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【開催レポート】テーマ→「フリー」で知的書評合戦ビブリオバトル

みなさんこんにちは。図書館の伊藤です。久しぶりのブログ登場に、いささか緊張しています。
今回は6/17(水)開催の知的書評合戦ビブリオバトル開催レポートをお届けしますので、よかったらご覧ください。

当日は4名のバトラーが集まりました。テーマは前回チャンプ本をご紹介くださったマスターさんよりご提案いただいた「フリー」です。
さっそく紹介された4冊の本について、バトラーのみなさんの言葉を交えながらご紹介しましょう。

 

書名:秘密
著者:東野圭吾
出版社:文藝春秋

トップバッターは初登場のがっきーさん。この春から図書館の職員です。紹介してくれた本は東野圭吾作『秘密』。映画化もされたベストセラーです。

旅行中事故に合った母娘、母の直子は死亡します。しかし、生死の境を経て意識を取り戻した娘の藻奈美に直子の魂が入り込んでしまいます。さまざまな葛藤を経たのちに状況を受け入れ、自分の人生を打ち切り藻奈美として生きていく直子。

がっきーさんは高校3年生の頃、初めてこの本を読んでしばらく頭からこの本のことが離れないほど衝撃を受けたそうです。がっきーさんよりギャラリーの学生たちにメッセージがありました。

「皆さんも学生生活を送る中いろいろな悩みがあると思いますが、今できることを一所懸命取り組んでほしいと思い、この本をおすすめしました。」

 

書名:ラストゲーム
著者:天乃忍
出版社:白泉社

2番目に登場のバトラーは、勇梨桜(ゆうりお)さんです。前回のブログも執筆してくれた、常連バトラーです。

紹介してくれたのは、『ラストゲーム』という少女マンガです。

容姿・頭脳・家柄と三拍子揃った男の子が唯一勝てない女の子にライバル心を燃やし、いつしか恋心を抱くようになるストーリー。二人の小学校から大学時代までを描いた作品とのことですが、勇梨桜さん自身の大学生活と比較しながら楽しく読んでいるそうです。

勇梨桜さんは昔から少女マンガに親しんでいたそうですが、「ラストゲーム」は少女マンガの王道を行く作品とのこと。『りぼん』や『なかよし』で育った筆者としては、かつて親しんだ少女マンガより王道なのかぜひ確認してみたいところです。

 

書名:夏の庭―The Friends
著者:湯本香樹実
出版社:新潮社

3番目に登場のバトラーは、初登場のタクさんです。

タクさんおすすめの本は『夏の庭』。3人の少年がひとりの老人を「観察」し、ひょんなことから死の瞬間と向き合うストーリーです。

タクさんは小学生の頃に初めてこの本を読み、同年代の登場人物たちが大人に対して思うことなどに共感したそうです。いつしか交流を深め仲良くなっていく老人と少年たち。老人の死について「あの世に知り合いがいる、これってとてもすごいことじゃないか」と考えるシーンに、タクさんは自身の経験と重ね合わせ共感を覚えたそうです。

タクさん「当初、人の「死」に対し暗いイメージを持っていましたが、作品を読んで「死」への思いが変わりました。また、段々と沸いてくる「死」への実感からこれからの明るい未来を予想させるような少年たちの姿に共感しました。」

 

書名:とらドラ!
著者:竹宮ゆゆこ
出版社:アスキー・メディアワークス

本日ラストのバトラーは、久しぶりに参戦のりょーりょーさんです。本日は受講科目が休講になり、急遽出場してくれました。ありがとうございます!

りょーりょーさんのおすすめ本は『とらドラ!』。主人公と凶暴な性格の女の子を取り巻く学園ストーリーです。

親友とお互いの恋を成就するために、さまざまな手を打つ主人公。しかし主人公が最終的に結ばれたのは、親友が恋するあの凶暴な女の子でした・・・。主人公と女の子が結ばれる結末を知ってから読み返すと、ストーリーの要所要所に「フラグ」が立っているとのこと。恋愛って?友人って?人間関係って?何度読んでも楽しい作品だそうです。

りょーりょーさん「それまで持っていた「オタクが読んでいる」というライトノベルのイメージが払拭されました。純文学にも匹敵する傑作です!」

以上4冊の紹介本が出そろったところで、投票に移ります。それぞれの発表を聞いて「一番読みたくなった本」に一票を投じていただきます。


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▲正面右から、がっきーさん・勇梨桜さん・タクさん・りょーりょーさん

厳正なる投票の結果、今回のチャンプ本に選ばれたのはタクさんが紹介してくださった『夏の庭』に決定しました。


これからの季節にぴったりの本ですね!タクさん、おめでとうございます!!

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▲チャンプ本『夏の庭』とタクさん

それでは、タクさんへのインタビューをご覧ください。

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Q:ビブリオバトルへの参加は何回目ですか?
A: 1回目です。

Q:この本を選んだきっかけは?
A: 自分にとって大きな影響を与えてくれた本だったので、色んな人にもこの本を読んでもらい自分と同じようにこの本を楽しんでもらいたいと思い選びました。

Q:今回の勝因は何だと思いますか?
A:あまり上手なスピーチでは決してありませんでしたが、本を読んで感じたことや印象的だったことを率直に伝えられたのではないかと思います。

Q:最後に一言どうぞ!
A: 勝ち負けにこだわりはありませんでしたが、勝利することができ嬉しかったです。ビブリオバトルというものに初めて参加しましたが、固いことや難しいことはなくむしろ楽しいといった印象を受けました。

また、こういったスピーチをする場というのをあまり経験したことがなかったので良い経験となったと思います。

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タクさん、どうもありがとうございました!

本日が初出場のタクさんは、司書教諭資格取得をめざす科目「読書と豊かな人間性」講座から参戦してくれました。ギャラリーには受講生の皆さんや担当講師の池田茂都枝先生が応援にかけつけてくださっていました。

皆さんそれぞれ「真面目な会だと思っていたが、こんなに楽しい雰囲気とは思わなかった」、「堅苦しい内容の本だけでなく、マンガやライトノベルのような気軽なものも紹介されていてびっくりした」、と驚かれていました。

こういった声を聞くと、気軽にオススメ本を紹介し合う、本との出合いの場が「知的書評合戦ビブリオバトル」なんだとあらためて実感します。

というわけで、次回開催のお知らせです。

【次回のビブリオバトル】

日時        :7/22(水)1330
テーマ       :感動する本

申し込み方法   :T-Po

次回は春学期最後のバトルです!興味のある方は、ぜひ見学にお越しください!
ビブリオバトルについて質問がある方は、ラーニングコモンズのコンシェルジュにお気軽にお声掛けくださいね。

それではまた~! ヾ(*'▽'*)o

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