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【開催レポート】「映像化したい本」で知的書評合戦ビブリオバトル

みなさんこんにちは、コンシェルジュの岩下です。

1/27(月)は、知的書評合戦ビブリオバトルを開催しました。

テーマは「映像化したい本」!テーマは「映像化したい本」です。映画でもドラマでもアニメでも、ジャンルを問わず映像化したい本を紹介していただきました。

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▲今回のバトラーはこの6名です。

書名:本当はこんなに面白い「おくのほそ道」―おくのほそ道はRPGだった!
著者:安田 登
出版社:実業之日本社
 

まず最初に登場したバトラーは、なかじまさんです。紹介する本は『本当はこんなに面白い「おくのほそ道」―おくのほそ道はRPGだった!』。言わずと知れた松尾芭蕉『おくのほそ道』を、RPG(ロールプレイングゲーム)として読み解くという試みの本だそうです。なかじまさん「この本を読めば『古典は難しい』という概念が崩れるはずです。能役者である著者が<能>と<RPG>のふたつの見方で『おくのほそ道』を分かりやすく紹介してくれます。芭蕉が辿った道のりの現在の様子を映像化すると面白いのではないかと思います」。なお、なかじまさんはテスト期間中にも関わらずこの本を手に取ってしまったのだそうです。その気持ち、分かります。

 

書名:芸術新潮 2007年 01月号
著者:-
出版社:新潮社
(在庫切れのためリンクなし)

二番目に登場したバトラーは、歴史学科の椎名先生です。紹介する本は『芸術新潮 2007年 01月号』。椎名先生「中国・北京の故宮博物院の始まりは、かつての皇帝たちが収集した美術品を一般公開したことです。やがてこれらの美術品は、満州事変をきっかけに国民党中央による決定を経て、北京→上海→南京→四川と移動を繰り返すことになります。美術品は再び南京に集められますが、第二次世界大戦後の国内情勢の悪化もあって、厳選された美術品が台湾の台北に送られることになりました。これが今日の台湾故宮博物院の始まりです。私は、このような過程を経て文物が台湾に到着するまでの物語を、ロマンティックな冒険活劇として映像化したいです」。椎名先生の構想によると、この映像にはあの「翠玉白菜」やジャッキー・チェンも登場する予定だそうですよ!

 
★椎名先生おすすめ★特別展「特別展 台北 國立故宮博物院-神品至宝-」の公式サイトはこちら→http://www.taipei2014.jp/index.html
 

書名:勇気凛凛ルリの色
著者:浅田 次郎
出版社:講談社
 

三番目に登場したバトラーは、あきさんです。紹介する本は『勇気凛凛ルリの色』。あきさんによると、著者の浅田次郎さんは「小説家になりたくて小説のような人生を歩んできた人」なのだそうです。この本は、そんな浅田次郎氏による自伝的エッセイです。あきさん「エッセイ集なので、取り上げられる題材は『パンツを買った』とか『トイレを改造した』などの身近なものです。中でも面白いのは、浅田次郎さんが自衛隊に所属している頃、頭のサイズが大きすぎたため支給された特大サイズの帽子が被れなかったというエピソードです」。あきさんはそう言うと、おもむろに立ち上ってエッセイの一節を朗読し始めました。これには会場のみなさんも大盛り上がりです。あきさんはこの本を、テレビのバラエティ内で流れる再現VTR風に映像化したいと仰っていました。ちなみに、あきさんによる主演のイメージは「西田敏行さん」だそうです。ずいぶんと豪華な再現VTRになりそうですね。

 

書名:マージナル・オペレーション〈01〉
著者:芝村 裕吏
出版社:星海社
 

四番目に登場したのは、今回が初参加の天月堂(てんげつどう)さんです。ようこそ、ビブリオバトルへ。紹介する本は、女の子と銃器と戦場が出てくることに興味を持って手に取ったという『マージナル・オペレーション』です。天月堂さんによると、この物語は「日本のニートが傭兵を始める話」だそうです。天月堂さん「主人公は元ニートの30代の日本人男性です。彼は戦術オペレーターとして、少年兵・少女兵を引き連れて中央アジア各地を回ります。作中では、戦争しか知らない子供たちの生活を何とか立て直したいという主人公の葛藤が描かれます。意外とファンタジー色は少ないので、ハリウッドあたりで映画化して欲しいですね」。天月堂さんによる主演のイメージは「若いころの藤田まことさん」だそうです。なかなか渋いチョイスです。

 

