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TSRシップ 鴨台プロジェクト報告【第5弾】

TSRシップ 鴨台プロジェクト  TSRシップ鴨台ボランティアプロジェクト、最終グループである第4日程の報告をします。

 

 

■概要

 今回のメンバーは学生15名(うち女子学生5名)、教員6名、事務職員13名の計34名でした(全日程参加職員1名を含む)。4月19日(火)10時、多くの教職員や先行グループの学生らに見送られて大学から現地に向け出発、お陰様で大きなトラブルもなく23日(土)夕方、無事に帰ってきました。

 出発当日に学長・事務局長からの激励の言葉、そして車中でのミーティングを通して、我々第4日程の課題が、第1日程から第2日程へ、そして第3日程へと引き継がれ、高められてきた様々な成果の蓄積を最後にプロジェクト全体のまとめとしてどう締めくくるか、この点にあることが繰り返し強調され、皆の共通認識となっていきました。それはまた、大きなプレッシャーでもありました。

 

出発当日 学長からの激励

 

 今、「成果の蓄積」と書きましたが、この言葉の意味を皆が実感したのは、第一日目の夜の、第3日程との合同ミーティングの時だったのではないかと思います。ここで披歴された第3日程のメンバーたちからの膨大な申し送り事項は、文字通り第1日程から第3日程までのメンバーによる試行錯誤の「蓄積」そのものでした。これが実にありがたかった。初めてこうした活動に参加する多くのメンバーにとって、大学での事前研修を通して言葉の上でなんとなく理解していたボランティアのイメージでしたが、このミーティングによって、具体的な個々の活動や全体像、そして留意すべき点等が次第に明瞭になっていったからです。この「蓄積」抜きでは我々の活動そのものが成り立たなかった、と言っても言い過ぎではありません。

 

第3日程のメンバーからの引き継ぎミーティング

 

 今回の支援活動の内容は、20日朝の入谷公民館における現地結団式と被災地の視察に始まり、20日午後からは既に確立された4つの部門、すなわち①支援物資の仕分け(旧入谷中学校)、②炊き出し(入谷公民館)、③レクの提供(DVD上映と綿菓子づくり、入谷小学校)、④ボランティアセンターに登録しての活動、にメンバーが配置されて行われました。並行して被災地同窓生宅にお見舞いに出向きましたが、これらは基本的に第3日程までと共通です。

 

支援物資の仕分け トイレ掃除
炊き出し準備 DVD上映会
綿菓子サービス 学校再開に向けての地ならし

 

 各部門の活動内容については既に詳細な報告がなされていますので、そちらをご参照ください。ここでは、③についてだけ補足します。

 入谷小学校体育館には壊滅的な被害にあった海沿いの志津川地区の被災者が避難してきていますが、南三陸町全体が断水していることもあり、小学校の授業開始は5月連休明けからだそうです。現地活動最終日の4月22日は19日に続いて入谷小学校の一斉登校日になっていました。子どもたちは10時から11時までの「入谷っ子教室」(全校一斉のプリント学習)に参加しましたが、その後の30分間を大学としていただくことができました。小学校ではアーバン福祉学科の青木さんが50名ほどの子どもを相手に集団遊びを指導、また車で10分ほどの第8集会所でも30名ほどの子どもを相手にアーバン福祉学科の高橋一弘准教授が同じく集団遊びを指導、さらに臨床心理学科の大川君が手品を披露したりで、どちらも大変好評でした。こうした技や術を持っている学生の存在を心強く思いました。

 

集会場での「入谷っ子教室」 手品の披露
入谷小学校での「入谷っ子教室」

 

■活動の準備と反省、成果の蓄積へ

 今回のプロジェクトのために先遣隊が数回にわたって現地を訪問し、また参加者全員が4月8日に事前研修を受講しました(本HPで報告済み)。「2011 TSRシップ 鴨台ボランティアプロジェクト(東日本大震災被災地支援活動)」と題された冊子が作成・配布されましたが、ここには活動の日程から毎日のミーティングのガイド、各活動班の「活動記録ノート」の作り方、ボランティア参加の心得、そして教職員活動指針まで記され、文字通り我々の活動のための指針となりました。さらに、学生だけでなく教職員にも「TSRポートフォリオシート」が配布され、参加者全員に記入・提出が求められました。

 宿舎と現地との往復の車中でのミーティング、さらには現地と大学との車中のミーティング、そして個々人による活動の記録と夕食後の班及び全体ミーティングにおける報告・情報の共有と意見交換。これらが相まって、初めに述べた「成果の蓄積」につながったのは言うまでもありません。毎日の全体ミーティングで各班代表の報告を聞きながら、日々新たな課題を見い出しつつ成長する学生諸君の姿を誠に頼もしく思った次第です。

 第4日程として、それまでの活動の成果の蓄積に立って今回のプロジェクト全体を締めくくれたのか。
入谷小学校体育館を最後に立つ際に一同整列して被災者に皆さんに12日間お邪魔したことへの御礼の挨拶を申し上げたところ、居合わせた皆さん全てから感謝と労いのお言葉をいただきました。最後に現地解団式を行った入谷公民館でも、お世話になった阿部館長さん、高橋さんはじめ避難されている皆さんから同じくあたたかい感謝のお言葉をいただきました。

 いろいろ評価はあろうかと思いますが、報告者としては、今回のプロジェクトを立派に締めくくることができたのではないか、と思っています。

 

第4日程参加メンバー

 

■感謝ということ

 今回の活動に従事する中で、感謝、ということについて考えさせられました。

 上に述べてきたように、我々第4日程の全ての活動は第1日程から第3日程までの成果に立って初めて可能なものでした。また、今回のプロジェクトそのものも、先遣隊による調査や事前の学内での諸準備(冊子や書類の準備、組織体制の整備、現地との連絡、等々)、現地での毎日の買い出しや物資・機材の運搬等の裏方仕事、そして留守を守る同僚や家族の協力、これらがあって初めて可能になったものです。

 さらに、今回の活動が、現地の皆さんが我々を受け入れてくださったからこそ行うことができた、という事実も忘れてはなりません。現地の皆さんによって逆に我々が励まされ育てていただいた、という実感を、多くの参加者が抱いたのではないでしょうか。

 街頭募金活動に従事された皆さんを含め、今回のプロジェクトに関わった全ての皆さんに感謝の気持ちを捧げて、TSRシップ 鴨台ボランティアプロジェクト(東日本大震災被災地支援活動)の報告を終えたいと思います。

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