学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

文化財・考古学コース

史学会大会のご報告

 大正大学史学会は歴史学科の教員と学生全員が主体となっている学会です。みなさんも歴史学科に入学するとその一員となります。また、史学会は今回ご報告する史学会大会のほかに『鴨台史学』という雑誌を毎年刊行しています。『鴨台史学』には歴史学科の教員、卒業生の論考やその年に提出された卒業論文の題目が掲載されています。

 卒業論文の題目の一例を挙げると、

東大寺法華堂不空羂索観音立像を中心に
仏師湛慶について
日本の柄香炉-その形式変遷を中心に-
パルメット文様考-日本における需要と展開-
オホーツク文化の住居について
縄文時代の石器に使われた黒曜石の流通について
関東における縄文中期の石皿について

などがあります。


 さて、今年の史学会大会は11月14日(土)に開催されました。大学院文学研究科史学専攻の院生の研究発表と当コースの加島勝先生(歴史学科教授)、崔慶天先生(客員教授)の講演会ののち、懇親会が行われました。当日のプログラムをご紹介しましょう。

研究発表14:15~
瀬尾晋平氏(博士課程1年)「半両銭の重量について」
大塚秀哉氏(博士課程1年)「小山氏と野木宮合戦」
講 演 15:30~
加島 勝先生(歴史学科教授)
「日韓密教工芸品に関する調査研究の意義」
崔 應天先生(大正大学客員教授)
「日本所在の韓国密教法具の特徴」
総会17:00~
懇親会17:30~ 会場5号館8階 於鴨台食堂

続いて、当日の様子をお伝えします。

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大塚秀哉氏「小山氏と野木宮合戦」


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加島勝先生「日韓密教工芸品に関する調査研究の意義」

 加島先生は美術史のなかでも仏教工芸史が専門です。今回は古代の日本・韓国・中国に現存する美術作品に使われている複連点文〈ふくれんてんもん〉という点が2重に連なっている文様に注目され、さまざまな梵鐘などの遺品を紹介し、日本にある複連点文が使われている工芸品の由来や意義などを述べられました。

 美術史はある地域の作品に一定にみられる風格や特徴(これを様式といいます)または技法などを整理して独自の歴史区分を設けています。この学問の方法によって、文献史料や銘文(作品に書かれた文字)ではわからない作品の情報を引き出していきます。

 作品から歴史を見ていくのがなんといっても美術史の醍醐味です!

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崔應天先生「日本所在の韓国密教法具の特徴」

 先生が実際に調査なさった作品、特に密教法具を中心にご講演いただきました。


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副島弘道先生(歴史学科教授)から挨拶をいただき、閉会しました。

 歴史学科は日本史コース、東洋史コース、文化財・考古学コースの3コースに分かれていますが、このような形での活動もあります。
 また、歴史学科ではコースをまたいで受けられる授業もたくさんありますので、幅広く学ぶことができます。

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