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文化財・考古学コース

【御堂島正先生 岩宿文化賞受賞!】授賞式が行われました

“考古学のノーベル賞”第21回岩宿文化賞を御堂島正先生が受賞し、2016年11月13日に授賞式が行われました。今回は、当日の様子を大学院生の内海遥さんと高橋宏之さんにレポートしてもらいました。

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 岩宿文化賞は、日本列島における旧石器時代研究の端緒を開いた岩宿遺跡が所在する群馬県みどり市が主催し、岩宿時代(日本列島の旧石器段階)文化研究の進展に顕著な業績のあった研究者におくられる賞です。
岩宿文化賞本賞のほかに、岩宿文化研究奨励賞一般部門賞と学生部門賞があり、今回、本賞は御堂島先生、奨励賞一般部門賞は福岡旧石器文化研究会、学生部門賞はみどり市や桐生市などの小中学生14組(16名)が受賞しました。

受賞者の記念撮影

御堂島先生は、「実験考古学の理論的体系化」や、「岩宿時代研究の根幹をなす道具としての石器研究に大きく寄与」した点などが評価され、受賞となったものです。

 会場は、JR両毛線岩宿駅近くにある、みどり市笠懸公民館交流ホールです。私たちが少し遅れて会場に入ると、すでに小中学生や市民の皆さんが大勢集まっていて、どことなく張り詰めた空気が漂っていました。

授賞式会場の様子 始めは張り詰めた空気が漂っていました。

 授賞式は、第1部の「表彰式」と第2部の「受賞者フォーラム」から構成されていました。
 第1部の表彰式は、主催者挨拶の後、みどり市教育長から選考経過と受賞者紹介があり、続いてみどり市の石原市長から受賞者に賞状と副賞が贈られました。



みどり市の石原市長から賞状の授与

その後、選考委員からの講評、来賓挨拶と続き、各受賞者から謝辞が述べられました。御堂島先生は、地道な基礎的研究にも光が当てられたことに謝意を述べられていました。
 第2部は、まず学生部門賞の優秀研究賞を受賞した小中学生2名の発表がありました。釣針の製作と使用や、旧石器時代の生活を研究したもので、どちらも賞に相応しい内容のものでした。
 その後、御堂島先生が「石器の実験痕跡研究」と題する記念講演を行いました。日ごろ授業等でお話は聞いていますが、こんなとき先生はどんな話をされるのか、実は楽しみにしていたものです。



記念講演の様子 まず研究を始めた頃のエピソードから始まりました。

 先生はゆっくりとこの研究を始めた頃のエピソードから話し始めました。授業等で学んでいる実験痕跡研究の考え方や方法についての説明と、授業ではまだ聞いたことのない最新の分析結果をお聞きすることができました。大変分かりやすい講演で、会場では熱心にメモを取る姿や分かりやすかったという声が聞かれました。先生は、専門的内容が市民の皆さんに伝わるかどうか心配されていましたが、上手く伝わっていました。

               記念講演の様子 画像を用いて講演が行われました。

 最後に、「受賞者シンポジウム」ということで、小中学生の質問に答えるというコーナーがありました。壇上に並べられた椅子に座った学生部門賞を受賞した小中学生から、御堂島先生、福岡旧石器文化研究会の杉原さん、岩宿博物館の小菅館長に対して、なかなか鋭い質問が投げかけられました。たとえば、「大型動物をどんな方法で狩りをしていましたか」「岩宿時代の人は、おもにどんな木の実を食べていましたか」といったもののほか、「ナウマンゾウとマンモス、どっちのほうがおいしいですか」といった超難問もありました。3人の回答者は、発掘成果や専門知識を駆使して、小中学生の学ぶ意欲と興味が増すようにと考えながら、答えていらっしゃいました。



受賞者シンポジウム 学生部門賞を受賞した小・中学生からの質問に答える。

 緊張感のある中で始まった授賞式も、このようになごやかな雰囲気の中で終了となりました。
今回、授賞式に参加して、先生のもとで研究を行えることを改めて幸いに感じるとともに、自分たちも将来、岩宿文化賞を受賞できるような研究者になりたいと思いました。

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 御堂島先生、おめでとうございました。先生の受賞については、10月21日の読売新聞と上毛新聞にも掲載されています。
 文化財・考古学コースの先生はこのように学部生、院生指導の傍ら、ご自身でも活発に研究活動をおこなっています。私たちとともに学んでみませんか?次のオープンキャンパスは12月10日です。ぜひいらしてください。

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