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文化財・考古学コース

文化財・考古学コース塚田ゼミ 出雲ゼミ合宿報告【前編】


          
              【ゼミ合宿のコース】

はじめに

2025129日~31日の23日、塚田ゼミ10名は島根県の出雲地方でゼミ合宿をおこないました。

 

初日(曇りのち晴れ一時雪)

 松江駅に集合。凍てつく寒さが肌に刺さり旅行の始まりを実感させました。バスで八雲立つ風土記の丘資料館へ。資料館ではアンケートに答えると見返りの鹿のカードをいただけました。資料館を離れ、神魂神社を見学。向かう道中にはススキが生い茂り、冷たい風を防いでくれるものはなく寒さが身に染みましたが、空が青々とし風景に心が癒されました。夜ご飯は分かれて食べ、ホテルで一日の疲れを癒しました。

2日目(曇り一時雪)

 電車で出雲大社前駅へ。参道や境内には「因幡の素兎」の像が沢山設置されていました。出雲大社参詣後、島根県立古代出雲歴史博物館を見学。見学後は待ちに待った昼食時間で出雲そばや和クレープを楽しみました。午後は来待ストーンミュージアムを訪れました。道中天使のはしご「薄明光線」を見ることができ嬉しくなりました。

 夜は松江の台所「こ根っこや」のお座敷で宴会。前菜からお造り、デザートまで絶品で、ゼミのメンバーでお酒を飲む機会は滅多にないため、親交を深める良い場となりました。食事中の会話や笑い声が絶えず、楽しいひとときでした。

            
                     【出雲の薄明光線】

3日目(曇り)

 900にホテルをチェックアウトし松江城を訪れました。現存する天守を見られる数少ない城郭で、城内では靴を脱ぐため足先から冷えていきました。急な階段を数回上り、到達した天守からは松江の市街地を一望できました。その後、松江歴史館を見学。歴史館では寝ながら松江の町の歴史を学ぶ映像や、自由に着用できる兜、叩ける大きな和太鼓があり、体験型の学びから歴史を身近に感じることが出来ました。12:00にホテルに戻り解散しました。

  3日間、短いようで濃い時間を過ごすことができ、土地土地から学びや知識を得ながら、ノスタルジックな雰囲気を味わうこともできた充実した旅行となりました。

 冬の島根はマフラー手袋必須の寒さ。以下ゼミ生それぞれの感想を紹介します。(A.T.


八雲立つ風土記の丘と神魂神社

■今回のゼミ旅行で最初に感じたことは、ひどい寒さだったこと。比較的暖かい東京から来た私にとって出雲の寒さは厳しく感じた。

 初めに訪れたのは、八雲立つ風土記の丘だった。ここでは、私の卒業論文のテーマである銀象嵌大刀である「額田部臣銘文大刀」が展示されていた。この大刀は、錆が進行していたため判読できるものはわずかだったが、微かに銀象嵌で12文字の銘文が彫り込まれていたのが分かった。その他にも、柄の模様から比較的新しい年代であると分かった。この大刀は、ヤマトとの関係をもつリーダー(臣)が6世紀後半段階に実在したことを示す根本史料として貴重であると感じた。

 八雲立つ風土記の丘を後にして、次に少し歩いたところにある神魂神社に私たちは訪れた。巨大な自然石を積み上げた長い石段を上がった先には出雲大社と同じ大社造で、古代出雲の神々の里らしいおごそかな落ち着いたたたずまいの社殿が現れた。私は、神魂神社の迫力に圧倒され、昔の人はどうやってこの場所を守ってきたのだろう?と考えていると、少し汗ばんでいたのもあり、ずっと感じていた寒風が心地よく感じるようになった。(K.N.)            

 

■初日の午後、松江駅で集合し、まず赴いたのが八雲立つ風土記の丘である。そこで印象に残ったのが埴輪の展示だ。館の看板展示である重要文化財の「見返りの鹿」は、東京都と福岡県で開催中の「はにわ展」に出品中であり、レプリカが展示されていた。可愛いだけではなく狩りをする人の気配を感じ取り、今でも逃げようとしている表情をしているなと感じとることができた。また5世紀の古墳である石屋古墳から出土した力士の埴輪を見ることが出来た。大概人物埴輪は6世紀のものであるがその埴輪は古かった。さらに馬型埴輪は丁髷のような巻き上げられたたて髪になっていた。馬形埴輪は4点展示されていて、そのどれもが細部まで作り込まれており感動した。その他にも黥面埴輪や、珍しいたすき掛けのたすきの部分が隆起している女性埴輪を見ることができ、非常に興味深かった。

 八雲立つ風土記の丘を出る前に何人かアンケートに回答していた。アンケートに回答するとトレーディングカードが貰えたからだ。種類は5種類あり各々好きなものを選んでいた。また、そこへ行く道中東京では見ることが少ない一面の田んぼを見られた。島根という土地柄なのか、全ての空間に神がいるように感じた。(A.Y.
    

