地域連携・社会貢献

「まち」が大学になる、大学が「まち」になる

鴨台盆踊り

第9回 鴨台盆踊り

人と人とのつながりを大切に

鴨台盆踊り

第1回・第2回担当教員 君島菜菜 (現・大正大学総合学修支援部部長補佐)

1. 前途多難だった企画段階

-大正大学で盆踊りを開催するに至った経緯、君島さんが盆踊り担当教員になった経緯を教えてください。

当時、全学副専攻としてNCC(Next Community Course)がありました。NCCは、次世代のコミュニティを考える学生を集めて地域での実践を中心に学修を進めていました。私はNCC担当教員の一人でした。NCCの学生たちにおける学びの場として、地域行事を地域の方と一緒に実施したい、さらには仏教系大学であることを活かして、仏教的な行事をできないかと考え、盆踊りが候補に上がりました。

-盆踊りを一から企画運営するにあたって苦労したことはなんですか?

盆踊りを開催するにあたり、大学側と交渉するための企画書づくりが最初の仕事でした。まずは私の地元で盆踊りを運営している会長さんに会い、何が必要で櫓にいくらかかるのか、保健所や消防署にどういう届け出が必要なのか、実際にやるときの注意事項などを聞きました。

その後、大学周辺の地域の方々に「盆踊りを開催したいと思っている」という話をして、ニーズの感触を掴み協力者をどんどん募っていきました。じゃあ実際に盆踊りを開催しますというときに、誰も来なかったら形になりません。そもそも学生たちは盆踊りを踊れないし、太鼓もどこかから調達しないといけない。そのような必要なことを一つずつ整理していたときに、地域の方々の紹介でつぼみの会の方に出会いました。そこで、大学で盆踊りを開催したいので協力してほしいとお願いをしたところ「良いですよ、やりましょう」と言っていただきました。つぼみの会のみなさまには今でもお世話になっていますが、人と人とのつながりが生まれました。

しかし、準備をすすめていくうちに「音」が大きな問題としてあがりました。大学で大きな音を出すと、当然ながら近隣の方から問い合わせが来ます。そこを解消するため、盆踊りで音が出ることをお許しいただきたい、もしよろしければ遊びに来てほしいという案内を、学生と一緒になって近隣の住宅一軒一軒にポスティングしていきました。そのような配慮を踏まえて実行する算段がついたことによって、大学側に企画書を受け入れてもらい、ようやく授業計画を立てていくことができました。

-盆踊りの企画運営を通して地域の方との関係はどうだったのでしょうか?

地域の行事を地域の方と一緒に作り上げていくことを目的としていたので、地域の方に社会人の先輩として学生を一緒に育ててもらいたいと思っていました。「いただいた恩を返す」。金銭の授受だけでは還元できない、人と人とのコミュニケーションの中で、学生が地域のニーズを学んでくれたらと考えていました。また、地域には色々な価値観の人がいて、その方々と接することで自分自身の価値観の再構築を、盆踊りの企画運営を通して学んでほしいというのがありました。

学生達も、たまに叱られたりもしたのですが、様々な価値観を持っている方がいるということを身を持って知るチャンスだと思うので、地域の方にも学生に対して遠慮なく言って下さいと言っていました。学生も、◯◯したら怒られましたとか言って、反省しながら一生懸命作業をしていました。そういう経験が大事なのかなと思います。

自分たちの盆踊りが終わると、お礼参りで巣鴨など地域のお祭りに行くんです。うちの大学のお祭りに来てもらったので、ちゃんと他のお祭りにも行って挨拶して一緒に踊る。そういうのが本当のコミュニティだと思うんです。

地域のニーズを確認してそれに合わせた企画を立てた後に実践して検証していく学びももちろん大事ですが、地域の関係性から何かを得てくるというのも重要なので、両方学んでくれたら良いなと思っていました。

2. 第1回・第2回の盆踊りを支えたもの

-第1回の開催当日の様子はどのようなものでしたか?

第1回は「鴨台盆踊り」ではありませんでした。震災があったこともあり「みたま祭り」という名称にしました。当日は走り回っていたのであんまり覚えてないです、でも今より大きくなかったのですが、本当に多くの方が来てくれて嬉しかったのを覚えています。思いのほか小さい子がたくさん来てくれたのも印象的でした。

盆踊りが始まる時間は暗くなる時間であり、色々な人が会場に入ってくるので何かあったら危ないという話になりました。それでパトロールをちゃんとしようということになり、一緒にNCCを担当していた弓山達也先生に宗教学の院生を動員してもらいました。また、次年度に向けてアンケートを取ることになり、巡回しながら来場者に意見を書いてもらいました。

-続く第2回はいかがでしたか?

第2回の企画運営を支えてくれたのは、NCCの中でも前年盆踊りを経験した女性の学生たちでした。第1回は彼女たちがとても頑張って着付けなどの仕組みを考えたので、第2回は私が言わないでも積極的に運営や後輩指導を担っていました。当時は先輩は単位にならなかったのですが、一度経験した成功体験を後輩にも伝えたいというのがあり、当日も手伝ってくれました。

また、大学の体制も明確になり予算も大幅に増額されました。櫓は外注して建てられるようになり、提灯も100個購入できました。第1回が認められて第2回以降のお祭りに予算がつけられていったのだと思います。第2回の成果はやっぱり先輩学生ですね。先輩がすごく後輩を指導してくれました。今でも続く先輩たちがサポートするという形は、このときに自発的に生まれていったと思います。

-君島さんが、NCCの学生と接するときに気をつけたことは何ですか?

自分の中では相当段取りしているのですが、それを見せないということに気をつけました。大きな失敗が起こると企画は進まないし、でも小さな失敗はしないと学びにならない。陰でそのバランスを取ることに注意しました。私が全部準備しちゃうと意味がないので、授業が始まったら学生と一緒に何が必要か割り出していき、全体をコントロールしながら学生に仕事を任せていました。

鴨台盆踊り
鴨台盆踊り

3. 自発性を育む盆踊りを今後も!

-盆踊りで最も印象に残っている思い出を教えてください。

最も嬉しかったのは地域の方がとにかく協力的だったことです。機材をどうしようかと困っていると貸していただけたり、踊りをどうしようかと困っていると地域の盆踊りで踊っている団体を紹介していただけたり。盆踊りをこういう風にやりたい、学生にはこれを学んでほしいというのを想定しながら全体の企画をしますが、周囲の協力したいという気持ちは本人次第じゃないですか。趣旨に賛同してくれる地域の方が自発的に手伝ってくれたり、単位が出ようが出まいが学生たちが本当によく考えて行動してくれたりしていました。その姿を見るだけで本当に嬉しかったです。

-今の盆踊りに対して思うことを教えてください。

私ではこんなに大きなイベントにできなかったので、続けていただいた先生方に感謝をしています。毎年この時期には大正大学の盆踊り楽しみだねと言ってもらい、そして本番でも本当に多くの方が来てくださり、巣鴨地域のイベントとして定着したと思うんです。それは本当に凄いことと感じています。 担当教員は細かい配慮もしていかなければいけないし、学生とエネルギーを合わせるのはかなり体力を使うので色々と大変ですが、この体制を継続していければ良いなと思っています。

-最後に学生に一言お願いします!

人と人とのつながりを大切にして、是非成功させてもらいたいです! そして大学生活の時に、これを成功させたというイベントの一つにしてもらいたいなと思います。

聞き手・記事 活動記録班
心理社会学部臨床心理学科3年 石橋郁乃

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第9回鴨台盆踊り 人と霊輪になる

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問い合わせ先 大正大学 教務部