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綜合仏教研究所
【開催御礼】特別講座「異宗教を融合・統合する仏教美術 ―釈迦・弥勒・阿弥陀の信仰を軸に インドから日本まで―」
綜合仏教研究所では、名古屋大学名誉教授の宮治昭先生を講師にお迎えし、全8回の特別講座を開催いたしました。
以下、講座内容の概要です。
※講義レジュメから引用しております。
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第1回「古代インドのチャイティヤ(聖樹・聖地・舎利・仏塔)信仰について―精霊信仰との融合―」:はじめに、聖樹・聖壇とチャイティヤ、四大聖地とチャイティヤ、舍利・ストゥーパとチャイティヤ、むすび
第2回「ストゥーパの塔のかたちと世界観―インドから日本まで―」:はじめに、舎利信仰とストゥーパの出現、インドのストゥーパのかたち―二つの志向性―、ストゥーパの展開、インドの高塔建築と十字形平面のストゥーパ、中国における塔の受容と展開、日本の塔、むすび
第3回「転輪聖王神話との類比から見た仏像の誕生―インド・イラン・ギリシア・ローマ文化の融合―」:仏像成立以前のインド仏教美術と東西交流、仏教の興隆・伝播と東西交流、ガンダーラ美術の隆盛、ブッダ(=獅子・ヘラクレス)と転輪聖王―ティリヤ・テペ出土記念金貨が語るもの―、釈迦と転輪聖王―仏像の誕生と関連して―、クシャーン朝時代のガンダーラ仏伝美術の隆盛、むすび
第4回「弥勒信仰の美術―インド・ガンダーラから北涼・北魏~隋代へ―」:はじめに、過去仏と弥勒―初期の弥勒信仰―、クシャーン朝時代(紀元1~3 世紀)の美術に見る弥勒信仰、弥勒経典について、ガンダーラ美術に見る「兜率天上の弥勒菩薩」、美術から見る中国北涼・北魏~隋代の弥勒信仰、むすび
第5回「半跏思惟像を読み解く―美術から見た菩薩信仰の一側面〈観音と弥勒〉―」:はじめに、仏伝美術に見られる「思惟」像、ガンダーラの半跏思惟像と観音信仰、アジアにおける観音信仰と半跏思惟像、半跏思惟像と弥勒信仰―ガンダーラから中国へ―、朝鮮半島の半跏思惟菩薩像、日本の半跏思惟像(弥勒菩薩)と宝珠捧持菩薩(観音菩薩)、むすび
第6回「ガンダーラ美術にみる阿弥陀信仰とその展開―中国・日本へ―」:はじめに、クシャーン朝時代の仏教美術の隆盛、ガンダーラにおける大乗仏教美術の成立、ガンダーラの阿弥陀三尊像、ガンダーラの「蓮池タイプ」大構図彫刻、中国・日本の阿弥陀仏五十菩薩図―ガンダーラの蓮池タイプと阿弥陀仏世界の示現図―、むすび―「阿弥陀仏五十菩薩図」とガンダーラ蓮池タイプの関係、おわりに
第7回「バーミヤーン二大仏と仏龕壁画およびその展開―釈迦大仏・太陽神ミスラと弥勒大仏・兜率天世界―」:はじめに、バーミヤーン遺跡概観、バーミヤーン東大仏について、西大仏について、バーミヤーンの坐仏窟・祠堂窟について、むすびに
第8回「経典と美術から見る弥勒下生信仰の隆盛 ―転輪聖王神話・大仏造立・弥勒下生変―」:はじめに、過去七仏と弥勒菩薩、〈弥勒下生経〉と下生信仰、転輪聖王と釈迦仏と弥勒/ミスラ、弥勒下生信仰と大仏造立、弥勒下生変の流行―唐代と高麗時代の作例―、むすび

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貴重なご講義を賜りました宮治昭先生とご来場いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。
綜合仏教研究所では、今後も研究の第一線で活躍されている先生方を講師としてお呼びする予定です。
予約不要・参加費無料ですので、皆様ぜひ、ふるってご参加ください。
綜合仏教研究所事務局
