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綜合仏教研究所

【開催御礼】公開講座「アビダルマの法体系を略説する三つの小論をめぐって」

綜合仏教研究所では、1218日(水)に、日本学術振興会特別研究員(PD)である横山剛先生を講師にお迎えし、公開講座を開催いたしました。

以下、倉西 憲一 主任の報告レポートです。

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1218()、日本学術振興会特別研究員(PD)である横山剛先生による公開講座が開催されました。講座は「アビダルマの法体系を略説する三つの小論をめぐって」と題し、ご自身の最新の研究成果をご披露くださいました。

 

アビダルマと聞くと、仏教を学ぶものはまず、世親の『倶舎論』を思い浮かべるでしょう。アビダルマは、仏陀の説く真理(ダルマ)をひもとき、整理体系化した知のことです。こうした法体系をコンサイスに解説しているインド由来の文献三つに焦点を当てて、それらの著作目的や法体系・思想の相違などをわかりやすく解説してくださいました。

 

まず、アビダルマとはいかなるものかについて、門外漢のものたちにもわかるように『倶舎論』のサンスクリット原文を読みながら、短く的確にお話しくださいました。そして、三つの小論『入阿毘達磨論』『五蘊論』『中観五蘊論』の書名に関する諸問題、特にprakaraṇaという書名につくサンスクリット語に関することについて、現在の横山先生の推論をお話しくださいました。さらに、それぞれの著作目的については、冒頭偈(冒頭文)と結偈を読みながら、紹介してくださいました。

 

三つの小論が展開する法体系の詳細な内容は、一目見て比較対照できるようなわかりやすい表を示してくださり、個々の相互関係や、思想的な相違を様々な事例をもとにお話しして頂きました。

 

アビダルマ研究は、古くから多くの先学たちが従事してきました。ともすれば、研究し尽くされた分野ではないかと思う人もいるかもしれません。しかしながら、近年、『五蘊論』や『中観五蘊論』(他文献内の引用の形で)などの重要関連文献のサンスクリット原典(原文)といったさまざまな新資料がアクセス可能となり、横山先生のような新進気鋭の研究者たちによって緻密な研究がおこなわれており、まさにこれからの進展が大いに期待される分野であると改めて実感いたしました。

 

ご多忙のところ、貴重なご講義をいただいた横山剛先生に改めて感謝申し上げます。



 
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ご来場いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

綜合仏教研究所では、今後も研究の第一線で活躍されている先生方を講師としてお招きする予定です。予約不要・参加費無料ですので、ぜひふるってご参加ください。

綜合仏教研究所事務局