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祭、まつり、フェスティバル-お祭りについて考えよう!-

みなさんこんにちは、コンシェルジュの岩下です。

5/29(木)は、小林惇道先生によるラーニングコモンズレファレンスが開催されました。テーマは「祭、まつり、フェスティバル-お祭りについて考えよう!-」です。

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▲お祭りは好きですか?

今回は前半に祭りをテーマとしたディスカッションを行い、後半は「論文の書き方」について学びました。

小林先生はまず、日本各地のさまざまなお祭りを参加者たちに紹介するところから始めました。参考にしたのは、以下のような資料です。

【映像資料】『NHK映像マップ みちしる』 (http://www.nhk.or.jp/michi/theme/#themeCategory3=%E5%90%84%E5%9C%B0%E3%81%AE%E7%A5%AD%E3%82%8A&results=20&start=0&sort=0&isAscending=false

【図書館資料】芳賀 日出男『祝祭 世界の祭り・民族・文化』クレオ(OPAC:https://www.lib.tais.ac.jp/search/detail.do;jsessionid=E3E86BC698DD6D288AF0A35453089558?bsCls=0%2F&holdId=&method=detail&bibId=0000029319/

これらを参考にするうちに、一口に「お祭り」とは言っても、どうやら性質が異なるものがあるらしいことが分かってきました。

たとえば「新嘗祭」と「御柱祭」では、祭りの雰囲気も進行に携わる人の服装も違います。小林先生はこの二種類を、宗教学的に分類してみると次のようになると説明してくださいました。

祭りの種類 内容
新嘗祭 祭儀・日常・ケ 日常的な社会秩序の縮図で、
秩序を維持しようとする。
御柱祭 祝祭・非日常・ハレ 日常性を徹底的に破壊し、
聖なる状況下で集団の融合を目指す。

こうした分類に当てはめてみると、私たちが日ごろよく目にする参加者が盛り上がり興奮状態になるお祭りは、「祝祭」としての性格が強いものといえます。小林先生は「そうした祭りは集団を一つにする役割があり、祭りを通して人々は、日常生活を一旦解体し神聖な世界と同一化することで生を再び活性化させると、祭りの機能を表すこともできる」と仰っていました。

ここで小林先生から参加者に向けてひとつの問題提起がなされました。それは「スポーツ観戦やアイドルのコンサートは祭りと呼べるか?」ということです。

確かに「集団が集まって興奮することが祭りである」と定義すると、スポーツ観戦やアイドルのコンサートもまた一種の祭りのようにも思えますが・・・・・・?そこで、参加者同士で「祭りとスポーツ観戦およびアイドルのコンサート」の共通点と相違点を洗い出してみました。

【共通点】

  • 非日常性
  • 盛り上がり・興奮状態

【相違点】

  • 実施方法
  • 時間的な指向性
  • 実施する母体
  • 目的

小林先生は、両者の共通点はあるものの、一方で多くの相違点がみられ、「スポーツ観戦およびアイドルのコンサートは一般的にいわれるお祭りとは別のものである」と結論付けました。

ラーニングコモンズレファレンスの後半では、参加者の修士論文を題材にして、論文の書き方を学びました。

今回、小林先生から特に詳しく解説していただいたのはテーマの絞り込み方です。

バラバラに散らばった自分の興味を分類することで、少しずつテーマを明確にしていきます。しかし、自分の興味とテーマが必ずしも一致するとは限らないので注意が必要だということでした。

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▲知っているようで知らない論文の構成。

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▲学部の一年生も交えてディスカッションしました。

次回の小林先生によるラーニングコモンズレファレンスは6/12(木)13:10~15:10に開催します。テーマは追ってお知らせいたしますので、もうしばらくお待ちください。

それでは ヾ(*'▽'*)o

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