書名:トットの欠落帖
著者:黒柳 徹子
出版社:新潮社
 

五番目に登場したバトラーは、ひろさんです。紹介するのは、ひろさんが小学生のころ先生に紹介されて興味を持ったという『トットの欠落帖』です。ひろさんは、この本をこんな風に紹介してくださいました。「これは自称・欠落人間の黒柳徹子さんの失敗談をまとめたエッセイ集です。バナナときゅうり、そしておしぼりを間違ってしまったという日常のエピソードもあれば、『徹子の部屋』での失敗談も紹介されています。笑いを誘うエピソードが多いですが、中には黒柳さんのお父さんのシベリア出兵のエピソードなども登場します。私は、そんな黒柳徹子さんが、少女から大女優に成長するまでの道筋をぜひ連続ドラマ化して欲しいと思います」。結局この本については、質疑応答を経て「NHKで朝の連続テレビ小説化すれば良い」という会場の総意に至りました。

 

書名:永遠図書館 〈1〉
著者:赤星治人
出版社:講談社
 

最後に登場したバトラーは、ジャッキー・コイケさんです。紹介する本は『永遠図書館』。ジャッキー・コイケさん「この本は、作中に登場する架空の神話『カトレリ神話』と、それにまつわる本や星座を題材としたファンタジー漫画です。この漫画の魅力は、作者の画力と作りこまれた世界観にあります。特に架空の神話『カトレリ神話』については、実在しているのではないかと思わせるリアリティがあります。唯一惜しまれる点は、この漫画が打ち切りの憂き目に遭ってしまったこと。そこで、伏線を回収し完結させるためにも、この作品を映像化して欲しいと思っています。アニメ化するなら2クールぐらいでどうでしょうか」。ちなみにジャッキー・コイケさんはこの作品を繰り返し読み込むことで、伏線に隠された作者の真意を読み取ることができたと確信したそうです。これはぜひ答え合わせをしてみたいですね。

以上で6冊の本の紹介が終わりました。

さて、投票の結果は・・・・・・ひろさんが紹介してくださった『トットの欠落帖』と、ジャッキー・コイケさんが紹介してくださった『永遠図書館』の二冊がチャンプ本となりました!おふたりとも、おめでとうございます。

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▲(左)ジャッキー・コイケさん (右)ひろさん

それでは、まずは『トットの欠落帖』を紹介してくださったひろさんにインタビューです。

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Q:ビブリオバトルへの参加は何回目ですか?
A:たくさん。

Q:この本を選んだきっかけは?
A:徹子さんの「徹子の部屋」が今話題(?)になっていて、今がグッドタイミングと思って紹介しました。

Q:今回の勝因は何だと思いますか?
A:誰もが知っている黒柳徹子さんの作品であったのと、映像化にぴったりな内容が良かったと思いました。

Q:最後に一言どうぞ!
A:来年度もまたよろしゅーに♪ぜひ、誰でも自由参加です。

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ひろさん、たくさん参加してくださってありがとうございます!小学生の時に買って以来繰り返し読んでいるという『トットの欠落帖』が輝いて見えますよ。

続いて『永遠図書館』を紹介してくださったジャッキー・コイケさんへのインタビューです。

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Q:ビブリオバトルへの参加は何回目ですか?
A:多分9回目。

Q:この本を選んだきっかけは?
A:古本屋で引き寄せられるようにこの本を手に取り、気に入ったから。映像化したい本というテーマともピッタリ合っているように感じたのも理由のひとつ。

Q:今回の勝因は何だと思いますか?
A:オリジナルの神話をファンタジックに描いている作品の魅力を伝えることができたからかもしれない。今までに紹介した本と比べて伝えるのが難しい内容だったが、読んでみたいと思っていただいたのは嬉しい限り。

Q:最後に一言どうぞ!
A:4年の私は今回でビブリオバトルを卒業します。初参加して以来、月一度の楽しみとして開催を心待ちにしていました。最後に有終の美(徒花を咲かすとも言う)を飾れて光栄の極みです。今後参加できなくなるのは残念至極ですが、ビブリオバトルのますますの発展と繁栄を願っています。1年間ありがとうございました。

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そうなんです。常連バトラーとして人気のジャッキー・コイケさんは、3月に卒業を迎えるのです。いつも熱いトークでギャラリーを沸かせてくれてありがとうございました。今後は、大学の外で開催されているビブリオバトルに参加してみるのはいかがでしょうか。もちろんその際には応援に行きますよ!

4年生はもうすぐ大学を巣立っていきますが、4月になれば元気な1年生がやってきます。近いうちに、新しいバトラーと出会えるのを楽しみにしています。

それでは、また ヾ(*’▽’*)o

 

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