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綜合仏教研究所

【開催御礼】特別講座「求法と巡礼の物語 -中世日本の僧伝絵巻を中心に」

綜合仏教研究所では、立教大学名誉教授の小峯和明先生を講師にお迎えし、全5回の特別講座を開催いたしました。

 以下、濱田 由美 研究員の報告レポートです。

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令和5 年9 月から12 月まで、立教大学名誉教授小峯和明先生による「求法と巡礼の物語―中世日本の僧伝絵巻を中心に」と題する、全5回の特別講座が開催されました。

仏教は、インドから西域、中国、朝鮮半島を経て日本に伝わった。彼の地に赴き仏法を学び、彼の地からやってきて仏法を伝えた人たちの軌跡は、多くの物語を生み語り継がれている。当人が残した日記や記録、また伝記などの他に、鎌倉期を中心に絵巻が数多く作成され、そのイメージはより鮮明なものとなり、多くの人々を魅了した。
本講座では、遣唐使として唐に渡った円仁、空海、また、数々の困難にあいながらも、遂に遣唐使船で来日を果たした鑑真、新羅の僧義湘と玄暁、さらには唐から天竺に赴き、膨大な経典を持ち帰り翻訳した玄奘三蔵について、絵巻(円仁のみ日記)を中心に、その足跡をたどるものであった。

スライドに絵巻を映し、丁寧に解説していただきました。移動行程は地図を示され、その時々の出来事や、かかわった人や支援してくれた人の存在など、多くの興味深い情報と共に、仏法伝来をめぐる異文化交流の記録をたどることができました。
また、絵巻は本来両手に持って右手で少しずつ巻きながら見るものであることや、絵と詞書が交互に描かれるものだけではなく、絵画面に直接説明や会話が描かれる画中詞とよばれる手法があることなど、絵巻についても多くのことを教えてくださいました。

絵巻は伝記をもとに作成されているが、実際にはあり得ない荒唐無稽、奇想天外な逸話も受け入れる。歴史学とは一線を画すものの、高僧たちの足跡をこのような形で記録に残すことで、視覚的な興味が引き付けられ、多くの人の記憶に残されることになったのだと思われる。

文学を専門とする小峯先生に、絵を一枚一枚解説していただき、高僧たちの異文化交流、幻想の異文化交流の軌跡をたどる、ぜいたくな時間を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。

 

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貴重なご講義を賜りました小峯先生と
ご来場いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

綜合仏教研究所では、今後も研究の第一線で活躍されている先生方を講師としてお招きする予定です。
予約不要・参加費無料ですので、皆様ぜひ、ふるってご参加ください。

綜合仏教研究所事務局

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