キャンパスライフ

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協定留学生ブログ ミュンヘン大学(ドイツ)から

Deutschandのpünktlich(時間どおり)は難しい

とうとう冬に突入したミュンヘン、大粒の雪が降り始め、そろそろ防寒具1つでは心細い。街行く人たちも皆、厚手のジャンパーにフードを被り寒そうに歩いています。 さて、私は以前ある書籍の中で、『ツアーの集合、国ごとの特徴』という面白い記事を目にしました。内容を簡単にまとめると、以下のようになります。

イタリア人:個人で好きな場所に行ってしまい、集合場所に集まらない。 日本人:集合時間前に集まり、来ない人がいると皆で待つ。 ドイツ人:集合時間キッチリに集まる。誰か来ない場合も、時間通り出発する。

ドイツ語には、pünktlich(時間どおり)という形容詞があります。私はその単語を、幾度かの経験を経て、確かにドイツ人の性格の一部に組み込まれているのかもしれないと感じました。そこで、今回は①ドイツ人のpünktlichを日本人として体験し感じた違和感、②pünktlichなクリスマス期間の特徴の二項目で、進めていきたいと思います。

近いようで遠い、日本人とドイツ人の「時間通り」 さて、私が初めてpünktlichを意識させられたのは、銀行口座の開設時です。ドイツ到着3日後、私は銀行へ赴き、翌日の14:00にアポイントメントを取りました(ドイツの銀行や病院などは、原則的に全て予約が必要です)。そして、約束の日。私は無意識のうちに、初めに記載した『ツアーの集合、国ごとの特徴』にあったように、14:00の10分前に銀行へ行き、担当者に声をかけてしまった。 もしも、ここが日本ならば、「いらっしゃいませ、お待ちしておりました」の言葉と共にすぐに別室へ案内されたかと思います(相手側も「早めの」行動を行うからです)。しかし、ドイツで実際に返ってきた返答は、「14:00ですよね?10分も早いですよ。まだ私は仕事があるので、そちらで立ってお待ちください」というものでした。結果、その言葉通りキッチリ14:00(秒単位)まで、私は立って待つことになりました。このような体験は、その後も度々起こります。そうしてやっと、私は最初の記事を思い出すことになります。 「時間にキッチリしているという点で日本人とドイツ人は似ている」と、別の書籍で述べられていたことをふまえても、確かにドイツ人と日本人は「キッチリしている」という点では類似点があるのだろうと思います。しかし、実はその「キッチリしている」が「少し」異なるからこそ、私は戸惑ったのではないだろうかと思い至りました。 つまり、最初に書いたようなイタリア人ほど時間的感覚が離れていれば、「ドイツ人はキッチリしているな」と、ある種客観的に考えることが可能です。しかし、反対に「キッチリしている」という大きな枠組みそのものは、ドイツ人と似ている日本人の私の場合、「数分前に到着することが日本ではpünktlich(時間どおり)なのに…」という日本との比較を無意識に行い、主観的な考えをどうしても含ませてしまいます。ならば、私はそこに、違和感を覚えているのではないでしょうか。 また、さらに厄介なのは成長過程で身についた感覚(今回は、「数分前行動」がそれにあたる)というのは、相当に根深いということです。「ドイツのpünktlichは、時間ピッタリに行くことだ」と、意識することは出来ても実践することは難しい。毎回、ついつい数分前に到着してしまい、約束の時間まで待つことになる。これは、留学期間でどうこうなる感覚ではないだろうなと、最近は待ちながら思ってしまいます。

クリスマスをカウントダウンする  そんなpünktlichなドイツ・ミュンヘンは、11月に入り本格的にクリスマス(das Weihnachten)の準備が始まりました。その中でも興味深いのは、伝統的かつ人気の高い①アドヴェントカレンダー(der Adventskalender )、②シュトレン(der Stollen)、そして③クリスマスマーケット(der Weihnachtsmarkt)らは全て、来たるクリスマスのカウントダウン(Advent)だということです。先ずは、Adventの概要と①から③の少し詳しい内容を記載しておきます。

待降節-Advent Adventとは、人間世界へのキリストの到来、そして再臨を表現する語として用いられます。11月30日の「聖アンデレの日」に最も近いとされる日曜日から、クリスマスイブまでの4週間を指し、グレゴリウス一世の時代に4回の主日と決められました。

①Adventskalender アドベント限定のカレンダー。日付の部分が扉になっていて、中にはチョコレートが一粒入っているので、毎日一粒ずつ食べてクリスマスを待ちます。

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②Stollen 乾果やナッツ類が入ったクリスマス専用の細長く堅めの菓子パン。アドベント期間の、毎週日曜日に一切れずつ食べていきます。発祥地はドレスデンと言われています。 ③Weihnachtsmarkt アドベント期間に開催されるマーケット(12月23日には終了します)。最も古いのはドレスデンの1434年とされ、会場には伝統的な食べ物や飲み物を始め、キリストにちなんだ置物や飾りなどが販売されています。

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日本でクリスマスというと、24日と25日の2日間がメインかと思います。しかし、ミュンヘンでは既にマーケットも開催され、街中がクリスマス気分で活気づいています。そんな中で、私はなんとなくクリスマスが来るのを正確にカウントダウンする3つの特徴もまたpünktlichの1つといえないかな、と考えてします。しかし、心から楽しみにしているクリスマスを、個性的な伝統をもって正確にカウントするこのpünktichは、日本ではみることが出来ない特徴です。こういった、楽しいpünktlichは純粋に楽しいと感じまし、こうした特徴を作り出すドイツも、とても楽しい。

Mayuko Nakayama