学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

文化財・考古学コース

大阪・奈良への見学旅行

  文化財・考古学コースでは、見学や調査など実際にものを見ることを大変重要視しています。今回は、その一環として、塚田良道先生のもとで考古学を学ぶ3年生の専門演習の見学旅行の様子をご紹介いたします。

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 11月8日~10日まで、近畿地方で2泊3日の見学旅行をおこないました。この合宿は、ゼミの研究テーマである弥生~飛鳥時代の考古学における重要な遺跡と遺物を観察し、あわせて開催中の特別展を見学するために実施したものです。
 第一日は新幹線で大阪に向かい、大阪府立近つ飛鳥博物館で開催中の特別展「箸墓以降」を見学。古墳時代のはじまりを知る一連の資料を観察した後、博物館のまわりにのこされている一須賀古墳群を見学し、夕方奈良市内のホテルに入りました。

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奈良に集合した受講生一同

 第二日はあいにくの雨。午前中は奈良県立橿原考古学研究所附属博物館を訪問。こちらでは弥生~飛鳥時代にかけての奈良県出土の遺物群を見学しました。雨でお客さんが少なかったため、3時間余り各自が研究テーマに関する資料の観察やスケッチに没頭。博物館ボランティアの方が親切にして下さり、参考図書を拝見しながら、じっくり理解することができました。

 

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橿考研博物館で遺物を観察

 午後は奈良県立美術館で開催中の「大古事記展」を見学。この特別展は古事記の舞台や登場人物についての資料を、考古学、彫刻、絵画、現代アートなど、いろいろなジャンルから集めたおもしろい内容でした。

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アマテラス!「大古事記展」で記念撮影

 一旦喫茶店で休憩し、元気を取り戻してから、奈良国立博物館で「正倉院展」も見学。日曜日のため午後7:00まで開館しており、閉館時間まで正倉院宝物を堪能しました。夕食は近鉄奈良駅前の料理店でくつろぎ、一日の疲れを癒しました。

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飛鳥をサイクリング

 最終日の第三日は爽快な秋晴れとなりました。奈良県明日香村へ移動し、レンタサイクルで飛鳥の遺跡見学を実施。高松塚古墳、天武・持統天皇の合葬陵、亀石、川原寺と一気にサイクリングでまわり、その後、細くて涼しい山道を登って石舞台古墳を見学。蘇我馬子の墓と目されている巨大な横穴式石室の中に入りました。

 
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石舞台の石室に入る


 午後は飛鳥宮跡で、飛鳥板葺宮や浄御原宮の遺構を散策。また日本最古の寺院である飛鳥寺や中大兄皇子が作った水時計があった水落遺跡を見学しました。多くの遺跡を見学した後、橿原神宮駅から東京への帰路につきました。

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飛鳥宮跡から蘇我氏の館のあった甘樫丘(左)を望む

 今回の見学旅行は、電車・自転車・歩きで大移動をくりかえす盛りだくさんの3日間でした。みなさん弥生~飛鳥時代の代表資料を実際に観察し、また古代史の舞台にも立って、大きな収穫を得たことと思います。この経験が4年生になってから、卒業論文に活かされることを期待しましょう。(塚田良道記)

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