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ラーニングコモンズのブログ

「栄西と建仁寺展」と「キトラ古墳壁画展」

みなさんこんにちは、コンシェルジュの岩下です。

5/16(金)は、歴史学がご専門の椎名一雄先生によるラーニングコモンズレファレンスが開催されました。テーマは「まだ間に合う!『栄西と建仁寺展』と『キトラ古墳壁画展』」です(※現在はともに会期終了)。

これらの特別展の開催場所はいずれも東京国立博物館です。詳細は以下の公式サイトをご覧ください。

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▲椎名先生が特別展の楽しみ方をご紹介します。

前半は、実際に両方の展示を見に行かれたという椎名先生より、「栄西と建仁寺展」と「キトラ古墳壁画展」のみどころを解説していただきました。

まずは「栄西と建仁寺展」にまつわるお話から。

栄西は『喫茶養生記(きっさようじょうき)』という本を書き、抹茶を用いた喫茶法を初めて中国から日本へ伝えました。椎名先生は、千利休登場以前の茶道文化についてお話ししてくださいました。

また、海北友松の「雲龍図」については、実は10世紀前後の中国において同じ構図を見ることができるそうです。椎名先生は「日本における『雲竜図』は、中国の構図を参照しつつ更にダイナミックに描いたのではないか」と仰っていました。

それから、俵屋宗達の「風神雷神図屏風」(国宝)についても、尾形光琳の「風神雷神図屏風」との構図の違いなどに触れながら解説してくださいました。

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▲二つの「風神雷神図屏風」を比較中。

続いては「キトラ古墳壁画展」にまつわるお話です。

古代の人々にとって、農業と天文学は特に重要だったと考えられます。椎名先生は、「子」や「丑」などの十二支が天文に関係していること、古代の字書では陰陽との関連も説明されていることなどを説明してくださいました。

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▲キトラ古墳の壁画に描かれた題材を元に、古代の人々の生活サイクルを考えました。

後半は、参加者の関心が高いレポート・論文の書き方について、椎名先生よりお話をしていただきました。

実際に卒論の書き方を悩んでいるという学生さんに対しては、椎名先生から具体的な資料の収集方法についてのアドバイスがありました。また、同席していた図書館職員さんからは、雑誌論文情報などが検索できる「とりあえず検索 クイックサーチ+」(URL→http://taisho.summon.serialssolutions.com/)の使い方が紹介されました。

椎名先生「良い論文を書くためには、物事を網羅的に見た発想を持つことが大切です。ぜひ、事実の『先』にあることは何なのかを考えてみてください。また同時に『物事は多様にある』ことを忘れてはいけません。根拠となる史料・資料があるならば、先行研究を疑うことも必要です」。

次回以降も、ラーニングコモンズレファレンスではレポート・卒論のお悩み相談を受け付けます。「初めてレポートを書くことになったけどどうすればいいの?」という一年生も、「もっとクオリティの高いレポートを書きたい!」という野望に燃える上級生も、ぜひラーニングコモンズレファレンスにお立ち寄りください。「卒論を書くためには一体何から始めたらいいの?」という悩める三年生・四年生も、みんなまとめてお待ちしています!

次回の椎名先生によるラーニングコモンズレファレンスは、5/30(金)14:50~16:50です。テーマは追ってお知らせいたしますので、楽しみにお待ちください。

それでは、また! ヾ(*'▽'*)o

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