学部・大学院FACULTY TAISHO
文化財・考古学コース
文化財・考古学コース塚田ゼミ 出雲ゼミ合宿報告【後編】
【前編】はこちらから!
古代出雲歴史博物館
【古代出雲歴史博物館】
■出雲大社から古代出雲歴史博物館まで徒歩で移動した。一日目はかなりバス停から歩いたため寒さを感じたが、二日目は慣れてきたものの、風が吹けばやはり凍えるほどの寒さであった。しかし最寄りの出雲大社前駅には、駅の中にストーブが置いてあり、白壁にステンドグラスがはめられた教会の様な雰囲気の、私の地元ではまず見ることのない内観であった。
古代出雲歴史博物館を訪れて私が一番印象に残った展示は、大量の青銅器群である。島根県内ではこれまで多数の弥生青銅器が出土しているが、中でも荒神谷遺跡は特徴的である。この遺跡はそれまで国内で発見された銅剣の数を上回る358本もの銅剣が出土しており、銅鐸と銅矛が同じ場所で発見された最初の例でもある。今回銅剣を間近で見てまず一つの大きな展示ケース全体に銅剣が三段にわたって並べられていることに驚いた。また、その上には銅剣摸鋳品もあり銅の輝きが再現されている様子はまさに圧巻であった。細部を見ると樋の形状や色などに違いがある事が分かり、用いた鋳型の違いを確認することが出来た。さらに荒神谷遺跡の銅剣と同じ×印を持つ加茂岩倉遺跡の銅鐸を見てみると、少し銅剣よりは見つけるのが難しかったが、確かに同じような線の細さで×印が削られていることに気づいた。
私はこれから卒論を書くにあたって弥生青銅器をテーマにする事を考えているため、今回出雲の博物館に行けたことは非常に良い経験となった。しかしこの博物館は三月末で長期休館となってしまう。機会があればまた訪れたいと思った。(Y.S.)
■寒い中での出雲大社の見学の後、暖を取りつつ展示品を見学した。
まず最初の展示品は、出雲大社本殿で使用された宇豆柱であった。直径約1.3mの巨大な柱であり、鎌倉時代の出雲大社本殿の大きさを想像すると凄く大きな社だったことが想像できた。 他にも平安時代の出雲大社の1/10サイズの模型展示や、5人の研究者による出雲大社の復元案を元にした1/50サイズの模型展示も行われていた。
また壁一面に展示されている銅剣にも圧倒された。迫力があるのはもちろん、当時のものへと再現された銅剣の輝きが体感できるのもいい点であった。そして今私が研究対象としている獅噛環頭大刀も見ることができた。複製品のものであったが、他の装飾付環頭大刀と同じケースに展示されていたので、比較しながら見学することができ、とても学ぶことが多かった。
最後に上映時間20分の古事記を元に編成された、大国主命についての映画を見た。分かりやすい説明と映像で、一般の人にも理解しやすいように工夫された映像であったと感じた。(M.M.)
