図書館・研究所

知と情報の集約

カウンセリング研究所

令和元年度 地域精神保健研修会「大人の発達障害」を開催いたしました

令和2110日(金)に、カウンセリング研究所主催の地域精神保健研修会を開催いたしました。当初は60名程度の定員を想定していたところ、非常にたくさんの方からお申込みをいただき、当日は138名の方にお越しいただきました。今回の研修会は専門家の方だけでなく、一般の方々にも多くご参加いただきました。

今年度は、「大人の発達障害」をテーマとして、本学教授で、よこはま発達クリニック院長である内山登紀夫より、子ども時代のみならず成人期や老年期までの生涯を通じた発達障害の特性とその支援についてご講演いただきました。

前半は、自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)といった発達障害の診断基準や特性について整理し、実際の生活の中でどのような困難が生じやすいのか、具体的な例も交えながらご説明いただき、後半では、当事者へのインタビューも交えながら、成人期以降の発達障害の方が直面しやすい問題についてお話いただきました。
発達障害に特徴的なのは、感覚の過敏さやコミュニケーションやイマジネーションの障害、段取りが立てられない等の実行機能の障害があります。しかし、大人になってから発達障害と診断される方の中には、子ども時代から知的な能力に問題がなく学校にもある程度適応できていましたが、大学や就職といった段階でつまづき、診断に至るケースが多くあります。
成人期以降になると、家族と離れて暮らす場合も多く、支援を求めるとしても、どこに、どうやってつながればいいのか分からなかったり、経済的な問題なども重なり、孤立してしまうケースも多いことが紹介されました。
講演を通して、発達障害の方への支援に大切なことは、学校や職場をはじめとした生活の場において特性に配慮した環境づくりを行うことや、医療や福祉サービスをはじめとした支援にどうつながっていくかが重要であることをお話しいただきました。

終了後のアンケートでは、「内山先生の具体的でユーモアも交えたお話が分かりやすかった」、「身近な当事者への理解につながった」等の感想をいただき、充実した研修会となりました。


GO TOP