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【開催レポート】テーマ「みどり」で知的書評合戦ビブリオバトル

みなさんこんにちは、コンシェルジュの岩下です。

5/26(月)は知的書評合戦ビブリオバトルを開催しました。テーマは「みどり」です。

ちなみにこのテーマは、今年の2月に開催した知的書評合戦ビブリオバトルでチャンプ本を紹介してくれたひろさんから提案していただいたものです。

参考:【開催レポート】「映像化したい本」で知的書評合戦ビブリオバトル→/wp/wp-content/uploads/learning_commons/2014/02/12-093100.html

さて、一体どんな「みどり」の本が登場したのでしょうか。

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▲飛び込み参加を含めた5名のバトラーで戦います。

書名:色えんぴつで描こう 小さなイラストと和の文様
著者:田代知子
出版社:パイインターナショナル

まず最初に登場したバトラーは、「みどり色の色えんぴつが大好き」といううさぎちゃんです。紹介する本は『色えんぴつで描こう 小さなイラストと和の文様』。この本を書店で見かけたうさぎちゃんは、「かわいい~!」とすぐに惹きつけられたそうです。実は色えんぴつはメーカーによって色味が微妙に異なるそうなのですが、この本ではイラストに使用された色えんぴつについてきちんとメーカー表記までしてくれているとのこと。実際にイラストを描いてみたといううさぎちゃんによると、色えんぴつで上手に色を塗るコツは「薄く塗ることと、重ね塗りをすること」だそうです。イラストを描く方は参考にしてみてくださいね。

 

書名:イロドリミドリ
著者:羽柴麻央
出版社:集英社

二番目に登場したのは、飛び入り参加を表明してくれたなかがわさんです。紹介するのは淡い色の表紙が素敵な『イロドリミドリ』というコミック。この本には4本の短編漫画が収録されているのですが、なかがわさんのおススメは表題作の「イロドリミドリ」だそうです。ストーリーは、主人公のたまちゃんが図書館で出会った緑くんに恋をするが・・・・・・というもの。なかがわさんはこの物語の魅力を 1)登場人物の表情や視線に関する漫画ならではの表現 2)作中で引用されるアントアーヌ・ド・サン・テグジュペリ『星の王子様』(紀伊国屋書店)の効果 の二点に分けて紹介してくれました。なかがわさん「緑色は原色でハッキリしていますが、青と黄色を混ぜてできる抽象的な色でもあります。物語のラストは心に刺さります。単なる<少女漫画>ではないこの本の魅力をぜひ知って欲しいです」。

 

書名:心を癒すストレス・フリーの幸福論
著者:大川隆法
出版社:幸福の科学出版

三番目に登場したのは、こちらも飛び入り参加を表明してくれたみっちーさんです。紹介するのは、緑色の表紙の『心を癒すストレス・フリーの幸福論』です。みっちーさんによると、この本にはストレスの原因と対策について書かれているのだそうです。それによると、現代人の二大ストレスは「人間関係」と「経済問題」であり、前者には「相手の長所を見ること」、後者には「他人のための仕事を心がける」ことが有効になるのだとか。また、大切なのは自分のことだけではなく相手のことを考えることであり、そのことが自分の幸福に繋がるということが紹介されているそうです。みっちーさんは、この本を幅広い年代の人に読んで欲しいと仰っていました。

 

書名:邪悪な植物―リンカーンの母殺し!植物のさまざまな蛮行
著者:スチュワート,エイミー【著】〈Stewart,Amy〉/山形浩生【監訳】/守岡桜【訳】
出版社:朝日出版社

四番目に登場したのはブックスケさんです。紹介する本はアメリカでベストセラーとなった『邪悪な植物―リンカーンの母殺し!植物のさまざまな蛮行』です。ブックスケさん自身は、植物といえば「良いもの」というイメージしか持っていなかったそうですが、この本を読んでから植物に対する印象が一変したそうです。ブックスケさんは、人間が摂取するとおう吐やめまいを引き起こし最悪の場合は死に至るという<邪悪な植物>を、本から抜粋して紹介してくださいました。ちなみに、質疑応答で「もっとも邪悪な植物は何だと思いますか?」と問われたブックスケさんは「大麻です」と即答してくれました。

 

書名:赤毛のアン
著者:モンゴメリ,ルーシー・モード【著】〈Montgomery,Lucy Maud〉/松本 侑子【訳】
出版社:集英社

最後に登場したのは、自らを「みどり大好き人間」と称し、今回のビブリオバトルに「みどり」というテーマを提案してくださったひろさんです。紹介する本は『赤毛のアン』。ひろさん「日本では『赤毛のアン』としてお馴染のこの本ですが、原題は『Anne of Green Gables』といいます。まさに今回のテーマにぴったりですね」。ひろさんによると、この本の魅力は、アンを通して描かれるロマンティックな世界観にあるそうです。中には2ページ以上に渡るアンの長ゼリフもあるのだとか。ところでひろさんの発表のもうひとつの見どころは、「男の子がわたしの大好きな『赤毛のアン』に興味を持ってくれるなんて嬉しい!」という女性陣の興奮にあった気がします。その興奮に後押しされたせいか、続く質疑応答も盛り上がりました。

以上、5冊の本が出揃いました。

次はお待ちかねの投票タイムです。自分が読みたくなった本に一票を投じます。

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▲「せーの!」で投票。

投票の結果、なかがわさんが紹介してくださった『イロドリミドリ』がチャンプ本に決定しました!

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▲おめでとうございます!

それでは、『イロドリミドリ』を紹介してくださったなかがわさんにインタビューをしてみましょう。

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Q:ビブリオバトルへの参加は何回目ですか?
A:初参加です。

Q:この本を選んだきっかけは?
A:今回のテーマが「みどり」ということで、すぐにこの本が浮かび上がりました。単なる「娯楽」におさまらず、大切なことを教えてくれる作品だと感じたので、この漫画を紹介したいと思い、選びました。

Q:今回の勝因は何だと思いますか?
A:緊張しいなので、練習をしました。話す内容の組み立てや、時間も意識してやっていました。また、テーマに沿った紹介をしたところが個人的には良かったかな、と。一番大事なのは、自分が紹介する本を好きだという気持ちと、その魅力をよく分かっていることだと思います。

Q:最後に一言どうぞ!
A:他の方の紹介の仕方や、どういう視点を持って作品(本)を選んだのかなど、違った見方、発見もあって面白かったです!参考にしたいと思いました。今、4年で就職活動の最中だったので、力がつくような良い経験が出来ました。”人に伝える力、発信する力”をこれからも身に付けていきたいです。

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なんと、練習をして本番に臨んでくださっていたのですね。素晴らしい!そんななかがわさんに、改めて拍手を送りたいと思います。パチパチパチパチ~。

さて、次回の知的書評合戦ビブリオバトルは6/18(水)に開催します。詳しくはT-Poのお知らせをご覧ください。

それでは ヾ(*'▽'*)o

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