学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

文化財・考古学コース

塚田ゼミ合宿報告「三重県の古代遺跡と博物館をめぐる」

 文化財・考古学コースの塚田ゼミでは、古墳、埴輪、舟、陶磁器、洋風建築などをテーマに、7人のゼミ生が研究にとりくんでいます。2018年12月26~28日の二泊三日、各自のテーマに関する文化財を見学するため、三重県でゼミ合宿をおこないました。初めて研究旅行に出かけたゼミ生たちの記録を紹介します。(教授・塚田良道)
 
 
 ■六華苑
 ゼミ合宿初日は、三重県桑名市の六華苑諸戸邸から始まった。
 六華苑諸戸邸は、1911年にお雇い外国人のジョサイア・コンドルによって設計、建設された国の重要文化財の洋風建築である。コンドルが設計とくれば、やはり西洋的な洋館とイメージするが、諸戸邸には洋館と同等の存在感を持つ和館と伝統的な日本庭園が存在している。西洋式・和式の二つの顔をもった建築であり、全く様式の異なる建物が隣接、自由に行き来できる空間設計というのは、普段の生活では無く、驚きであった。
 事前の調べで、その姿を知ってはいたが、やはり自分の目で実際に見ることに勝るものはない、と改めて思えた。映像や写真などにはない自分自身のイメージが沸々と湧き上がる。今さらかもしれないが、大学生らしい「学問」をしているのだなと実感した。
 東海道の七里の渡しも見学した後、我々は合宿の拠点である四日市市に向かった。(H.N)




           六華苑諸戸邸に集合したゼミ生


 ■伊勢神宮と徴古館
 2日目の朝は冷え込んだが天気が良く、朝食を取り、近鉄線とバスを使い伊勢神宮へ向かった。
 伊勢神宮には、太陽を神格化した天照大御神を祀る「皇大神宮」と、衣食住の守り神の豊受大御神を祀る「豊受大神宮」の二つの正宮があり、皇大神宮は「内宮」、豊受大神宮は「外宮」とそれぞれ呼ばれている。私たちが向かったのは内宮である。
 この日は晴れていて、なおかつ年末のため、たくさんの観光客で溢れかえっていた。参拝する道沿いには五十鈴川が流れていて、川底を覗いたらたくさんの硬貨が落ちていた。たくさんの人が参拝していると思ったが、案外人混みもなく、無事参拝できた(ゼミ仲間や塚田先生が何をお願いしたのか気になる・・・)。
 参拝後はゼミ仲間や塚田先生はお守りを購入し、自分と友人は牛タン串の屋台を見つけ、牛タン串を購入し美味しく味わった(塚田先生は赤福の本店で赤福も購入していた)。
 見学後は、バスで神宮徴古館へと向かい、神宮に奉納された神宝を見学した。(R.W)
 
       

 
                          伊勢神宮を見学                                                       神宮徴古館で記念撮影
 
 
 ■松阪市宝塚古墳
 宇治山田駅で昼食をとった後、私達は松坂市にある宝塚古墳へ向かった。
 まず宝塚古墳を見て思ったことは「大きい」ことだ。私の地元である埼玉県にも埼玉古墳群があり、大きな古墳に触れてきていたが、住宅地にいきなり大きな古墳が現れることにおどろいた。宝塚古墳は公園のように整備されており、登ることが出来た。最初に宝塚2号墳に登り、そこで埴輪の欠片を見つけた。このように遺物が落ちているのを見たのは初めてだったので、大変興味深かった。
 次に宝塚1号墳に登ると、高台に築造されているため、とても景色がよかった。松坂市や近くの山脈まで見渡せる場所に造られているので、この古墳に眠っている人はかなりの有力者であったのだろうな、と思いを馳せた。また、1号墳には私が今研究しているテーマの導水施設形埴輪のレプリカが、出土位置と同じ場所に再現されており、実物の大きさと配置を見ることで、ますます研究への興味が広がった。(Y.A)



 
                         松阪市宝塚1号墳に登る                                                 宝塚1号墳の埴輪を見学
 
 ■伊賀信楽古陶館
 最終日の3日目は、伊賀市の伊賀信楽古陶館に訪れた。
 二階建ての建物で一階は展示兼販売状の形をとっていて、伊賀焼き窯元の作品を展示・販売しており、茶器や皿類の他に置物や花瓶なども扱われていた。窯元の違いで様々な作品の形、色の違いがあり、資料で見たものよりも色鮮やかなものが多く、現在の窯元の技術に感動した。
 二階は展示室になっていた。三重県指定有形文化財に指定された古陶34点が展示されている。郷土の愛陶家奥知勇氏が多年にわたり収集された伊賀・信楽の名品で、故人の意思により遺族が上野市(現伊賀市)に寄贈されたものであった。展示されている古陶は年代別に展示されていて、伊賀・信楽の陶芸のはじまりの形から、どのようにして現在の形に至ったのかを知ることができる。
 普段本で見る写真では知ることのできない釉の艶や、使用された材質の特徴などを細部にわたるまで観察できることは貴重であり、学習にも必要なものだと気づかされた。
 最後に伊賀忍者屋敷と上野城を見学し、三重の旅から帰京した。(S.M)




                                上野城を見学して帰京