     【八雲立つ風土記の丘】          【神魂神社への石段】

 

出雲大社

■松江しんじ湖温泉駅から1時間ほど電車に揺られ、出雲大社前駅に到着した。体の芯まで冷えるような風に吹かれながら、出雲大社を目指した。出雲大社前駅から二の鳥居までは5分ほどで、そこから本殿まで10分ほど歩いた。

 御本殿までの道、初めは1本道であったが、松の参道の鳥居の辺りで左右の道に別れて通る。これは参道の真ん中が神様の通り道であるという話と付近に生えている松の根を守るという意味がある。またこの辺りから、古事記や日本書紀の話を元にした銅像や「因幡の素兎」がモチーフのウサギの石像が多数設置されている。

 

 銅鳥居を抜けるとまず拝殿、両端に十九社、左側の橋を越えると神楽殿、拝殿の後ろに御出雲大社本殿がある。雪がちらつく中、塚田先生と共に見学をした。

 神有月(十月)に全国の神々が大国主大神のもとに集まり、人々の幸福、生成発展のために神議する神在祭が行われる。その際の神々の宿として十九社がある。御本殿の前にある地面に三つの赤い丸がある。これは太い三本の柱を一本にした宇豆柱が発掘された場所を示している。実物は現在古代出雲歴史博物館に展示されている。また御本殿は正面から見るよりも後ろから見た方が見やすく、建築様式をより理解できた。

 神楽殿には、「出雲大社」といえば思い浮かべるであろう大注連縄が懸けられている。ここでは各々、御守やおみくじをいただいた。通常神社で参拝する場合、二礼二拍手一礼であるが、出雲大社では二礼四拍手一礼であることには驚いた。

 最後に、実際に訪れてみて、御本殿や神楽殿の大注連縄大きさや境内の広さを体感できたことは貴重な経験であった。私事ではあるが、風が強く、雪も降っていてかなり寒かったのでできる限りの防寒をしていくべきだったと反省した。(F.S.
  
      【出雲大社の参道】            【出雲大社】

■朝集合した時は前日よりまだ暖かいと話していたが、結局のところ出雲は天気が変わりやすく、晴れたと思ったら雪になることは一度や二度ではなかったし、一日を通してやはり寒かった。

 切符を買い、電車で出雲大社に向かう。駅員さんに切符を切ってもらうのは人生で初めてのことだったのでわくわくした。電車も駅もレトロを感じさせるデザインだ。電車の窓からは山や畑、湖などが見え、自然を楽しむことができる。何回か乗り換えて目的の駅に着くと、そこからは徒歩で出雲大社に向かった。

 駅から出雲大社までの距離はそう長くはないが、道の脇にお食事処が何軒か佇んでいる。ラストスパートにかけてゆるい坂になっており、坂を上りきると道路をはさんで向こう側に出雲大社の入口が見えた。大きな鳥居をくぐり、整備された広く長い参道を歩く。小さな橋を渡ったその先の道の中央は人が通れなくなっている。それから少しすると正面に建物と鳥居が見えてくるが、鳥居をくぐる前の左手側には手水舎、右手側に銅像がある。この銅像は古事記また日本書記に登場する、出雲大社の御祭神大國主大神が“おかげ”をいただいて「ムスビの大神」となる場面を表しているとのことだ。

 

 ようやく鳥居をくぐると、正面には大きな拝殿がみえ、その周囲には御守所や祈祷受付などの建物が立ち並ぶ。拝殿の後ろ側にまわると八足門という立派な門があり、その前の道には出雲大社が高層建築だった証拠とされる柱の跡が色で表されている。私たちはその門をくぐり抜けずに、門の周りをまわった。門を挟んで本殿の東側、西側ともに十九社があり、そこは神が十月に集まった際に滞在する場所だという。他にも様々な社があったが、特に面白いと思ったのは、兎の像があちらこちらに点在していることだ。門を挟んで本殿の真後ろには、本殿に向かって手を合わせる二匹の兎の像もあった。因幡の白兎の話と関わりがあると思われる。

 最後、本殿は圧巻だった。テレビで見るのとは違う迫力がある。しめ縄から柱からなにまでが非常に大きい。本殿に着いた時の天気はあいにくの雪で空は曇っていたが、むしろそれがより荘厳さを感じさせて、この世とは一線を隔した世界を思わせた。(Y.H.

 

                        【後編】へ続く!



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