学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

文化財・考古学コース

考古学ゼミ合宿レポート(2)

 

 

 8月28日(水)は朝8:15にホテルを出発し、しなの鉄道で御代田へ。御代田駅に降り立つと、その涼しさに一同驚き。雲のかかった浅間山を眺めながら、御代田町浅間縄文ミュージアムに向かいました。05.jpg

 浅間縄文ミュージアムは、浅間山とその南麓に分布する縄文時代遺跡を紹介する博物館で、重要文化財の「焼町土器」を展示しています。学芸員の堤隆さんに常設展示と開催中の特別展「謎と美の縄文」をご案内していただき、火炎形土器や人物意匠の施された縄文土器の造型を、じっくりと見学させていただきました。

 昼食は堤さんのご案内で、スパゲティとカレーのお店へ。今回のゼミ合宿は食事がバラエティに富んでおり、これも地域文化の研究として楽しい調査になりました。06.jpg

 午後は佐久市の南にある北相木村考古博物館へ。千曲川上流の相木川流域は八ヶ岳から流れてきた泥流が厚く堆積しており、それが川にえぐられて岩陰遺跡や洞窟遺跡が点在しています。はじめに国史跡の栃原岩陰遺跡を見学し、考古博物館で学芸員の藤森英二さんに出土遺物についてご説明していただきました。栃原岩陰では縄文土器や石器とともに多数の動物の骨、さらに縄文人の人骨も見つかっています。釣り針などの骨角器も豊富で、岩陰での縄文人のくらしのようすがよくわかる興味深い遺跡です。07.jpg

 その帰り道、首都大学東京の山田昌久先生たちがおこなっている天狗岩岩陰遺跡の発掘調査も見学させていただきました。崖の崩落を防ぐように組まれた鉄骨の天井の下で何層もの地層を掘り進んでいくようすは、昨日見た集落遺跡とはちがった調査方法で、これもまた興味深いものでした。学生たちもヘルメットを装着して、地形に気をつけながら見学しました。また、遺跡の土を水洗いして細かい動植物遺存体を見つける作業も見学させていただき、顕微鏡をのぞいて発見された骨や植物の実に、学生たちは感動。見学を終えて帰る前に、北相木村グリーンドームの前で記念写真を撮影しました。09.jpg

 長野新幹線佐久平駅に到着したのは、ほぼ午後5時。中身の濃い充実した二日間のゼミ合宿はここで終了し、解散となりました。今回のゼミ合宿は長野県の考古学関係者のみなさんに大変お世話になりました、お世話になった方々すべてのお名前をあげることはできませんでしたが、この場を借りて深く感謝申し上げる次第です。ありがとうございました。

 

 

 

 

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