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ラーニングコモンズ・本棚情報局vol.3

みなさんは、数学はお好きですか?
…あっ、「嫌いです!」と即答しながらブラウザを閉じたり戻ったりするのはちょっとお待ちください!今回紹介する本は、「数学が嫌いな人」に向けた本です。
さて、数学が好きな人はともかく、数学が嫌いか、苦手に思っている人は人生で一度は「なんで数学なんて勉強しないといけないんだ、こんなの勉強したって社会じゃ使う機会がないじゃないか。」と思ったことがあるんじゃないでしょうか…。
そんな疑問を解決しつつ、数学を解く力を上げることのできる一冊をご用意しました。

書籍名:根っからの文系のためのシンプル数学発想術
著者:永野裕之
出版社:技術評論社

「数学を学ぶのは、物事を論理的に考える力を養うためだからです。」
私は、この言葉に会えただけでこの本を読んだ意味がありました。

さて、この本では「算数と数学は違う」「数学力を伸ばす秘訣は覚えないこと」といった、
知らないと驚きの内容を理論的に教えてくれます。私たちが普段使っている生活に使える計算の大半は算数の力で、数学の力はそれとは違う、といったような内容です。そういった導入の後、数学発想術の7つのパターンについて書かれています。
数学発想術の7つのパターンとは、整理する、順序を守る、変換する、抽象化する、具体化する、逆の視点を持つ、数学的美的センスを磨く、の7つです。
このように羅列すると難しく感じてしまいますが、実際はとても読みやすい文章の形になっているので気軽に読むことができます。このあたりはすべて書くと長くなってしまうので、ぜひご自分で読んでみてください。
さて、大学生活では、「論理的に考える力」が求められます。発表、レポート、ディスカッションと授業中でも論理的に説明する力が必要ですし、卒業論文なんてまさにその集大成となります。そして、この本ではそういった論理的に考える能力を持つ文系の人たちは、数学もできるということを教えてくれます。具体的に言うと、SPIくらいなら余裕でついていけるくらいの数学力がつくはずです。
また、著者が音楽関係者(指揮者)なので、一部では楽譜をもとに理論的な考え方について学びます。音楽に詳しい人ならもっと楽しめるかもしれません。もちろん音楽に詳しくなくても楽しめます。

個人的にこの本で最も感銘を受けたのは冒頭に書いた「数学を学ぶのは、物事を論理的に考える力を養うためだからです。」という言葉です。中学、高校と「どうして数学を学ぶ必要があるんだろう?」と思っていた私にとって、大変満足のいく解説がされていたので、感動しました。ずっと探していた答えが手に入りました。特に、二等辺三角形などの図形の性質をどうして学ぶ必要があるのかという部分の解説は必見です。
総じて、「私は文系だから数学が苦手(現代文は得意)」って言ったことのある人にはぜひ読んで欲しい本です。数学は国語ができるなら解けるということを理論的に語ってくれます。SPIが苦手という方にお勧めです。

ちなみに、僕はこの本の最初に出てくるセンター試験現代文の問題を理論的に解く部分は読み飛ばしてしまいました。ここの部分はかなり重たいのに対してあくまで導入部分でしかないので、軽く読みたい人は読み飛ばしてしまっていいと思います。全体的にはとても読みやすい本ですので、最初の現代文の問題で躓くともったいないです。重要なのは、その先の考え方の解説なので…。

『根っからの文系のためのシンプル数学発想術』はラーニングコモンズが所蔵しています。左側の本棚の数学コーナーに置いてあるので、ぜひ読んでみてください。学習サポーターズに言っていただければ、貸し出しを行うこともできます。お気軽にお声掛けください。

執筆:学習サポーターズ岩本