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【実施レポート】「文字・活字文化振興法 制定・施行20周年 記念フォーラム」を開催しました

2025年8月29日

7月26日(土)に附属図書館で「文字・活字文化振興法 制定・施行20周年 記念フォーラム」を開催しました。

本フォーラムでは、出版・図書館・教育・行政・作家など多様な立場の登壇者が集い、文字・活字文化振興法が制定・施行されてからの20年、また現状と未来について、改めて文字・活字文化の大切さを考えながら、読書の楽しみ、AIやデジタルの影響などに関する意見交流を行いました。


文字・活字文化振興法 制定・施行20周年 記念フォーラム
『文字・活字文化の創造に向けて―AI社会・デジタル社会の中で文字・活字文化を考えるー』
日時:7月26日(土)13:30-17:00
会場:大正大学 8号館 4階 礼拝ホール
主催:大正大学附属図書館  
共催:学校図書館整備推進会議、公益財団法人文字・活字文化推進機構(50音順)
後援:一般社団法人日本新聞協会、公益社団法人全国学校図書館協議会、全国高等学校長協会、東京都教育委員会、豊島区教育委員会、読売新聞社(50音順)

Ⅰ.基調講演
[講師]片山 善博
(大正大学地域構想研究所長/大正大学地域創生学部公共政策学科特任教授/活字の学びを考える懇談会委員/元総務大臣/元鳥取県知事)

Ⅱ.シンポジウム 

[シンポジスト]
ドリアン 助川氏(助川 哲也氏)
  (作家/歌手/明治学院大学教授/明治学院大学図書館長/前私立大学図書館協会会長)
髙田 行紀氏
  (文部科学省 総合教育政策局 地域学習推進課長)
岡垣 重男氏
  (河出書房新社取締役管理本部長/元YA出版会会長)
髙司 陽子氏
  (豊島岡女子学園中学校・高等学校司書教諭)

[進行]稲井 達也
(大正大学附属図書館長/教職支援オフィス教授/図書館情報メディア部長/豊島区図書館経営協議会会長/公益社団法人全国学校図書館協議会参事)

フォーラム冒頭、山口寿一様(公益財団法人文字・活字文化推進機構 理事長/一般社団法人日本新聞協会 理事/読売新聞グループ本社 代表取締役社長)、河村建夫様(前衆議院議員/元文部科学大臣/公益財団法人文字・活字文化推進機構 会長/学校図書館議員連盟 顧問)、笠浩史様(衆議院議員/活字文化議員連盟 事務局長/学校図書館議員連盟 事務局長)、神山弘様(文部科学省 総合教育政策局社会教育振興総括官)より、ご挨拶をいただきました。

Ⅰ部では、本学地域構想研究所所長の片山が『「本好き」を増やすために私たちには何ができるか』というテーマで、基調講演を行いました。
読書習慣の形成には、家庭環境が大きく影響するとし、自身の子ども時代の体験や、子育て・孫育てにおける読書支援の実践を紹介しました。また図書館や書店の役割にも触れ、地域の特色を生かした図書館運営や、書店の利用促進について語りました。
さらに、学校での朝読書活動の推進や、校長の図書館関与の重要性にも言及しました。 図書館関係者には、特色ある蔵書や展示を通じて、利用者の関心を引きつける工夫を期待したいと述べました。
最後に、切手を通じた読書文化の普及活動にも触れ、絵本や文学作品を題材にした切手の発行を通じて、読書の魅力を知る実践を紹介しました。全体を通じて読書の価値を再認識し、読書仲間を増やすこと、本好きの後継者を育てることの大切さを述べました。

Ⅱ部では、全体進行を務める本学図書館長の稲井が、冒頭に「本法律制定後の20年の意義と展望」について述べた後、4名のシンポジストによる意見交換が活発に行われました。
法律制定当時とスマートフォンや AI の普及による現在の社会、読書・言語文化の変容について議論され、若年層の活字離れや、SNS 等による言葉の省略・多様化、読書活動の推進策、電子書籍の導入状況、図書館・書店の役割や課題、出版業界の実情など、多角的な視点から現状と課題を共有しました。その上で、図書館が地域や学校で果たす「居場所」としての重要な役割が再確認されました。また、書店や出版業界、作家の厳しい現状が率直に語られ、朗読会やサイン会など、直接読者とつながる場の大切さも強調されました。

フォーラム全体を通して、文字・活字文化の未来に向けて、関係者の連携と主体的な取り組みの必要性が確認され、登壇者・参加者全員が「文字・活字文化の未来を担うのは、今を生きる私たち一人ひとりである」という認識を深めました。

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