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哲学・宗教文化コース

【人文学科哲学・宗教文化コース】宗教文化研究A 大山調査旅行④

「宗教文化研究A」の一環として行われた、一泊二日の大山調査旅行の様子を①②③とお伝えしてまいりました。
今回の④で最後となります、ぜひご覧ください。

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研修二日目は相州大山(雨降山)の大山寺を見学しました。
チェックアウト後、荷物を東學坊に置かせていただき、こま参道から大山寺まで往復しました。



上の写真はこま参道にあったある講の名簿です。1952(昭和27)年に講創立15周年記念に作ったものと書かれており、名前は講に納めた額の順番に並んでいるそうです。
こま参道には約700メートルの階段が続いており、アーケードには大山の名物である独楽(こま)や豆腐をはじめとしたお土産店が並んでいます。地元の方々が店先に立たれており、楽しいトークを交えながら接客をしてくださいました。
ちなみに、独楽は縁起物で、「金が回る」「円滑に回る」「知恵が回る」等といった意味合いがあるそうです。

こま参道を抜け、大山ケーブル(山麓)駅から大山寺駅までケーブルカーでの移動となります。


駅から大山寺へ行く途中に平和大観音という名の大きな観音菩薩像がありました。像の足元には幸福・恋結びの鐘があります。大山を男神、江ノ島を女神として両方セットで参拝されていた歴史に由来し、大山から江ノ島が見えるこの場所に設置しているようです。


道を抜けた先には石段が続いています。階段はかなり急で長いため登るのが大変でしたが、両脇に連なる像や紅葉した木々を間近で見ることができました。


階段を登り切った所にあるのが大山寺です。

大山寺は、755 (天平勝宝7)年に奈良の東大寺を開いた良弁僧正の開山で、弘法大師が第三世を務めたとも伝わります。
かつては現在の阿夫利神社の位置にありましたが、明治初年の廃仏毀釈によって現在の場所に移されました。
寺内に所蔵されている鉄造の大山不動明王と二童子は、鎌倉時代に鎌倉大楽寺の願行上人という真言僧によって作られ、霊力の高さから武士や庶民などに広く信仰されたと言われています。
館内は全面撮影禁止のため写真を撮れませんでしたが、迫力のある大きな提灯や撫で仏(びんずるさま)も見ることができました。
また寺院内では、おみくじや御朱印、お守りなども頂けます。



大山寺といえば「かわらけ投げ」です。手のひらほどの大きさの土器(かわらけ)を投げ、遠くに見える赤い輪に潜らせることができれば願いが叶うとされています。土器は土にすぐ戻る素材で作られているそうです。
投げるだけでも厄落としになるようですが、輪に通せた際は、特別なお土産が頂けるそうです。頂けるものも時により変わるそうなので、何度でも挑戦しに行きたくなります。厄除けとミニゲームを同時に体験できて面白かったです。


今回は授業の一環で貴重な体験をすることができました。観光ではなく研究の目線で一泊二日を大山で過ごし、古代から現代に至るまでの文化の歴史を間近に見てきました。
引率してくださった寺田先生と大場先生、一緒に勉強してくださった皆さん、本当にありがとうございました。

〈文責:針田智羽〉
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