学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

文化財・考古学コース

塚田ゼミ合宿報告(前編)

 弥生時代~古代の考古学を学ぶ塚田ゼミの3年生7名は、2017年9月5日~7日の3日間、兵庫大阪奈良滋賀4府県の博物館と遺跡をめぐってきました。それぞれの旅の成果をゼミの学生が報告します。

 見学にあたっては、奈良立橿原考古学研究所附属博物館の坂靖学芸課長、滋賀県長浜市葛籠尾崎湖底遺跡資料館を管理する尾上地区の皆様に、たいへんお世話になりました。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。(文化財・考古学コース教授 塚田良道 記)

 
                     
塚田ゼミ合宿見学コース


◆神戸市立博物館


                       いたすけ古墳でシャッターを切る

 

 ゼミ合宿は神戸市立博物館から始まった。ここには国宝に指定された神戸市桜ヶ丘出土の銅鐸群が展示されている。

 桜ヶ丘銅鐸は絵画の描かれた銅鐸として有名であるが、初めて桜ヶ丘銅鐸を見学し、鹿の描き方に違いがあることがわかった。有名な4号銅鐸、5号銅鐸の鹿は細い線で輪郭を描いているが、1号銅鐸の鹿の胴体は線ではなく、丸く浮彫状に表現していた。さらに2号銅鐸の鹿は足が短く太い線で描かれていた。何回か報告書の図や写真を見たことがあるが、1号銅鐸の鹿の胴体が線で描かれていなかったことには気がつかなかった。

 報告書を読むことも大切だが、やはり実物を間近で見るのが一番勉強になると思った。4号銅鐸、5号銅鐸以外の銅鐸の両面が見られなかったのは残念だったが、報告書や論文でよく取り上げられている桜ヶ丘銅鐸を見学できたことが、なにより嬉しかった。
 一時間程神戸市立博物館を見学した後は、大阪の古墳見学へ続く。(A.K.


 
  

■大阪府堺市・百舌鳥古墳群



                橿考研附属博物館で坂学芸課長のご説明を聴く

 JR百舌鳥駅を降りたとき、雨が降っていたため、予定していたサイクリングは中止かと思われた。しかし雨がパラパラ程度であったことと、あまりの広さに歩くのは辛いという全員の思いがサイクリングを選んだ。塚田先生を先頭に、私たちは大仙古墳、いたすけ古墳、ミサンザイ古墳をまわった。 

 大仙古墳の正面では、テレビ出演もしているという茶色い猫に出会った。この後、たくさんの猫に遭遇し、いちいち猫にテンションがあがった。大仙古墳は鳥居まで砂紋のように砂利が敷かれていて、宮内庁の管轄のため入ることができず、三重の堀の一番外から眺めることしかできなかった。荘厳で神聖な場所とアピールしているように感じた。度々自転車を停めて写真を撮ったが、いかんせん木の緑と空や堀池の青ばかりで、前方後円墳のどの部分で撮ったのか、今の私には判断が難しい。

 続くいたすけ古墳では、柵の内側に放置されたままの埴輪と思われる破片に、全員がシャッターを切った。 

 百舌鳥古墳群を見学して分かったことは、実際に現場にいくことが大切だと改めて感じたこと、大きすぎて今自分たちがどの部分にいるのか掴むことが難しかったこと、塚田先生の自転車運転は縦横無尽だということだった。(N.K.

 


■奈良県立橿原考古学研究所附属博物館


 
                     石舞台の巨大石室の前で記念撮影

 2日目。午前10時に橿原考古学研究所附属博物館を訪れ、はじめに坂学芸課長から博物館の歴史と考古展示について解説をしていただいた。日本でも有数の歴史ある博物館であること、また国宝を展示するガラスケースがつなぎ目のない構造になっていることなどを知り、とても驚いた。また、自分の研究テーマである家形埴輪の質問にも答えて頂き、とても勉強になった。
 その後自由見学となり、家形埴輪の写真を撮ったり、紋様を観察することができ、とても良い時間を過ごすことができた。(K.I.

私が訪れた奈良県立橿原考古学研究所付属博物館は奈良県の考古学を知る重要で興味深い施設であった。
 エントランス・ホールに藤ノ木古墳の金銅製履の復元品が展示されており、見学者に期待感を抱かせるマスコット的存在となっていた。ここの博物館の目玉といえば、やはり藤ノ木古墳の金銅製二山式冠と金銅製履と馬具一式など、国宝の出土品といえるだろう。とても印象に残ったのは、本物の出土品の黄金の輝きが未だ残っていた点である。

 展示内容は、遺跡自体を広く浅く教えるのではなく、出土品から見えた古墳時代の技術力の高さを全面に出していた。古代のタガネの肉彫の技術も紹介され、どのように製作されたのかをよく研究できた。

 本物と復元品の精巧さに圧倒されながら、ここの研究所が歩んできた復元への並々ならぬ研究の成果と自信が大いに感じられる内容であった。(H.F.
  

(後編へ続く)