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東京国立博物館 特別展『国宝 大神社展』の魅力~『ドラゴンクエスト』と『もののけ姫』を視点に~

みなさんこんにちは、コンシェルジュの岩下です。

5/17(金)はラーニングコモンズレファレンス(歴史学)が開催されました。ご担当くださったのは、椎名一雄先生です。

今回のテーマは「東京国立博物館 特別展『国宝 大神社展』の魅力~『ドラゴンクエスト』と『もののけ姫』を視点に~」。一体「国宝 大神社展」と「ドラゴンクエスト」・「もののけ姫」がどのように関連しているというのでしょうか?
※東京国立博物館で開催中の「国宝 大神社展」については公式サイト(http://daijinja.jp/)をご覧ください。

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▲というわけで、スライムとコダマです。

では、以下に椎名先生のお話を簡単にまとめてみます。

5世紀頃の日本・朝鮮半島の墳墓からは、たくさんの小さな飾りがついた黄金の冠が出土しています。この小さな飾りは、歩くと揺れることから「歩揺(ほよう)」と呼ばれています。「歩揺」は、その形から木の葉をかたどっているといわれています。人々は一度は葉を落としても再び芽吹く木の生命力にあやかって冠を木の葉で飾ったのかもしれませんね。

ところで、ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズをプレイしたことがある方は、「せかいじゅの葉」というアイテムが登場するのをご存知かと思います。ゲームにおいて、「せかいじゅの葉」はキャラクターの生命をよみがえらせることができる重要なアイテムです。これもまた、先に登場した金冠と同様に木の生命力に由来しているのではないでしょうか。

東京国立博物館で開催中の「国宝 大神社展」では、「春日神鹿御正体(かすがしんろくみしょうたい)」という重要文化財が公開されています。これは写実的な鹿の像から榊の木が生えているという不思議な構図の作品です。なぜ鹿なのか。実は、鹿の角は年に一度ポロリと取れて新しいものに生え変わるんです。このことから、木の葉と同じように、鹿もまた生命の象徴とされてきました。

鹿といえば、映画「もののけ姫」に登場するシシ神は鹿の姿をしていますよね。物語の中で、シシ神は生命をつかさどる重要な役割を果たしていました。つまり、こういった思想は現代にいたるまで脈々と受け継がれているんですね。

参加者たちは、メモを取ったり頷いたりしながら先生のお話に聞き入っていました。

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▲「鹿の角もまた年に一度生え変わるんです!」の図

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▲博物館周辺のグルメ情報も!

次回のラーニングコモンズレファレンスは5/31(金)14:50~16:50に開催します。テーマは「東京国立博物館 常設展の魅力~司馬懿と孫権と卑弥呼の関係とは?~ 」。三国志マニアの方大歓迎!もちろん歴史学科以外の方のご参加もお待ちしております。

それでは ヾ(*'▽'*)o

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