学部・大学院FACULTY TAISHO
社会福祉学科
総合型選抜入試合格者対象の事前登校日が開催されました
3月17日は、総合型選抜入試で合格した者対象の事前登校日でした。14時から16時30分の間、学科閲覧室で行われました。
総合型選抜での入学者には、合格発表後、12月以降計2回のレポート課題があります。学科が出した課題図書は、村上靖彦(2023)『客観性の落とし穴』(ちくまプリマー新書)ですが、簡潔に要約したり、本書を通して考察したことをまとめたりしながら取り組んできました。なお、教員は提出されたレポートに対し、講評をしています。それを踏まえての事前登校です。
まず、学科長からの挨拶、教員の自己紹介、入学者の自己紹介から始め、アイスブレイクに入り、教員と入学者、入学者同士での交流を進めました。レクリエーションは入学後にもありますが、“緊張解除”の効果は抜群です。

休憩を挟み、後半はグループワークです。今回のグループワークでは、本書の中で興味を持った話題について知ったことや学んだことは何か、これから社会福祉学科でどのような学びをしたいのかの2点。グループ内での各自の発表を行い、意見交換をし、付箋やシートを使ってグループ内での共通点を検討しました。

最後に、全体会となり、各グループの代表者より報告をしてもらい、教務主任よりまとめや入学後にリーダーシップを発揮してほしいというメッセージがありました。
私が課題図書の選定に関わりましたので、少し触れておきます。本書は人間の意志や営みが過度にデータ化されて、そして異様なまでに「客観性」を強いられ、一方的にその人が解釈されてしまう昨今の状況に疑問を持つことから始まっています。一旦、「客観性」にカギカッコを入れると人や社会の見え方はどう変わるか。一人ひとりの体験や思い、生き様を尊重するとはどういうことか。そんな問いを大学生活で学問的に掘り下げて行って欲しいというメッセージも含む選書でした。難しい箇所もある本ですが、重要なこと、大切なことはショート動画と違って、分かり易くはありません。大事な問いを見つけ、格闘し、4年間を通して時間をかけてでもじっくり取り組んで欲しいと思います。学問は“安っぽい”ものではないのです。
(松本 一郎)
