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綜合仏教研究所

【開催御礼】公開講座「ブリヤートモンゴル佛教寺院蔵文献、地図について」について

綜合仏教研究所では、平成28年1月26日、ブリヤート国立大学から東京外国語大学に客員教授として来日されている、バダガロフ・ジャルガル博士を講師にお招きし、「ブリヤート・モンゴル佛教寺院蔵文献、地図について-ブリヤート・モンゴル人の居住区から見つかった一枚の地図―」というテーマで、公開講座を開催いたしました。
本講座は、モンゴル語による講演であり、通訳を東京外国語大学 博士後期課程の高橋梢さんにお願いしました。


(以下、研究所講師による、聴講レポートです♪)


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 本講義の要旨は、以下の通りである。

 
 モンゴル人の作った地図は、モンゴル国、ベルリン、日本、コペンハーゲンなどの諸機関に、計600枚位保管されている。しかし、ブリヤートの地図は今まで見つかっておらず、ブリヤート・モンゴル人の居住地ヘジンゲ地方で発見されたこの地図は大変貴重である。  
 この地図はヘジンゲ地方の高僧ツワーンが所有するもので、ジャルガル氏は研究に使うことを許可してもらったという。地図は手書きで、ダ・フレー(現ウランバートル)からドローン・ゾー(現ラサ市)に至る道が記されている。そこには、歩く場合の時間、主要な寺院等、様々な情報が書き込まれている。  
 書かれている文字の特徴、文法的な特徴、書かれている情報の内容などから以下の事が言える。


 ・ブリヤート人僧侶による作成である。
 ・巡礼をするために作成されたものである。
 ・19世紀の1833~1885の間に作成されたものである。
 ・作成者の特定はまだできていない。
 ・巡礼者の地図としては現在唯一のものである。

 
 講義終了後は、講師と聴講者で話をする時間を持つことができ、様々な質疑応答がなされた。  
 モンゴルの仏教の中でも、ブリヤートの仏教については情報が少なく、今後の研究の展開が楽しみである。



(バダガロフ先生のご講義の様子)(左:バダガロフ先生、右:高橋梢さん(通訳))

講義風景1

 


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以上。 研究所講師による、レポートでした♪
バダガロフ先生、高橋梢さんをはじめ、ご来場いただいた皆様に厚く御礼申し上げ、ご報告にかえさせていただきます。



綜合仏教研究所事務局

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