学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

公共政策学科

インフラツーリズムってなあに?(柏木先生より)

 みなさん、こんにちは。観光分野の講義を担当している柏木です。みなさんは、インフラツーリズムって知ってますか?今回は、インフラツーリズムのお話。

 インフラツーリズムとは、橋、ダム、港湾などインフラ施設を活用した観光のことです。近年、じわじわと人気が出ています。普段はなかなか入ることができないような区域に入り、どんな役割を果たしているのか、優れた技術、管理上の知恵などを見たり聞いたり感じたりすることができます。今回は、先日開催した事例(福島空港「滑走路ウォークツアー」)をご紹介します。小学生のいる家族を対象としたモニターツアーで、募集人員20名に対して40名の応募がありました。やっぱり人気ありますねえ。

 朝、5時半に須賀川市役所前に集合し、バスで空港へ。空港内の制限区域内に入るため許可証を配布します。空港制限区域内のエプロンまでは貸切バスで移動、そこから先は、ANA全面協力の元、荷物等を運搬するトロッコに乗車して滑走路まで移動します。滑走路につくと、ANAフライヤーズがダンスで歓迎セレモニー。そして、いよいよ滑走路を歩きます。県の空港管理事務所職員さんが、ところどころ滑走路に関するガイドをしてくださいます。例えば、「なぜ、滑走路には細かい溝があるのか」、「ここにはなぜこんなに無数のブレーキ痕があるのか」、「01地点ってなに」など・・・。航空機、空港との関係のわかる面白い話が盛りだくさんです。

 インフラツーリズム商品の開発・提供には、管轄する県、市、町の行政担当者、空港関係者、航空会社、地元の商工会議者、旅行会社の協力が不可欠です。みんなで企画会議を重ねながら「前例のないこと」から「やれること」に転換していきます。私は、こうした会議の進行役、サービス・デザイン、細やかな演出などのアドバイスをしています。もし、企画会議に参加したい、現場を見てみたいという学生がいれば、参加してもらう機会を提供しています。意思があれば、学内に留まらない経験知を高めることができますよ。

 追記:当ツアーは、観光庁事業として行われたものです。観光庁による感染症対策マニュアル(スタッフ関係者のツアー実施前1か月間の健康状況報告、ワクチン接種完了、ソーシャルディスタンスの確保、マスク着用など。ツアー導線上の感染リスクポイント抽出と対応策の事前審査完了)に基づき実施されています。

       

特別許可証                トロッコ前で記念撮影



       

ブレーキ痕                滑走路ウォークスタッフ(左から3番目が柏木先生)


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