学部・大学院FACULTY TAISHO
哲学・宗教文化コース
【人文学科哲学・宗教文化コース】宗教文化研究A 武州御岳山調査旅行②
前回に引き続き、「宗教文化研究A」で訪れた武州御岳山のフィールドワークの様子を報告します。
二日目の朝、私たちは6時に起床しました。この日は朝から日供祭(にっくさい)に参加させていただきます。日供祭とは、一日のはじまりに神様にお供えをする祭事で、神様の朝食のようなものです。
私たちは日供祭に参加するため、山上の武蔵御嶽神社・本殿へと移動しました。社務所の中には蔵王権現の像がありました。その立派な見た目と大きさに感銘を受けましたが、後で伺ったところ、この像は発泡スチロールでできているとのことでした。
8時から日供祭が始まり、神職の方が神饌と玉串を奉納されました。つづけて私たちも玉串を奉納させていただき、初めての体験を通して貴重な思い出を作ることができました。日供祭の後、神職の方から興味深いお話を伺いました。本殿は江戸時代になってから江戸城の方向を向くように造り直されたとのことです。
その後、朝食をいただき、チェックアウトを済ませました。駒鳥山荘の方々にお礼を申し上げ、最後に集合写真を撮っていただきました。そして、山内の散策へと向かいました。

今回の散策するのは展望台と奥の院です。
まず山道を進み、展望台に到着しました。ここでは周囲を囲む山々や鮮やかな紅葉を眺めることができ、大自然の美しさを堪能しました。


気持ちの良い風が吹く中で少し休憩し、次の目的地である奥の院へと足を進めました。
山を登りながら奥の院の鳥居に到着しました。ここからさらに男具那社を目指します。進む山道は、これまでの参道と違って舗装がほとんどされておらず、そこそこ険しい道のりでした。途中に橘姫命を祀る石碑がありました。橘姫は日本武尊の妻であり、ここで私たちは無事山頂にたどり着けるよう祈りを捧げ、再び登山を開始しました。
そこからさらに30分ほど登り、ついに奥の院男具那社へ到着しました。険しい山を登り切った達成感とともに、神聖な気持ちで参拝を済ませました。登山中は少々大変でしたが、その分、無事にここまで来られたことに感謝し、怪我なく下山できるよう願いを込めました。


お昼頃、本殿へと戻ると、前日とは違い外国人観光客が大勢訪れていました。中には犬を連れている人もおり、「さすがお犬様で有名な神社」と改めて感じました。
お守りをお授けいただいた後は、歴代の御師たちが守ってきた宝物殿を外から見学しました。今回の日程では宝物殿は閉まっていたため中を拝見することは叶いませんでしたが、次回訪れる機会があればぜひ見学したいと思います。
登山で体力を使い果たしたため、ケーブルカーで山のふもと滝本駅まで下りました。その後、バスの時間を気にしつつお土産を購入しました。焦りながらも良い買い物ができ、帰りのバスでは観光客で混み合っている様子から、この場所がいかに多くの人に愛されているかを実感しました。
帰りの電車では、皆疲れて静かではありましたが、充実した時間を過ごした満足感に満ちていたように思います。今回のフィールドワークを通じて、武蔵御嶽神社とその周辺の魅力を深く味わうことができ、とても素晴らしい経験となりました。
これにて二日にわたる武州御岳山、武蔵御嶽神社のフィールドワークが終了しました。
「宗教文化研究A」で初めてフィールドワークを体験してみて、観光客として訪れたときと比べて、得られる学びが多いと感じました。普段の観光では、ただ楽しいだけであったり、行けただけで満足してしまったりと、学びや知識として得られるものは少なかったと感じます。今回のフィールドワークでは、調査をするための調査員という形をとっているため、現地の方がたくさんお話をしてくださいました。そのため単なる観光客の時よりも、多くの学びを得ることができたと思います。学びが多かったと感じる理由はたくさんのお話を聞けたからだけではなく、私の心構えによるものでもあると思います。それは調査する、勉強しに行くという心構えです。普段の観光では、遊びに行くという心で過ごしているため、細かい情報に気づけませんでした。勉強する、調査するという心で訪問すると、どんなに細かいことも大切な情報に思えてきます。
今回の体験は別のフィールドワークで役立つだけでなく、日々の生活でも役立てることができると思います。日ごろから学ぶ意識をもって生活することで、意識していなかったころは気づけなかった学びを新たに得ることができるようになります。
今回のフィールドワークでは、武州御嶽神社の知識を深めるだけでなく、学ぼうとする心構えの大切さに気づくことができました。
最後に、引率してくださった髙橋先生、そして駒鳥山荘の皆さん、本当にありがとうございました。