学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

公共政策学科

公共政策の学び「文化政策」の課外学習について

公共政策学科ではさまざまな領域を学ぶことになりますが、本日は「文化政策」の課外学習についてお伝えしたいと思います。

文化政策では2年次より次のような授業目標をもち学びを進めます。
今後、少子高齢化による労働力不足による労働移民(外国人労働者)の受け入れ、18歳人口の減少に向けた留学生の獲得により在留外国人の数は増加していくでしょう。彼らの定住に伴い結婚移民や連鎖移民も増え、近い将来、隣人や同僚、そしてママ友もしくは家族の一員が外国にルーツを持つ人々となる可能性があります。本講義では自分たちとは異なる文化を持つ人々との共生について具体的なイメージを持つことを目指します。

本年度の課外学習は次の二か所で行いました。①福島県いわき市国際交流協会にて外国につながるこどもとその母親との交流、②ベトナム ホーチミンシティにて来日予定の特定技能生(2019年4月より技能実習から移行)らとの交流を試みました。
彼らとの交流にむけて文化が異なる(言語、価値観、習慣など)人々と交流するためのツールとしてアートセラピーを学びました。言葉を交わすセラピーより感情を表現しやすいセラピーです。こどもさんは言葉で感情を表すことが上手ではありません。また日本語が母国語ではない人も同様です。言葉を用いず気持ちを癒すセラピーがアートセラピーです。アートセラピーのなかでもフィンガーペインティング(指や手を使い絵を描く)とスクイッグル(相互なぐり書き法といわれ、今回は学生と外国につながるこどもがペアとなり行った)の理論と実践方法を学んだ上、実践に移しました。

  

2019年7月6日 土曜日にはいわき市に在住する東アジア、東南アジア、中央アジア、ラテンアメリカにルーツをもつ人々とアートセラピーをもちいて交流をしました。
参加者のこどもたちは「日頃のストレスが発散できた」大人たちからは「自分のこころの状態がよく分かった」などのコメントをいただきました。課外学習に参加をした学生たちからは「共通言語がなくても気持ちの交流はできるんですね」「日本で暮らす外国につながる人々は、異文化への適応でストレスを感じていることがわかった」などと話していました。
その時の報告書はこちらです。

  

また夏季休暇にはベトナム ホーチミンシティでのスタディツアーを行い、学生3名が参加しました。まずベトナム社会について歴史、社会的側面から理解を深めるために戦争証跡博物館の見学、枯葉剤の影響を受けたこどもたちとの交流等を含めたフィールドワークを、その後、ベトナムの特定技能生送り出し機関の一つを訪問しました。そこでは90人近くの特定技能生らが、日本で働く、生活するために日本語を学ぶのみならず日本の様々な習慣を身に着けるトレーニングが行われていました。ごみの分別の仕方も日本と同様でした。

  
  

学生らは日本語で彼らと交流し自分たちの出身地の観光情報などを提供していました。彼らとランチを共にしながら、ベトナムの日常の食文化を学ばせていただきました。

学生曰達からは「このような短期間のトレーニングだけで日本で生活する力はつくのだろうか」「ゆっくり話すことがわかりやすい日本語ではないんだね、わかりやすく伝えるために、自分たちも日本語を勉強しなおさなければならない」といった声が聞かれました。
このように国内、国外においてさまざまな文化的背景を持った人々と交流することにより、日本社会の文化政策の課題に近づくことが出来つつあるようです。

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