仏教学部 仏教学科仏教学コース

仏教の学びから「今」を見つける

仏教には、思想・歴史・文化などさまざまな要素が含まれています。
仏教を学ぶということは、それらを学ぶことに他なりません。そして、その学びの成果は、現代社会を生きぬく推進力になるでしょう。

言葉も伝統芸能も
背景には仏教がある

何気なく使っている言葉、元々は仏教用語かもしれません

「挨拶」「玄関」「根性」「機嫌」「奈落」 これらの言葉は元々仏教用語です。なかには、その語源をインドにまで遡ることができる言葉もあります。

仏教漢文、サンスクリット語、パーリ語、チベット語など

仏教の思想を学ぶ過程で、さまざまな言語に触れる機会に恵まれます。たとえば、インドの古典語であるサンスクリット語や、仏教独自の漢文などを学ぶことができます。

さまざまな地域と時代の仏教を学べます

仏教の学びは、日本だけにとどまらずその他の国々における歴史や文化にも関わってきます。そして、その学びの対象は、古代・中世・近世ばかりでなく、近現代からも選ぶことができます。

学生インタビュー

不動明王像に“ひとめぼれ”で仏教学コースへ。
高校では学ばない新たな分野をゼロから学ぶ楽しさがある

私は「玉眼」と呼ばれる不動明王像の美しい“目”に心を奪われ、仏教史や仏教文化に興味を持ちました。入学後は仏像の起源のほか、滑らかで丸みを帯びた平安期や、筋骨隆々で彫りが深くなっていった鎌倉期など、日本国内における時代ごとの製作技法を学習。今後は時代を広げながら、各時代において人々に好まれた仏像の姿を調べていきたいです。

仏教学コース 阿部 飛鳥さん

仏教学における卒業論文のテーマ例

十万頌般若経について-サンスクリットテキスト第3部冒頭部分の校訂と和訳-

十万頌般若経について -サンスクリット語写本テキスト第3部冒頭部分の校訂と和訳-
『十万頌般若経』(Śatasāhasrikā Prajñāpāramitā)第3部冒頭部分は、古代インドの文語であるサンスクリット語の写本テキスト(計6種類)だけでなく、チベット語や中国語(漢文)に翻訳されたテキストも残されています。卒業論文ではこれら3か国語のテキストを見比べながら、本文の校訂(諸本を対照して本文の誤りを正すこと)と現代語訳を行います。最初は難解ですが、段々とそれぞれの特徴が見えてきて、仏教の原典を読解することの楽しさを味わうことができます。

その他テーマ一覧

  • マインドフルネスとスポーツ
  • 空手道と「空」
  • 般若心経における空思想の研究
  • 栄西の思想-『喫茶養生記』を中心に-
  • お盆について

学生インタビュー

仏教を多角的に学ぶ過程で興味あるテーマと出会い
積極的に学ぼうとする意欲と行動力が培われます

これまで、地域連携型の授業や、学生自身が「仏画」を描いてみるような実践型授業を通して、主体的かつアクティブに学ぶ姿勢が養われと私は感じています。現在、“仏教と職業の関係”への興味から、卒業論文では「江戸時代の薬師如来信仰」をテーマに当時の医師・医療との関係を研究しています。行動力も高まり、将来は仏教関連の建造物の保全活動に貢献していきたいと考えています。

仏教学コース 大野 里緒さん

仏教学コースの目指すこと

ブッダにはじまった仏教は、インドから、中国、日本へ伝わり、そして今では世界に広まっています。そして各地でその土地の宗教、文化と融合しながらさまざまな影響を与えてきました。仏教学コースでは、ブッダの教えを通じて現代社会を生きるための智慧を学びます。「宗教離れ」が指摘される現代だからこそ、仏教を学ぶことには大きな意味があります。仏典を読み解くために言語を学び、仏画・仏像といった文化への理解を深めることで、教員や学芸員といった仕事に活かすことができるでしょう。

カリキュラムの特徴

1・2年次は、インド仏教や大乗仏教、中国仏教、日本の仏教をそれぞれ学びます。並行して、仏教典籍に用いられる漢文やサンスクリット語、チベット語、パーリ語などを学習。仏教学研究の基礎を築きます。そして3・4年次には、各人の興味に応じて思想系、美術・文化・教養系、現代社会系などを専門的に学び、卒業論文・卒業研究につなげます。

ピックアップ授業

基礎仏教学

釈尊の生涯と思想をはじめ、仏教の基礎と専門用語の理解を進めながら、仏教の思想・歴史・文化に関わる幅広い知識と研究方法を修得。まずは初期仏教から部派仏教までの歴史的な流れと思想の基礎を学びます。

仏教漢文

漢和辞典を活用しながら、漢文で書かれた仏教の一次資料を解読するための基礎知識と技法を習得。慣れてきたら、返り点と送り仮名を理解した上で、訓点付きの漢文の内容理解や、現代語訳にも挑戦します。

基礎ゼミナール

1年次から2年次にかけての必修科目です。仏教学科におけるさまざまな授業を相互に関連する学びのネットワークと考えるならば、そのハブとしての機能を果たしています。

サンスクリット語研究

インドの文化に触れながら、仏教の一次資料の読解に向けて、仏教用語を「デーヴァナーガリー文字」とともに学習。簡単なサンスクリット語を読めるよう、名詞の変化をはじめとする文法の基礎を理解します。

専門ゼミナール

3年次から4年次にかけての必修科目です。より専門的な内容に取り組みながら、その成果を少人数のクラスのなかでアウトプットしていく訓練をしていきます。

インド思想研究

インドで形成され発展してきた宗教や哲学に関して幅広く知識を身につけるほか、その思想体系の全体像を、体系的かつ多面的に理解。3000年を超えるインドの歴史や文化と仏教思想との関わりを理解します。

期待される主な進路

  • 美術・芸術関連、学芸員
  • 公務員、公的施設職員、社会教育主事など
  • 教育機関、教育産業
  • 教員、大学院での研究
  • 博物館、資料館、図書館などの職員
  • 福祉施設、医療施設
  • その他一般企業

宗教者だけでなく、大学院への進学や教員・公務員としての道、一般企業への就職など、幅広い可能性があります。日本文化の根底にある仏教思想を体得することで、さまざまな分野での活躍が期待できるでしょう。

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