学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

国際文化コース

カルスタ漫画・アニメ・ゲーム研究会「トワイライト」の活動報告⑭

トワイライトの新しい活動報告がまた届いています。
春学期を振り返りつつ、夏休みのあいだに十分にリフレッシュし、また秋からの勉強に備えているカルチュラルスタディーズコースの学生たちです。

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 トワイライトメンバーのT.Nです。今回は、和田竜の歴史小説を原作とする2012年公開の映画作品、『のぼうの城』を視聴しました。

 『のぼうの城』は、天正18(1590)に起きた忍城(おしじょう)の戦いを描いた作品です。石田三成率いる豊臣軍20000人を相手に僅か500人の兵で立ち向かった戦国武将、成田長親がこの映画の主役です。映画の中での成田長親は、目立った武勇や才覚はなく、身分の低い農民たちから非常に慕われているという、武将としては変わり者で型破りな人物として描かれており、それ故、「でくのぼう」を略した「のぼう様」と呼ばれています。そんな「のぼう様」が圧倒的な兵力差の豊臣軍に奇策で挑む…というのがこの作品のあらすじです。

 この作品の特徴といえるのが、その「明るさ」です。戦国時代を扱った作品は戦いによる死の描写などの影響で、どうしても硬く、シリアスな雰囲気が多くなってしまいがちなのですが、『のぼうの城』では、成田長親の登場シーンに笑いを誘う場面が多く、合戦シーンとの雰囲気のギャップが激しいです。そして、映画を見ている視聴者も明るいシーンに笑い、それと同時に劇中の農民たちと同じように「のぼう様」が好きになっていくのです。実際、今回作品を視聴したトワイライトメンバーたちも、キャラクターとしての「のぼう様」に親しみを覚えている様子でした。ただし、これは単なる主人公としての特徴付けではありません。人に慕われ、人を笑わせるという「のぼう様」の人柄は、戦いの行方を大きく左右する重要なカギとなっていくのです。

 私自身は戦国時代については若干の知識があり、この作品を視聴するのも二度目だったので、今回は他のメンバーに解説する時間が多めでした。当時の時代背景を知ることによって、「のぼう様」がいかに変わり者であるかを一段と感じ取ることができます。すでに上で触れましたが、「時代劇的な魅力」と「コメディ的な魅力」の2つによるギャップがこの作品独特の魅力を生み出しているのではないでしょうか。今作は娯楽要素の強い作品ですが、新たな視点から魅力を再発見するのもまた面白いと思います。あまり複雑な分析はできませんでしたが、以上で今回の報告を終わります。

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秋学期の活動も、ぜひ充実させてください。
秋学期からの活動は正課授業の時間割が決まってから決定ということになりますが、学生たちから情報をもらいましたら、またこのブログでも紹介ます。
2号館6階のカルチュラルスタディーズコースのコーナーのホワイトボードにも、活動予告が書かれると思います。
オープンな活動にしたいと学生たちは考えています。カルチュラルスタディーズコースの3年生の学生が中心ですが、興味のある方たちはコースの内外を問わず、ご参加ください。

                                         ♪伊藤淑子



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