学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

人間科学科

震災ボランティアの経験を語る① 今後の学びとのつながり

 東日本大震災の発生から明日で3ヶ月が経過することになります。震災で亡くなられた方々にご冥福をお祈りするとともに、被災された方々のお見舞いを申し上げます。

 大正大学では、TSR(大正大学の社会的責任)を胸に、被災地への組織的な支援活動と池袋・巣鴨における街頭募金活動を鴨台ボランティアプロジェクトとして取り組んできました。4月10日から始まった南三陸町でのボランティア活動では、教職員と学生が4つ日程に分かれ、23日までの間、継続的な支援を行ってきました。これらの内容につきましは、大正大学ホームページ「東日本大震災に対する本学の対応について」にて、詳細がご覧になれます(活動内容は、以下の記事などをご参考ください /other/emergency/blog/2011/04/14-172024.html )

 上述の南三陸町でのボランティア活動に、人間科学科では4名の学生が参加しました。この震災ボランティアのメンバーに関しては、参加を希望する学生が多かったため、面談による選考が行われました。人間科学科にも残念ながらその選考に漏れた学生が数多くいました。その中でも、大学とは別の組織でのボランティア活動に参加した学生もいました。このように多くの学生が、未曾有の大震災で大きな被害を受けた被災地に向かい、そこで、自分にできることで何かと問い続けながら、ボランティア活動を行ってきました。

 そこで今回は震災ボランティアに参加した学生にインタビューし、経験したことを語っていただきます。

 その目的は2つありました。一つは、ボランティア活動を振り返ることで、今後の人間科学科での学びとのつながりを見つけてもらうことです。人間科学科では、人間の心理や社会のしくみやその変化を学びながら、日常生活(Life)を科学する力の養成を目指しています。今後、ボランティアを通じて獲得した考え方や直面した課題などを、人間科学の視点から問い直すひとつのきっかけになればと思い、インタビューしました。もう一つの目的は、学生同士が話合う機会を増やしたいということです。ボランティアに参加した学生に聞くと、あまり他の学生と震災やボランティアの話をしないそうです。今回、ブログの企画として人間科学科でボランティアに参加した学生を紹介しますので、関心がある学生は、積極的に彼ら/彼女らに声をかけて、その経験などを聞いてみてください。そこで一緒に考えたり、課題を共有することが、次の支援につながっていくと思います。

まずは、第一弾として、3年生の名取理恵さん(第2日程)のインタビューを掲載します。

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なぜ南三陸町でのボランティアに参加しようと思いましたか?

名取「私は茨城県に住んでいて、震災の時に一人で家にいたのですが、ものすごく恐怖を感じました。その後ニュースなどで放映される被災地の映像を見て、何かできることをしたいと強く思い、ボランティアに参加しました。」

ボランティア活動の中でもっとも心に残っていることは何ですか?

名取「私は昨年から大正大学のアドミッション・スタッフとして、受験を考える高校生と多く話してきました。しかし、ボランティア先で大学受験を控える高校3年生と関わっていた時に、彼女がどこでもいいから学費の安い国公立の大学に進学するしかない、だけど教科書もすべて津波で失った、と話しました。これまで高校生にいろいろと大学のことをアドバイスしてきた経験があったにもかかわらず、その時は何も返答ができず、何も言えなくなりました。何とか力になりたくて、私は第2日程であったため、帰ってから参考書を集め、第4日程の友人に渡してもらうよう預けました。そうした行動をとったことがよかったのかどうか悩んだりもします。」

ボランティアの経験が、今後の大学での学びにどのように影響していますか?

名取「大学に入学してからなのですが、子どもの心のケアについて関心が高まっています。現在も長谷川先生のテーマ研究Aで児童についての調査研究を学んでいます。友人が他の機関で震災ボランティアに参加していましたので、その活動内容などを話し合ったります。友人はガレキの撤去などの活動だったみたいですが、私の参加した南三陸町のボランティア活動では、多くの子どもたちと触れ合う機会に恵まれました。専門的なケア技術も持っているわけではありませんが、子どもたちが楽しんで遊んでくれたのがうれしかったです。しかし、先ほど話したように、抱える課題が大きすぎた相談の場合には、私には何もできない、というような気持ちになりました。今後も多くの人と、ボランティアの経験を話したりしながら、私が感じたりしたことをずっと心に秘めて、勉強を頑張っていきたいです。」

 

 

 

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