学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

社会福祉学専攻

大学院招聘講座:アリエ法律事務所・山田恵太先生

 6月20日、アリエ法律事務所所属の弁護士である山田恵太先生に「司法福祉領域における地域共生社会の実現に向けた活動」というタイトルで講義をいただきました。聴講者は、本学大学院の院生10名、豊島区民社会福祉協議会所属のコミュニティソーシャルワーカー10名、教員10名の計30名です。

 山田先生の講義は、現在の司法制度のなかで支援を必要としている人の現状と、現在の課題、そしてその現状を解決すべくおこなわれているインフォーマルな活動について、わかりやすく説明していただきました。

 特に印象に残ったのは、フロアからの質問に対する答えのなかで、「私は弁護士なので…(僕の誤解があると申し訳ないので内容は伏せます)」と、明快にご自身の専門性に基づき判断、説明されていた場面です。弁護士としての価値、そして尊厳に触れ、職業人、専門職として尊敬できました。

 これは僕の感想ですが、院生、コミュニティソーシャルワーカー、それぞれを代表して1名ずつの感想を紹介します。

・豊島区民社会福祉協議会地域相談支援課コミュニティソーシャルワーカー岡村さん(本学平成29年度卒)
 罪に問われた障害のある人の弁護と支援の講義を聴き、今この瞬間にも、障害を理由に不当な刑に処されていると思うととても心が痛んだ。同時に司法分野での緊急課題でもあると思った。ソーシャルワーカーとしても地域で住民とともに見守りながら、予防的な視点を持って日々アンテナを張り、犯罪を防ぐことも大切なのではないかと感じた。もっといえば、他職種連携会議等、司法や医療、福祉との分野を超えたネットワークの構築も重要な視点なのではないかと思った。

・博士前期課程1年野村さん(本学平成29年度卒)
 地域福祉において、地域に住む人たちが「地域住民」と言ったときに、罪に問われた障害のある人が含まれているという意識はまだまだ薄いように感じました。出所後の支援体制を構築していくためには、地域住民の理解が重要になってくるので、今後地域福祉と司法福祉の分野が連携していくことが求められることを学びました。

 二人とも、地域と関連づけての感想をいただきました。これは、たとえ犯罪を犯してしまったとしても、償った後はその人らしい生活が出来るような地域を作ることが大事だと感じ、そして自分が何をすべきか考えたからだと思います。いい学びだったと思います。このような機会をくださった山田先生に心から感謝申し上げます。

(文責:新保祐光)

GO TOP