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「学び」と「実践」を通じた人材育成

こども文化・ビジネスコース

先生たちの春休み:鵜川先生編

新学期が始まりましたが、履修登録は順調ですか?
「指さし確認」をしながら、自分の履修内容をチェックしてくださいね。

さて、鵜川の春休みですが大部分は「実習施設の開拓」に追われていました。
学生のみなさんが楽しく充実した実習を体験することが出来るよう、実習先を訪問しスタッフの方と話し合いを重ねていました。

もう一つのお仕事である研究活動としては、3月9日から英国  ロンドンで開催されたWorld Association of Cultural Psychiatry ーThe  3rd World Congress of Cultural Psychiatryに参加し発表を行なってきました。

この学会は、多くの文化の間に生じる「メンタルヘルスの問題」について、臨床実践(医学、看護学、心理学、社会福祉学)、人類学(人類学(文化人類学、医療人類学)、民族学、社会学らの専門家が集いお互いの意見を交換し、「新たな知識と技術」を多文化間精神医学のフィールドに寄与することを目的としています。

私の授業の中で「多文化共生時代の子育てとは」というお話をしたことを覚えている人もいるかと思います。
ベトナムには『子どもを愛しているならば叩かなければならない』という諺があります。
そのためベトナムでは親の言うことを聞かない子どものお尻をしゃもじのようなもので叩くという慣習があります。
しかし、日本ではこのような行為は虐待ととられる可能性があります。
授業では、ベトナム人と日本人が、お互いの子育ての慣習をどのように理解し支え合うべきなのか考えて欲しいとお話しました。
World Association of  Cultural Psychiatryでは、このようなケースが抱える問題を深く掘り下げ話し合っています。

今回、私は「在日外国人の異文化適応問題に携わる支援者(医師、看護職、心理職、社会福祉職)の態度について」アンケート調査を行なった結果を発表してきました。
日本には外国人のメンタルヘルス支援に携わる専門家がまだまだ少ないです。
また日本の教育プログラムでは「在日外国人への支援」について学ぶ機会が非常に少ないのが現状です。
正直な話、日本人の多文化間精神医学への関心の高さや知識は諸外国と比較し、大きく立遅れています。

私は国際学会などで得られた知識を授業などでみなさんに提供していきたいと思います。
そして、みなさんが在日外国人の異文化適応問題に携わる支援者の一人に成長していくことを願っています。

ついでの報告ですが、World Association of Cultural Psychiatry ーThe  3rd World Congress of Cultural Psychiatryで「The WACP Research Poster Prize 2012(最優秀ポスタープレゼンテーション賞)」を頂いて来ました。
大人 になっても賞を貰うのは嬉しいものです。

これからも努力を重ねていこう!と思った春休みでした。

(文責:鵜川)

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