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綜合仏教研究所

【開催御礼】公開講座『Overt and Covert Indian Sources on the Vidyādharapiṭaka』

綜合仏教研究所では、9月13日(木)に、ハンブルグ大学教授のDorji Wangchuk先生を講師にお迎えし、公開講座を開催いたしました。

 以下、横山 裕明 研究員の報告レポートです。

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 本講座では、我々がよく知っている三蔵とは少し違う仏典の区分についてご教示いただきました。三蔵とは仏典を経蔵・律蔵・論蔵という3つに区分する初期仏教以来の伝統的な考え方です。しかし、密教興隆以降の学僧たちにとっては、密教の聖典であるタントラをどのように位置付ければ良いのかが問題になりました。そこで三蔵に密教タントラに関する持明蔵(ヴィドヤーダラピタカ)を加えた新たな区分が生まれますが、それは単純に第四番目の蔵というわけではありません。持明蔵は三蔵のうちのどれかに属するとする場合や、第四番目の独立した蔵とする場合もあるのです。この持明蔵に関する問題は、日本では、あまり馴染みがありませんが、インド・チベットにおいて古くから大きく扱われました。

 ワンチュク先生は、チベット仏教の古派にも新派にも持明蔵に関する様々な立場があることを示した上で、そのような立場、あるいは着想に至った源泉として、持明蔵を説く複数のインド撰述文献を具体的に提示して下さいました。いずれの文献もブッダグフヤやアーナンダガルバ、アバヤーカラグプタ、ラトナーカラシャーンティ等といった碩学の手による有名な著作であることから、専門家でなくても大変に興味深い内容でした。また、チベット大蔵経がカンギュル(経・律)とテンギュル()という2つの区分で構成されていることから、チベットの学僧たちがこれほど強く三蔵という区分を意識していたことに驚かされました。

 仏教を研究する上で仏典の区分は重要な指針となります。しかし、初期仏典の三蔵やプトンのタントラ四分類など一部の区分だけしか知られていないのが現状です。多くの区分を知ることができれば、仏教研究の視野が広がることは間違いありません。今回、持明蔵に関する新たな知見示してくださったワンチュク先生に感謝いたします。



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ご来場いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

綜合仏教研究所では、今後も研究の第一線で活躍されている先生方を講師としてお呼びする予定です。予約不要・参加費無料ですので、皆様ぜひ、ふるってご参加ください。

綜合仏教研究所事務局