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本が持つ1番の魅力は、日常とは別の世界に連れて行ってくれるところ。ページをめくった瞬間に別世界に飛び込めるのはワクワクします。僕の場合、幼少期に1950年代のアメリカのSF冒険活劇を読んだことがきっかけで読書好きになり、7歳の時には1日に2回は図書館に通っていました(笑)。また、読書を通し、すでにこの世にはいない人の声を聞くことができたり、歴史を知ることができるのも魅力の1つですね。知らないことを知ることで、知識欲を満たし、心を豊かにしてくれる。こんなにみんなを楽しませられるのなら本を書くこともきっといい仕事に違いない、と思ったことで作家を志すようになりました。若い人の活字離れは、ネットを通じて目の前にフローの情報が流れてくるようになったためだと思います。情報も活字もその日暮らしなんですよ。本を読む人と読まない人とでは社会に出てからの評価が相当違ってくるそうで、豊かな生活をしたいなら「学生のうちに本を読んだ方がいいよ」とは言っておきたいですね。本の数は膨大にありますから、読書を通し蓄積した知識は世界でも自分だけのオリジナルになります。読む習慣ができていないうちは、好きなジャンルを集中的に読んでみて、だんだんと裾野を広げていく方法が良いかもしれません。たとえば、恋愛小説を読むうちに人間の存在について考え始め、社会科学にまで手を伸ばすといったやり方。本を読まない人は、本を格式高くとらえがちです。そもそも本を尊敬する必要はなくて、本を何にでも使える道具だと思ってみることが、僕は大切だと思っています。良い本は良いスニーカーみたいなものです。走れるし、山も登れる。そういう風に本を使いこなせる人が強くなっていく。どんな仕事でも、文章を書く作業は必ず付いて回るので、言葉の力や表現力、そして体系化された知識を身に付けることは社会に出てから絶対に役立つはずです。過去からの教訓、未来への指針。本が与えてくれる力は無限大Interviewこういう仕事を長く続けて、映像や広告などの企画にもたくさん関わってきましたが、良い企画を出す人は必ず本を読んでいます。逆に読まない人は人に使われている人が多い印象を受けますね。それに本を読んでいる人はモテます(笑)。実際、知識をひけらかすのではなくて、印象に残るちょっとした一言が言える人って素敵だと思いませんか。職場でも異性の目にも魅力的に映る、そんな人になってください。SPECIAL FEATURE #1僕もですが、どの作家も「死ぬ前にこれだけは言い遺しておきたい」っていうことを必ず書いていると思います。何十万人の優れた先人たちの知識が本に蓄えられていると考えれば、その知識を使わないなんて損ですよね。使いながら、自分はどうなんだろう、明日はどうなるのだろうと考える。それを一生続ければ、気が付いた時にはすごく高いところに登れていると思います。本の世界は新しく参加してくれる人を熱烈に待っています。今からでも遅くないので、まずは一週間に1冊、本を読む習慣を身に付けて、自身に合った書物と出会ってほしいですね。1冊の本から別世界へ、想像する楽しさが作家の道を選ばせた本は使い勝手の良い道具。使いこなせれば武器になる本を読んでいるから仕事ができるし、異性の目にも魅力的に映るきっかけになります人生のヒントHINT OF LIFEFEATURE PAGE04FEATURE 01 #1

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