学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

人間科学科

アーレントの入門書の第二刷が刊行されました


 
河合が分担執筆し、編集にも関わった『アーレント読本』(アーレント研究会編)という本が法政大学出版局より刊行されました。

実は刊行されたのは昨年20207月でして、このたび2月に大好評につき第二刷となりました。

 

本書はタイトルどおり、ハンナ・アーレントという20世紀を代表する思想家の入門書です。アーレント思想の研究者総勢50名(河合もその一人です!)によって書かれており、かなり本格的です。

 

アーレントは、1906年にドイツのユダヤ人家庭に生まれ、1930年代にはアドルフ・ヒトラーのナチス政権による迫害の経験を経て、亡命先のアメリカで精力的に執筆活動を行った人物です。なかでも、ナチスに代表される全体主義の分析や、ナチス高官のアドルフ・アイヒマン裁判傍聴の報告書が有名です。ナチスの行いは20世紀に代表される非常に残虐な出来事でしたが、それを現に経験したアーレントは、そうした出来事が生じてしまったこの世界を理解しようと努め、まなざし、なおも愛そうとして思考をし続けました。

 

それは、あまりにも大きな試みだったため、アーレントの著作には、愛、全体主義、悪の凡庸さ、出生、世界、公と私、社会、等々、さまざまな難解なキーワードが飛び交っており、読みこなすのも容易ではありません。『アーレント読本』では、そうした代表的なキーワードおよびトピックごとにアーレントの思想が網羅的に紹介されているため、彼女の思想を理解するための格好の手引きの書となっており、なおかつ本格的な研究書にもなっています。

 

河合は、「社会的なもの/社会――その公共性との関係をめぐって」というタイトルの章を執筆しました。

 

目次等の詳細は、下記の出版社ホームページをご覧ください。

https://www.h-up.com/books/isbn978-4-588-15109-5.html

 

(文責:河合恭平)


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