学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

哲学・宗教文化コース

渋沢栄一史料館

 大正大学から歩いて10分ほどのところに飛鳥山公園があります。徳川吉宗の命によって造園された桜の名所です。その一角に2024年から新壱万円札の顔になることで注目を浴びている渋沢栄一の史料館(渋沢栄一史料館)があります。過日、寺田ゼミのメンバーで見学に行ってきました。

 渋沢栄一(18401931)は、第一国立銀行(現 みずほ銀行)・東京海上火災保険・王子製紙・帝国ホテル・秩父鉄道・東京証券取引所・キリンビール・サッポロビール等々、500以上の企業の設立に携わった「日本資本主義の父」と称される人物です。経済人としての活動のみならず、日本赤十字社・癩予防協会をはじめとした様々な社会貢献事業を推進したことでも知られています。

 我々、哲学・宗教文化コースとの関連では、『論語と算盤』を著し、道徳経済合一説を唱えた人物としても知られています。近代日本を代表する財界人が、『論語』の教えをどのように捉え、文明開化の世の中で東洋哲学の有用性・重要性をどのように考えていたのか。これまで多くの研究が提出されていますが、依然、興味深いテーマです。

 また、宗教学との絡みでは、姉崎正治(東京帝大宗教学初代教授)・井上哲次郎(帝大哲学初代教授)・成瀬仁蔵(日本女子大創立者)・森村市左衛門(東洋陶器/TOTOやノリタケの前身の創業者)等と共に帰一協会を結成し、「階級・国民・人種・宗教の帰一」を標語に掲げ(宗教者を中心とした)社会貢献活動に取り組みました。帰一協会には、釈宗演(臨済宗)・大内青巒(曹洞宗)・海老名弾正(ユニテリアン)・村上専精(大谷派)・新渡戸稲造(クェーカー)・本多日生(顕本法華宗)・筧克彦(神道)等といった様々な宗教をバックボーンにもつ知識人が参集していました。発足メンバーの一人には、大正大学初代学長である沢柳政太郎も名を連ねています。沢柳は、東北帝大・京都帝大の総長を歴任し、成城学園を創立した大正自由主義教育運動の中心人物としても知られています。

 史料館を見学したゼミ生は、渋沢のことを知らなかったメンバーが多く、いちいち感心しながら説明文を読んでいました。笑 

 みなさん、いい勉強の機会になりましたネ!

 寺田喜朗