて都へと向かうことになったのです。その任務はすべての言葉を司り、人の心も操るこという図書館の魔女、マツリカに仕えること。そのように畏れられる彼女は「ことば」を話せず手話のみで会話する幼い少女だった。二人の交流を中心に国家間の問題を解決していく恋愛的な側面もミステリーの側面も持っている、本を愛する全ての人へ向けられたファンタジーがこの作品です。ゆっくりとしたペースで進む物語ですがどんどんとその世界観に引き込まれていきます。その理由の一つは言語学者の作者が選ぶ言葉の一つひとつが美しいこと。固有名詞以外はカタカナを使わない文章はとっつきにくかったり難しかったりしますが、調べながら読むことで自分の語彙を増やすこともできました。言葉の通じない者との間にも交わせる「ことば」があること、そんなことを私に教えてくれた素敵なお話です。RECOmMEND『図書館の魔女』高田大介/講談社諏訪 栞さん日本文学科 1年言葉の一つひとつが美しい!4全国の土偶の写真や説明が書かれている。私はもともと土偶が好きで、家に4体の土偶がいる。4体のうち2体は、高校生のときに修学旅行で奈良に行ったときに購入をした。手作りなので表情が違い、どれを買うのかとても迷った記憶がある。もう2体は去年青森県に行ったときに購入をした。こちらは大きいので箱に入れたまま現在も保存をしている。土偶はなんのために作られたものか、いつ作られたのか、なにをモチーフに作られたのか、が一つひとつの土偶に込められているように感じる。本には、70体の土偶について書かれており、360度から土偶を見ることができる。繊細な技術を見ることができる。縄文時代の人々が土をこねたり、道具を使ったりして作っている様子が浮かんでくる。かわいらしい土偶がいっぱい詰まっているので、ぜひ自分のお気に入りの土偶を見つけてみてください。RECOmMEND『土偶界へようこそ−縄文の美の宇宙−』譽田亜紀子/山川出版社園田 純さん教育人間学科 教職コース 3年360度から土偶を見ることができます!5この物語は、名探偵の「夢水清志郎」が隣に住む三姉妹と一緒に難事件を解決していくシリーズの第10作目です。世界的マジシャン・グレート天野が作り上げたテーマパーク『ミステリーの館』で、夢水こと「教授」は小さな箱を手に入れます。中には《本物のミステリーの館》の鍵が入っていて――。はたして教授は数々のマジックのタネと、それを仕掛けたマジシャンを見破れるのでしょうか。夢水シリーズは、「教授」という個性的なキャラクターと、「誰も死なないミステリー」であることが魅力だと思っています。そして数ある夢水シリーズの中でもこの本が面白いのは「本の一部が袋とじになっている」ことです。小学生の頃、はじめて袋とじを開けるとき「この奥にどんな謎が待っているのだろう」と、とてもわくわくしたのを覚えています。子ども向けと侮ることなかれ。ぜひ皆さんにも、わくわくとドキドキがたくさん詰まったこの袋とじを開けてみてほしいです。RECOmMEND『『ミステリーの館』へ、ようこそ ―名探偵夢水清志郎事件ノート―』はやみねかおる/講談社中村 萌香さん人文学科 日本語日本文学コース 4年袋とじにわくわくが詰まっています!3[千葉県 船橋啓明高等学校出身][静岡県 静岡高等学校出身][東京都 美原高等学校出身]FEATURE PAGE14OUR RECOMMEND

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