来待ストーンミュージアム
■一日目に『阿吽の狛犬フォトグラフ』というポスターを目にし、来待ストーンミュージアムという場所で狛犬の企画展が開催されていることを知ったので、二日目の出雲大社からの帰り道にみんなで訪れた。
最寄りの来待駅まではJR山陰本線を利用し、そこからは農道を15分ほど歩いた。道中、宍道湖からの冷たく強い風に抗うため、真っ直ぐな道を全力で走ったりもした。ミュージアムは山に少し入ったところにあり、山肌の岩はかつて石材を切り出した跡が残っていた。山を貫通するトンネルがあり、抜けた先の岩壁に「来待ストーン」の文字が掘られていた。
ミュージアムの正面入り口の前には、出雲でよくみられる特徴的な二対の狛犬が設置されており、一対は普段見かける狛犬のように、座っている居獅子タイプ。もう一対は腰を上げて今にも飛び掛かりそうな姿勢の勇狛犬で、紀年銘は天保5(1834)年だった。勇狛犬は関東には無いので、実際に見られてとても感激だった。
【来待ストーンミュージアムの出雲狛犬】
屋内に移動し、狛犬の企画展を見た。内容は神社や狛犬の古写真とともに、各地の狛犬の特徴についてまとめたものだった。私が本で読んだ内容が書いてあることや貴重な古写真を見ることができて、自分一人でテンションが上がっていた。写真撮影禁止だったのが少し残念。この展示を企画された学芸員の廣江正幸さんにお会いすることもできた。そこで廣江さんから、来待石が凝灰性砂岩で加工しやすく、軽いため出雲の狛犬が広まっていったこと、大きな神社にはあまり狛犬が置かれていないこと、私の研究している地域と同様に皇紀2600年祈念で製造された狛犬があることなど、多くの貴重なお話を聞くことができた。電車が一時間に一本しかないので、時間は限られていたがその中でも、多くのことを学ぶことができたのでとても楽しかった。(A.O.)
【学芸員の廣江正幸さんから解説を受ける】
松江城と松江歴史館
■ゼミ旅行3日目“日本に現存する十二天守の一つ”また、国宝として知られている松江城を訪れた。
初日、2日目と風が強く時々雪が降っていたのと比べると3日目のこの日は風も無く多少温かく感じられたが、靴を脱ぎ松江城に入った瞬間から極寒となった。私は冬に天守見学をしたことが無かったので知らなかったが、冬の天守内部の床が氷なのかというレベルで冷たく感じられ、先人たちは本当にここで過ごせていたのか?と疑問が浮かぶほどであった。城の入り口には登閣記念のスタンプが置かれていてデザインもかわいらしかった。驚くことに天守に井戸があり、現在は崩落防止のために埋め戻されているが、実戦を強く意識したことが伺えて感銘を受けた。
松江城見学後は、松江城の東隣に位置する松江歴史館の見学をした。松江歴史館は松江城とは違い畳張りで温かかった。展示室では城下町の今と昔を地図と模型で表した展示物があり、ボタンを押すと該当場所が光るという理解しやすい作りになっていて面白かった。玄関ホールから見える日本庭園もきれいで感動した。(M.Y.)
■ゼミ旅行3日目となった1月31日は、初日、2日目とは異なり風も弱く、日差しも差し比較的暖かく過ごしやすい天気であった。この日は松江城とそのすぐ近くにある松江歴史館に行った。
松江城は川に囲まれており、その先に見えるのは立派な石垣であった。私個人が石垣の研究をしているのもあるが、松江城の石垣は石材の種類や完成度の高さから、とても魅力のある石垣の一つであるという認識があったため、松江城に訪れていた時間はとても有意義な時間であった。急な上りの階段から見晴らしのいい最上階の天守閣まで、細かく解説がついている城内は回っていてとても面白いという感想が持てた。中でも印象に残ったのが修復をした記録で、詳しい写真から解説まで、どこを修復したかが分かるため、見ていて時代の変化にも気づくことが出来て良かった。
その後、城郭のすぐ隣にある松江歴史館に赴いた。ここでは松江の歴史を全て網羅できるかのような内容量が詰まっており、ガラス張りで中の構図が見えるようなものや、ソファに座り、天井に映像が投影されるものまで、様々な飽きない展示方法があり、松江の歴史を深く知ることが出来た。島根県に来たからこそ、県庁所在地でもある松江のことをゼミ旅行の最後に知ることが出来てとても良かったと思う。(K.K.)
【松江城】 【松江歴史館での甲冑体験】
*―――*―――*―――*―――*―――*―――*―――*―
大正大学については下記のリンクからもどうぞ!
[オープンキャンパス情報]
オープンキャンパス丨大正大学受験生応援サイト-ココカラ
[大正大学公式SNS]
X(Twitter) Facebook YouTube Instagram TikTok