学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

文化財・考古学コース

密教工芸品の調査-美術史の研究方法-

 歴史学科の文化財・考古学コースでは、美術史、考古学、博物館学などの分野を学ぶことができます。今回は美術史が専門の加島勝先生(歴史学科教授)が行っている調査研究の一コマをお伝えいたします。

 大正大学は歴史学科の教員を中心に本学の協定校である東国大学校(韓国ソウル市)と共同で日本と韓国の仏教交流に関する調査研究を行っており、本年度は「日韓密教工芸品に関する調査研究」を行っています。その一環として、加島勝先生を中心に崔應天先生(東国大学校大学院教授、大正大学客員教授)と大学院生も参加して密教法具の調査がこの8月に奈良国立博物館で行われました。


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     手前から崔應天先生、調書を取る大学院生、加島勝先生

 寺院の本堂等の中には仏像が安置され、そのまわりを荘厳するさまざまな飾りや道具があります。それらを仏教工芸品といいます。たとえば、仏像を安置するための厨子、お香を焚くための香炉や音を鳴らすための鐘などがあります。
 今回調査した密教法具とは、仏教の教えの一つである密教の儀式の際に使用される道具の総称です。写真に写っているものは金剛鈴〈こんごうれい〉といい、鈴の部分や持ち手の部分がさまざまな形をしています。

 細かく大きさを測り、どのような材質でつくられているのか、どのような形をしているのか、何の文様があらわされているのかなどを詳しく調べノートに記入します。こうした情報は、つくられた時代や地域あるいは工房などでそれぞれ特徴が見られるため、研究を進めるうえで大変重要です。

このような地道な調査を行うことで研究は少しずつ進んでいきます。

 文化財の扱い方や調査方法、写真撮影の仕方については、歴史学科で開講されている「専門演習」や「応用研究」、「美術工芸史実習」や「博物館実習」で学ぶことができます。日々、調査・研究に従事している先生の指導による実践的な授業が受けられます。

 12月12日(土)はオープンキャンパスが行われる予定です。
コース別個別相談は14:00-16:30です。みなさんのご来場をお待ちしています。


 次回は歴史学科の学生、教員が主体となっている学会「史学会」の研究発表と講演会の様子を報告いたします!

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