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【学生発レポート】テーマ→「夢」で知的書評合戦ビブリオバトル

こんにちは、学習サポーター四年の岡上です。同じく学習サポーターの中村さんとともにビブリオバトルを初観戦させていただくこととなりました。
私自身は日本語日本文学コースに所属しており、また文芸同好会の部員でもあるため、以前からビブリオバトルには興味がありました。今回は学習サポーターとして立ち会う機会に恵まれ、こうして記事を執筆させていただくこととなりました。

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さて今回のテーマはずばり「夢」です。「夢」といえば眠っているときに脳が見聞きする現象であり、また将来の目標という意味でも使われる単語です。漢字一文字でもいろいろな意味にとれるこのテーマですが、みなさんはそれぞれの作品にどのような夢を見たのでしょうか。
というわけで早速見ていくこととしましょう。

新年度最初の発表者であるさいくささんの紹介の本は『鍵のない夢を見る』です。


書籍名:鍵のない夢を見る
著者:辻村 深月
出版社:文藝春秋

五つの短編からなる小さな町で起こる犯罪がらみの物語で、それぞれの作品に関連はないものの共通点は30~40代の女性視点で書かれているそうです。
さいくささん曰く、作中で起きる犯罪が夢であってほしいからこのような題名になったのではないかとのことです。
こちらの好奇心を煽るような紹介で、内容を知らない私にも読んでみたいと思わせる一冊でした。

続きましてはアダチクミンさんの『風の谷のナウシカ』です。誰もが知っているであろうアニメ映画『風の谷のナウシカ』のマンガ版であると紹介してくださいました。


書籍名:風の谷のナウシカ
著者:宮崎駿
出版社:徳間書店

「宮崎駿監督が自ら筆を執って仕上げた作品」とのことであり、映画よりもはるかに多いボリュームと魅力的なキャラクター、リアリティのある細かい設定など熱心に語っていただきました。
「夢」というテーマでこの作品を持ってきた理由は、宮崎駿の原点ともいうべき作品であり、宮崎駿の夢が詰まっているように感じたからだそうです。
私自身漫画版のナウシカは大ファンであり、この作品の持つ強いエネルギーに圧倒された者です。そのエネルギーが「夢」というのは私にとっても納得のいくものでした。

三冊目は江戸川区民さんの『おかしな転生』です。

書籍名:おかしな転生〈1〉アップルパイは笑顔と共に
著者:古流 望
出版社:TOブックス

こちらの小説はもとがweb書籍であるそうで、いわゆる異世界転生ものと呼ばれる作品だそうです。異世界へ転生した主人公は、前世での「おいしいお菓子を作って人を幸せにする」という夢をこちらの世界でも叶えるべく、お菓子の材料のない世界で奮闘する物語とのことです。主人公が前世で亡くなった原因がケーキの下敷きになったなど、主人公がお菓子にかかわる動機が徹底されているように私は感じました。

以上の三人が当初の紹介予定者でしたが、ここでギャラリーのイトウさんが飛び入り参加してくださいました。
紹介していただいたのはこちら『銀河鉄道の夜』です。

書籍名:新編 銀河鉄道の夜 (改版)
著者:宮沢 賢治
出版社:新潮社

宮沢賢治の代表作として有名な作品ですが、私は『注文の多い料理店』しか読んだことがありませんでした。それでもイトウさんの「授業を受けている感じ」や「価値観が出ている」などの言葉は、私が『注文の多い料理店』を読んで感じたことと同じで、思わず引き込まれてしまいました。

さて以上の四冊の中から今回のチャンプ本を決めることとなりました。各々一票ずつ投票した結果、さいくささんの『鍵のない夢を見る』が七票中五票を獲得し、チャンプとなりました。

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実をいうと私も『鍵のない夢を見る』に投票させていただきました。私の個人的な投票理由は、まったく知らない作家であったということと、さいくささんの内容を具体的に語らないまま作品の特徴を挙げていくという紹介に好奇心を刺激されたからです。

次回のテーマは今回のチャンピオンであるさいくささんのリクエストで「さかな」となりました。次回は私もバトラーとして参加させてもらうつもりなので、次回のブログ執筆は学習サポーターの中村さんにお願いします。どうか皆様お楽しみに。

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